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衆法第7回国会 第7号成立修正あり

公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律案

昭和25年法律第101号 公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律
提出昭和25年3月2日 選挙法改正に関する調査特別委員長
付託衆議院 選挙法改正に関する調査特別委員会
参議院 選挙法改正に関する特別委員会
成立
昭和25年法律第101号
審議会議 7回・発言 194(政府答弁等 4)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院選挙法改正に関する調査特別委員会

  1. S25.3.2法律案起草選挙法改正に関する調査特別委員会 524
  2. S25.3.14趣旨弁明・討論・採決本会議 2650
  3. S25.4.11参議院回付案・参議院回付案同意本会議 3634

参議院選挙法改正に関する特別委員会

  1. S25.3.7趣旨説明・質疑選挙法改正に関する特別委員会 736
  2. S25.4.1質疑選挙法改正に関する特別委員会 1364
  3. S25.4.6修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・修正案選挙法改正に関する特別委員会 1455
  4. S25.4.7委員長報告・採決(修正)本会議 40111

提案理由

生田和平 議員(発議者) 昭和25年3月7日

公職選挙法案、並びに公職選挙法の施行及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律案につき、提案の理由と要旨を説明いたします。

 本法案については、第五国会に於て委員三十一名よりなる、特別委員会が設置せられ、更に第六国会、第七国会に於て同一委員会が設けられ、継続審議せられ、委員会において議決せられておるのであります。

 現行衆議院議員選挙法は、大正十四年普通選挙が施行せられると共に制定せられたものであることは、皆様御承知の通りであります。爾来幾多の修正と、関係法令が制定せられました結果、複雑多岐に亘り、專門家に非らざれば理解い難きこととなり、ここに総合的、統一立法が要請せられることとなつたのであります。

 日本国憲法は、主権が国民に存することを宣言し、日本国民は正当に選挙せられたる国会における代表者を通して行動し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受すると規定されております。

 ここに提案せる、公職選挙法は、国会における代表者を選挙するに止まらず、地方公共団体の議会の議員及び長並びに教育委員会の委員の選挙にも適用せんとするものでありまして、その影響するところ広範囲に亘り、頗る重大なる意義を持つものであります。

 我々は、憲法の明示せる国民の自由権を尊重せねばなりません。又憲法の明示せる正当なる選挙を行わねばなりません。併しながら正当なる選挙を行うには、秩序を維持し、公正を確保せねばなりません。秩序を維持し、公正を確保する方法、程度については、各人思ひ思ひに意見の相違がありまして、ここに立法の困難性が伴います。

 思うに選挙法は、一種の制限法でありまして、全章殆んど制限規定を以て埋められておると申しても過言ではありません。例えば年齢の制限、住居期間の制限、投票による制限、選挙区制の制限、名簿調製の制限、任期の制限、立候補の制限、当選についての制限、選挙運動についての制限、選挙費用の制限等挙げて数うべからざるものがあります。

 改正法は国民の自由権を基礎として、これらの制限を如何に撤廃し又は緩和し、調整するかが重大なる鍵であるとさえ考へるのであります。委員会は以上の見地に立つて独自の立場において従来の欠点を是正し若しくは整備し、時代に即応する最も分り易き国民的選挙法を制定いたしたのであります。

 この法律は、十七章二百七十三條より構成せられております。その第一條において選挙の目的を明示してあります。即ち、この法律は、日本国憲法の精神に則り衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員及び長並びに教育委員会の委員を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて、公明且つ適正に行われることを確保し、以て民主政治の健全なる発達を期する事を目的とすると明記してあります。而して、本法中最も重要なる点は、選挙権、被選挙権の問題、選挙区制の問題、選挙運動の問題でありまして、選挙法中の三大問題でありと言い得るのでありませう。

 選挙権、被選挙権については、既往においてこれが拡張に努められたのでありますが、今回の改正に当つて、六ケ月の住居要件を三ケ月に短縮し、準禁治産者及び選挙犯罪以外の犯罪に因る刑の執行猶予中の者にも選挙権、被選挙権を與えることとし、更に選挙制度創設以来制限し来れる自書主義を緩和し、文盲者には代理投票を認めることとし、不在投票の範囲を拡張して、監獄又は少年院に收容中の者にも投票の途を拓きました。これらは選挙権、被選挙権に関する拡張事項でありまして、多年に亘る宿題を一挙にして解決いたしたのであります。

 選挙区制の問題については、衆議院には全県一区が尚九県存在しておりますので、これを二分区に改正すべしとの有力なる意見があり、参議院についてもまちまちの意見がありましたが、今回は両院とも現状のままとし一切触れないことに意見の一致を見ました。

 選挙運動については、選挙は原則として自由であり、公正でなければなりませぬが、金のかからぬ選挙を要望せられる現状にありましては、そこに幾多の矛盾が発生して来るのであります。又法律理論と政治的社会的実態との食違いが、至るところに見出されるのであります。従いましてこれらの調整には多くの苦心が拂われたのは当然であります。

 委員会としては選挙公営を強化して選挙運動を明朗化すると共に、候補者の選挙費用の均等化を図ることとし、他方第三者の言論による自由の伸張に努めました。

 立会演説会については候補者の代理演説の回数を増加して、五分の一を三分の一に改め、個人演説会の回数制限を撤廃しこれを自由とし、街頭演説会にあつては、候補者がいなければならぬという條件を撤廃してこれを解放しました。即ち、言論による選挙運動の自由を大幅に緩和したのであります。

 新聞雑誌の報道及び評論についてはこれを法文化し、言論の自由を認めたのでありますが、虚僞の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等、表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならないとの但書を加えまして、新聞雑誌が本来の使命を謬らざらんことを規定しました。

 戸別訪問の規定については、数ケ月に亘り論議を重ねました結果、一般的には従来の通り、これを禁止いたしましたが、候補者みずからが親族、平素親交の間柄にある知己、其の他密接なる間柄にあるものを訪問することは差支ないと規定したのでありまして、我が国の醇風美俗の精神を取入れたものと思うのであります。従つて従来称えられている個々面接とはその性格を異にするものであることを申上げて置きます。言葉を換えて言へば適正なる選挙運動をもなし得ると御了解願いたいのであります。

 選挙運動に関する收入及び支出、並びに寄附の規定については、政治資金規正法の一部を取入れ、争訟及び罰則規定については概ね現行法を取入れました。

 尚本法は、五月一日から施行せらるることになつていることを附加えて申上げて置きます。

第7回国会参議院選挙法改正に関する特別委員会会議録第7号3頁(昭和25年3月7日)〔生田和平議員発言・発言番号21〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100702007)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。