漁業法の一部を改正する法律案
参議院 水産委員会
昭和26年法律第309号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院水産委員会
- S26.10.25趣旨説明・質疑・逐条説明水産委員会 588
- S26.10.30質疑水産委員会 741
- S26.11.1修正案・修正案趣旨弁明・討論・採決(修正)水産委員会 841
- S26.11.6修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 1221
参議院水産委員会
- S26.11.7趣旨説明・質疑・衆議院修正部分趣旨説明水産委員会 366
- S26.11.12質疑水産委員会 525
- S26.11.16質疑水産委員会 6185
- S26.11.20質疑・討論・採決水産委員会 749
- S26.11.21採決・委員長報告本会議 2139
提案理由
根本龍太郎 農林大臣 昭和26年10月25日漁業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由の大体を御説明申し上げたいと存じます。
この法律案は、御承知のように前国会以来懸案のものでございまして、すなわち昨年の三月十四日施行を見ました新漁業法において漁民による漁業秩序の再建を意図し、旧法に基いて免許されました漁業権の再編成を行うとともに、許可漁業についても、それぞれ漁業の民主化という見地から、再検討を加え、漁業制度改革を円滑に実施するとともに、さらにまた去る二月十四日総司令部より非公式の形で政府に勧告のあつたいわゆる日本沿岸漁民の直面している経済的危機と、その解決案としての五ポイント計画に掲げている第一ポイントに対する措置といたしまして、お手元に配付いたしてある法律案要綱に書かれているようなことを実施いたしたいと考えておるのであります。これはただいま申し述べました五ポイント計画中第一ポイントにおいて指摘されております濫獲漁業を禁止することによりまして、水産資源の枯渇を防止するため、法律案に規定されております漁業の増勢をとにもかくにも停止することをねらいとしておる次第でございます。ところで漁業許可の権限自体は、都道府県知事に委任いたすのでありますが、その許可し得る総わく自体を中央においてしつかりと把握して、その増勢を停止しようとするのがこの法律案の調整方式の考え方であります。この問題につきましては、前国会において相当愼重に討議を重ねられて参つたのでありまするが、ただこれを裏づけすべき予算措置が欠けておりましたために、成立を見なかつたのでございます。今回は補正予算におきまして、小型機船底びき網漁業については二億四百万円、瀬戸内海機船船びき網漁業につきましては二千万円が認められることになつたので、すみやかにこれが実施をいたしたいと考えておる次第でございます。
次に本法律案において取上げました具体的内容について御説明いたしますと、第一、中型旋網漁業について申し上げます。現在旋網漁業はすべて都道府県知事の許可となつておりますが、現在全部で約三千箇統の数に達しまして、さらに増勢の傾向にあるのであります。従いまして前述した趣旨にのつとり、大型機船六十トン以上はすべて大臣許可漁業とし、中型船五トン以上大十トン未満で特殊海域として農林大臣が指定する予定であります三陸、日本海中部及び日本海西部海域において操業するものは大臣許可漁業、その他のものは本法律案に規定するところでありますが、これについては農林大臣が各都道府県別ごとに定めるわく内で都道府県知事が許可することといたし、小型船五トン未満は従来のまま知事の許可にまかす方式で調整1し、これらの増勢の傾向を極力押えて行く予定でございます。なお前二者は別途農林省令を制定いたしまして規律する予定でございます。
第二に、小型機船底びき網漁業について申し上げます。この漁業は、現在機船底曳網漁業取締規則農林省令第二十六條ノ二の規定によりまして規律されているものを主といたしておるのでありますが、いわゆる以東底びきといわれる大臣許可漁業の機船底びき網漁業とは取扱いを異にし、さほど問題がないものとして知事の許可にゆだねられておるのであります。ところでこの小型底びきは、技術の進歩とともに漁獲能率が高まり、かつ僅少な資本で経営することが可能であることから、零細漁民が容易に入りやすい漁業でありまして、従つて沿岸至るところで操業され、戦時戦後の秩序の弛緩から無許可操業が常態化しまして、その数実に三万五千に達し、沿岸漁業秩序維持にゆゆしき事態を惹起しておる次第でございます。従いまして制度改革との関連からも急速にこの漁業の秩序を回復するとともに、あまりにも資源との不均衡を来している点を是正するため、農林大臣が直接都道府県別の許可わくを定めて、適正な操業統数に減船し、この漁業自身の健全な発達と、他漁業との円滑を期そりとするものでございます。
第三に、瀬戸内海機船船びき網漁業について申し上げますと、この漁業は主としていわし及びその稚魚を採捕の対象とするものでございますが、小さいものが価格がいいことから勢い稚魚の濫獲を来しているものでございまして、現在のままその増勢を放任することになりますと、いわし資源の危機が叫ばれておる折から、内海における資源にまつたく破壊的影響を與えておる次第でございます。従つてこの漁業についても、特に緊急の必要がある瀬戸内海においては、農林大臣が定めたわく以上の許可統数を認めない強硬措置をとることにいたしたいのであります。
以上がこの法案の主要な内容でございまするが、ただいま川村委員からの現地調査における結果とも相合致する点がございますので、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御協賛あらんことを切にお願いする次第であります。
第12回国会衆議院水産委員会議録第5号2頁(昭和26年10月25日)〔根本龍太郎農林大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101201004)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。