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閣法第217回国会 第31号成立

森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律案

令和7年法律第48号 森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律
提出令和7年2月28日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
令和7年法律第48号
審議会議 6回・発言 342(政府答弁等 133)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. R7.4.8趣旨説明農林水産委員会 7132
  2. R7.4.10質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 8151
  3. R7.4.11委員長報告・採決本会議 1938

参議院農林水産委員会

  1. R7.5.13趣旨説明農林水産委員会 8164
  2. R7.5.20質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 9159
  3. R7.5.23委員長報告・採決本会議 2122

提案理由

江藤拓 農林水産大臣 令和7年4月8日

森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。

 我が国の人工林の多くが利用期を迎えている中、切って、使って、植えて、育てるという森林資源の循環利用を進め、林業の持続的発展及び森林資源の適切な管理を促進することが、森林・林業政策の主要課題であります。

 このため、平成三十一年四月から、森林経営管理制度に基づき、市町村が森林について経営管理を行うための権利を取得した上で、自ら経営管理を行い、又は林業経営体への森林の集積、集約化を図る取組を進めてきたところであります。

 制度開始後五年間で、制度活用を希望する市町村の九割超で取組が開始されているところでありますが、林業経営体への森林の集積、集約化の進捗は低位に推移しております。

 このような状況を踏まえ、市町村と都道府県、林業経営体を始めとした地域の関係者の連携を強化し、林業経営体への森林の集積、集約化を迅速に進める新たな仕組みを創設するとともに、市町村の負担軽減を図るための措置等を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、森林経営管理法の一部改正であります。

 まず、森林経営体への森林の集積、集約化を迅速に進めるため、市町村は、単独又は都道府県等と共同して、地域の関係者と協議し、受け手となるべき林業経営体を定めた森林の将来像を、集約化構想として策定することができることとしております。

 集約化構想を策定した場合には、市町村が作成する権利集約配分一括計画により、林業経営体に、所有権を含む経営管理を行うための権利を迅速に設定又は移転することができることとしております。

 また、市町村の事務負担を軽減するため、共有林への権利設定に必要な同意要件や、所有者不明の森林等に係る権利設定の特例手続を緩和するほか、森林所有者の検索などの事務を受託して行う法人を市町村が指定する経営管理支援法人制度を導入することとしております。

 第二に、森林法の一部改正であります。

 太陽光発電に係る不適正事案を背景として、林地開発許可制度の実効性を強化すべく、林地開発の許可に付した条件に違反して開発行為をした者に対する罰則を新設するとともに、開発行為に係る命令違反者の公表をできることとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

第217回国会衆議院農林水産委員会議録第7号22頁(令和7年4月8日)〔江藤拓農林水産大臣発言・発言番号130〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会令和7年4月10日

我が国の森林・林業は、木材価格の低迷、森林所有者の世代交代等により、森林所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林が増加するなど、依然として厳しい状況にある。こうした中、人工林の六割超が利用可能な段階を迎えるとともに、二〇五〇年ネット・ゼロの実現等に向け、森林資源の循環利用を進める必要性が高まっており、再造林等に責任を持って取り組む林業経営体の確保と森林の集積・集約化を進めることが重要である。また、林地開発許可制度においても森林の公益的機能の確保が不可欠であることから、太陽光発電設備の設置等に係る不適正な林地開発に対しては厳正に対処する必要がある。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記

一集約化構想及び権利集積配分一括計画を内容とする新たな仕組みが現場に浸透し、林業経営の効率化及び森林管理の適正化の一体的促進が円滑に進むよう、市町村及び都道府県と協力して、森林所有者、森林組合、民間事業者など、地域の森林・林業関係者に新たな仕組みの周知を徹底すること。

二集約化構想の前提となる協議の場の設置に当たっては、川上から川下までの事業者などの幅広い地域の関係者の参加を求めるとともに、デジタル技術を活用した森林資源情報の共有等を通じ、集約化構想の策定に向け、市町村や都道府県とこれらの地域の関係者が効果的に連携できるよう支援すること。

