地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案
参議院 環境委員会
令和6年法律第18号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- R6.3.15趣旨説明環境委員会 3114
- R6.3.22質疑環境委員会 452
- R6.3.29質疑・採決・附帯決議環境委員会 5176
- R6.4.2委員長報告・採決本会議 1633
参議院環境委員会
- R6.4.9趣旨説明環境委員会 4214
- R6.4.11質疑・採決・附帯決議環境委員会 5208
- R6.4.12委員長報告・採決本会議 1121
提案理由
伊藤信太郎 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 令和6年3月15日ただいま議題となりました地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
生物の多様性については、二〇二二年に新たな世界目標である昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択され、二〇三〇年までに自然を回復軌道に乗せるため、生物の多様性の損失を止め、反転させることという、いわゆるネイチャーポジティブが掲げられました。我が国においても生物の多様性の損失が続いており、これを改善するためには、国立公園等の保護地域の保全に加え、全国の里地里山等において、生物の多様性の維持、回復又は創出に資する活動を促進していくことが不可欠です。また、企業経営においても生物の多様性の重要性への認識が高まっており、事業者もこれらの活動の担い手となることが期待されます。
本法律案は、こうした状況を踏まえ、事業者等による地域の生物の多様性の増進のための活動を促進する認定制度を創設する等の措置を講ずるものでございます。
次に、本法律案の内容の概要として、主に四点御説明申し上げます。
第一に、基本理念として、生物の多様性その他の自然環境の保全と経済及び社会の持続的発展との両立が図られ、豊かな生物の多様性の恵沢を享受できる、自然と共生する社会の実現を掲げることとします。
第二に、主務大臣である環境大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣により、地域における生物の多様性の増進のための活動の促進に関する基本的な方針を定めることとします。
第三に、主務大臣による認定制度を設けます。地域における生物の多様性の増進のための活動を行おうとする者が作成する増進活動実施計画及び市町村が地域の多様な主体と連携して作成する連携増進活動実施計画の二つの計画制度を創設し、主務大臣の認定を受けた者に対して、自然公園法等の規制を適用除外とする等の特例を設けることとします。
第四に、長期的、安定的な活動を可能とするため、連携増進活動実施計画の認定を受けた市町村は、活動区域内の土地の所有者等と協定を締結することができることとします。
これらのほか、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務等の規定の整備、着実に本法律案の事務を実施するための独立行政法人環境再生保全機構への業務の追加等の措置を講じます。
以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようにお願い申し上げます。
第213回国会衆議院環境委員会議録第3号21頁(令和6年3月15日)〔伊藤信太郎環境大臣発言・発言番号112〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一生物多様性の増進のための活動の質の維持及び向上につながるよう、本法に基づく地方公共団体や民間の活動に対する財政上及び税制上の支援措置、支援証明書制度の構築など、必要な支援の充実に努めること。
二地域の主体的な取組を推進するためには、市町村の役割が重要であることに鑑み、市町村において、本法に基づく取組について体制強化や人材育成が図られるよう必要な支援を行うこと。
三サーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けて、陸域・海域ともに、生物多様性の情報と評価を更新し、その重要地域を明らかにし、保護地域やOECMを優先して拡充し、生態系ネットワークの形成に努めること。
四ネイチャーポジティブの実現に向けた社会変革には、農業・食料、国土形成、地方創生、エネルギー・経済、教育・研究分野等との連携が重要であることから、関係省庁による有機的な連携を強化して推進会議を設置すること。
五企業や市町村等が相互に状況を確認することにより、活動全体の質が向上するよう、認定された活動計画や活動の進捗状況などの公表に努めること。
六サーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けて、我が国の海域における海洋保護区やOECMの設定が遅れており、一方で、水産資源が減少する漁業の持続可能性や洋上風力などのエネルギー開発の海洋空間利用との調整を図る必要があることから、環境省が主導して関係省庁で連携し、海域の保全の方針を策定すること。
七生物多様性の回復に向けては、各地域の自然的・社会的条件に応じたきめ細かな取組が不可欠であることから、地方環境事務所などにおいて必要な体制を確保しつつ、生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略の策定や改定の促進のため、地域の実情に応じて、情報提供等を始めとした積極的な支援を行うこと。
八企業等による地域における生物多様性の増進のための活動が広く促進されるよう、計画策定に当たっての留意事項や認定基準の考え方を分かりやすく示すとともに、企業、団体、個人、地方公共団体の多様な主体に対して、認定制度の認知や理解の浸透・向上を図ること。
九国際的な情報開示の枠組の進展を踏まえて、我が国の企業に対して、特にサプライチェーン全体を通じた環境負荷の低減に関する情報開示や目標設定への支援を行うこと。
十生物多様性に対する国民の理解を深めるため、最新の科学的知見や本法に基づく活動状況等について、分かりやすい情報提供等を積極的に行うとともに、生物多様性に関する環境教育を推進すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一生物多様性の増進のための活動の質の維持及び向上につながるよう、本法に基づく地方公共団体や民間の活動に対する財政上及び税制上の支援措置、支援証明書制度の構築など、必要な支援の充実に努めること。
二地域生物多様性増進活動を行おうとする企業、団体、個人が、活動計画の作成や認定申請の手続、活動の長期的な継続等について専門家等による助言を受けられるよう、地方公共団体による地域生物多様性増進活動支援センターの機能の確保を始め中間支援の体制整備に向けた支援を進めること。
三地域の主体的な取組を推進するためには、市町村の役割が重要であることに鑑み、市町村において、本法に基づく取組について体制強化や人材育成が図られるよう必要な支援を行うこと。
四サーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けて、陸域・海域ともに、生物多様性の情報と評価を更新し、その重要地域を明らかにし、保護地域やOECMを優先して拡充し、生態系ネットワークの形成に努めること。
五ネイチャーポジティブの実現は、ネットゼロ、サーキュラーエコノミーとの統合的アプローチにより経済・社会的課題の同時解決に資するものであることを踏まえ、これらの関連施策との連携及び両立による相乗効果が発揮されるよう取組を推進すること。また、農業・食料、国土形成、地方創生、エネルギー・経済、教育・研究分野等との連携がネイチャーポジティブの実現のため重要であることから、関係省庁による有機的な連携を強化して推進会議を設置すること。
六企業や市町村等が相互に状況を確認することにより、活動全体の質が向上するよう、認定された活動計画や活動の進捗状況などの公表に努めること。また、申請に係る実施区域において、活動に伴って生物多様性を喪失させることがないよう、実態の把握に努めること。
七サーティー・バイ・サーティー目標の達成及びネイチャーポジティブの実現に向けて、我が国の海域における海洋保護区やOECMの設定が遅れており、一方で、水産資源が減少する漁業の持続可能性や洋上風力などのエネルギー開発の海洋空間利用との調整を図る必要があることから、環境省が主導して関係省庁で連携し、海域の保全の方針を策定すること。
八生物多様性の回復に向けては、各地域の自然的・社会的条件に応じたきめ細かな取組が不可欠であることから、地方環境事務所などにおいて必要な体制を確保しつつ、生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略の策定や改定の促進のため、地域の実情に応じて、情報提供等を始めとした積極的な支援を行うこと。
九企業等による地域における生物多様性の増進のための活動が広く促進されるよう、計画策定に当たっての留意事項や認定基準の考え方を分かりやすく示すとともに、企業、団体、個人、地方公共団体の多様な主体に対して、認定制度の認知や理解の浸透・向上を図ること。
十国際的な情報開示の枠組の進展を踏まえて、我が国の企業に対して、特にサプライチェーン全体を通じた環境負荷の低減に関する情報開示や目標設定への支援を行うこと。
十一生物多様性に対する国民の理解を深めるため、最新の科学的知見や本法に基づく活動状況等について、分かりやすい情報提供等を積極的に行うとともに、生物多様性に関する環境教育を推進すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121301043)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。