三新たな仕組みを含む森林経営管理制度により経営管理実施権又は所有権を取得した林業経営体による適切な森林の経営管理を確保するため、これらの林業経営体の経営管理の実施状況について、市町村と都道府県が的確に把握し必要な対応を行うことができるよう、適切な助言等を行うこと。

四市町村が、集約化構想や権利集積配分一括計画の作成等の新たな業務を円滑に実施することができるよう、市町村の林業部門担当職員の確保・育成を図る仕組みの確立、林業技術者等の活用に必要な支援の実施及び体制の整備を図ること。

五再造林等に責任を持って取り組む林業経営体を確保するためには、林業労働力の育成を図ることが不可欠である。中小事業者を含む地域の林業経営体の事業量の拡大等による林業就業者の所得の向上、労働安全対策をはじめとする就業条件改善に向けた対策の強化を図ること。林業分野における外国人材の受け入れについては、労働災害発生率が国内他産業に比して非常に高い現状に鑑み、労働安全確保に向け、万全を期すよう、対策の強化を図ること。

六集約化構想を通じた集積・集約化に必要な条件整備が効果的に進むよう、デジタル技術を活用した境界明確化等の取組に対する支援を一層強化すること。

七路網は、主伐等による木材の安定供給や、森林の有する多面的機能の持続的な発揮に必要な造林、保育、間伐等の施業を効率的に行うために不可欠な生産基盤であり、災害時の代替路など地域のインフラとしても活用できることから、路網整備に対する支援を一層強化すること。

八我が国の住宅市場が縮小する中、森林資源の循環利用を図るため、住宅分野において輸入材の割合が高い横架材等の国産材への転換や、中高層建築分野における木材需要の創出など、国産材需要の拡大を図るとともに、これらの需要に対応した川上から川下までの安定的・効率的な供給体制を構築すること。

九新たな仕組みを含む森林経営管理制度において中心的な役割を果たす市町村の負担軽減を図るべく、都道府県に対し市町村と積極的に連携し、集約化構想等の策定等に取り組むよう促すとともに、新設する経営管理支援法人制度による市町村事務のアウトソーシング、地域林政アドバイザー制度の活用などに対する支援を一層強化すること。

十地域の実情に即した林業経営の低コスト化等に向けた先駆的な技術の開発・普及と民有林との連携の更なる推進のため、森林管理局等の地方組織の職員の人材育成、適正配置など、国有林野事業の実施体制を強化すること。

十一林地開発に係る命令違反者の公表制度の運用に当たっては、命令違反に係る情報を容易に把握できるよう、各都道府県において情報を収集・共有する仕組みを設けるなど、必要な措置を講ずること。

十二森林環境税及び森林環境譲与税について、集約化構想等の新たな仕組みへの活用を含め、市町村及び都道府県における一層の有効活用を促すとともに、地方公共団体の取組状況や制度創設の趣旨等を踏まえ、必要がある場合には、森林環境譲与税の使途や譲与基準を始め、適時適切に所要の対応を検討すること。

参議院 農林水産委員会令和7年5月20日

我が国の森林・林業は、木材価格の低迷、森林所有者の世代交代等により、森林所有者の経営意欲の低下や所有者不明森林が増加するなど、依然として厳しい状況にある。こうした中、人工林の六割超が利用可能な段階を迎えるとともに、二〇五〇年ネット・ゼロの実現等に向け、森林資源の循環利用を進める必要性が高まっており、再造林等に責任を持って取り組む林業経営体の確保と森林の集積・集約化を進めることが重要である。また、林地開発許可制度においても森林の公益的機能の確保が不可欠であることから、太陽光発電設備の設置等に係る不適正な林地開発に対しては厳正に対処する必要がある。よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一集約化構想及び権利集積配分一括計画を内容とする新たな仕組みが現場に浸透し、林業経営の効率化及び森林管理の適正化の一体的促進が円滑に進むよう、市町村及び都道府県と協力して、森林所有者、森林組合、民間事業者など、地域の森林・林業関係者に新たな仕組みの周知を徹底すること。

二集約化構想の前提となる協議の場の設置に当たっては、川上から川下までの事業者などの幅広い地域の関係者の参加を求めるとともに、デジタル技術を活用した森林資源情報の共有等を通じ、集約化構想の策定に向け、市町村や都道府県とこれらの地域の関係者が効果的に連携できるよう支援すること。

三新たな仕組みを含む森林経営管理制度により経営管理実施権又は所有権を取得した林業経営体による適切な森林の経営管理を確保するため、これらの林業経営体の経営管理の実施状況について、市町村と都道府県が的確に把握し必要な対応を行うことができるよう、適切な助言等を行うこと。

四市町村が、集約化構想や権利集積配分一括計画の作成等の新たな業務を円滑に実施することができるよう、市町村の林業部門担当職員の確保・育成を図る仕組みの確立、林業技術者等の活用に必要な支援の実施及び体制の整備を図ること。

五再造林等に責任を持って取り組む林業経営体を確保するためには、林業労働力の育成を図ることが不可欠である。中小事業者を含む地域の林業経営体の事業量の拡大や立木価格の適正化等による林業就業者の所得の向上、労働安全対策をはじめとする就業条件改善に向けた対策の強化を図ること。林業分野における外国人材の受け入れについては、労働災害発生率が国内他産業に比して非常に高い現状に鑑み、労働安全確保に向け、万全を期すよう、対策の強化を図ること。

六集約化構想を通じた集積・集約化に必要な条件整備が効果的に進むよう、デジタル技術を活用した境界明確化等の取組に対する支援を一層強化すること。

七路網は、主伐等による木材の安定供給や、森林の有する多面的機能の持続的な発揮に必要な造林、保育、間伐等の施業を効率的に行うために不可欠な生産基盤であり、災害時の代替路など地域のインフラとしても活用できることから、路網整備に対する支援を一層強化すること。

八我が国の住宅市場が縮小する中、森林資源の循環利用を図るため、住宅分野において輸入材の割合が高い横架材等の国産材への転換や、中高層建築分野における木材需要の創出など、国産材需要の拡大を図るとともに、これらの需要に対応した川上から川下までの安定的・効率的な供給体制を構築すること。

九木材の安定供給体制の確立に向けては、中継拠点としての中間土場等の整備、安全かつ円滑に運搬できる林道整備の推進を通じて、原木輸送の効率化を図るとともに、トラック運転手の育成や丸太を運搬する事業者への支援を一層強化すること。

十新たな仕組みを含む森林経営管理制度において中心的な役割を果たす市町村の負担軽減を図るべく、都道府県に対し市町村と積極的に連携し、集約化構想等の策定等に取り組むよう促すとともに、新設する経営管理支援法人制度による市町村事務のアウトソーシング、地域林政アドバイザー制度の活用などに対する支援を一層強化すること。

十一地域の実情に即した林業経営の低コスト化等に向けた先駆的な技術の開発・普及と民有林との連携の更なる推進のため、森林管理局等の地方組織の職員の人材育成、適正配置など、国有林野事業の実施体制を強化すること。

十二林地開発に係る命令違反者の公表制度の運用に当たっては、命令違反に係る情報を容易に把握できるよう、各都道府県において情報を収集・共有する仕組みを設けるなど、必要な措置を講ずること。

十三森林環境税及び森林環境譲与税について、集約化構想等の新たな仕組みへの活用を含め、市町村及び都道府県における一層の有効活用を促すとともに、地方公共団体の取組状況や制度創設の趣旨等を踏まえ、必要がある場合には、森林環境譲与税の使途や譲与基準を始め、適時適切に所要の対応を検討すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121701031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。