清掃法案
参議院 厚生委員会
参議院 通商産業委員会
昭和29年法律第72号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会
- S29.2.1趣旨説明・質疑厚生委員会 471
- S29.2.3質疑厚生委員会 530
- S29.3.11小委員長報告・質疑・採決(修正)厚生委員会 1363
- S29.3.12修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 1931
- S29.4.17参議院回付案・参議院回付案同意本会議 3829
参議院厚生委員会・通商産業委員会
- S29.2.23趣旨説明・補足説明厚生委員会 1011
- S29.2.25質疑厚生委員会 1195
- S29.3.23質疑通商産業委員会 22155
- S29.3.23質疑厚生委員会 1768
- S29.3.25申入通商産業委員会 23205
- S29.4.6質疑厚生委員会 23102
- S29.4.8質疑厚生委員会 24109
- S29.4.9質疑厚生委員会 2543
- S29.4.13質疑・附帯決議・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)厚生委員会 2776
- S29.4.16附帯決議・委員長報告・採決(修正)本会議 3545
提案理由
草葉隆圓 国務大臣 昭和29年2月1日次に、ただいま議題となりました清掃法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。
清掃事業の能率的な運営によつて生活環境を清潔に保つことが環境衛生対策の第一歩であることは今さら申すまでもありませんが、現存清掃事業の根拠法規となつておりますものは、明治三十三年の制定にかかる汚物掃除法であります。しかるに現行法制定後五十数年間における都市の発展、人口の増加、産業の発達等は著しいものがあり、その反面公衆衛生、なかんずく衛生工学は長足の進歩を示しておりますので、現行法は今日の社会情勢に即応した清掃事業を行う上において、もはや十分にその機能を果すことができなくなつたのであります。かかる事情にかんがみ清掃事業の効率的な運営をはかるために、本法案を提案いたした次第でありまして、改正のおもな点は次の通りであります。
第一は清掃事業における市町村、都道府県及び国の責務を明らかにするとともに国民の積極的な協力についても規定を設けたことであります。
第二は清掃の対象となる汚物について、実態に即応して若干変更を加えたことであります。
第三は清掃の必要性の地域差を考慮し、特別清掃地域の制度を設けるとともに、季節的観光地、キヤンプ場、スキー場、海水浴場等季節的に多数人の集合する地域については期間を限つて季節的清掃地域の制度を設けたことであります。
第四は特別清掃地域及び季節的清掃地域においてはみだりに汚物を投棄することを禁止することとともに、糞尿は一定の方法によるのでなければ肥料として使用してはならないこととしたことであります。
第五は清掃施設に関し、屎尿浄化槽、屎尿消化槽の維持管理の基準を定めるとともにこれらによる糞尿の処理が不完全であると認めるときは、都道府県知事が必要な措置命令をすることができることとしたことであります。
第六は特別清掃地域内においては市町村の作業の計画的運営に支障なからしめるために、汚物取扱業は市町村長の許可を要することとしたことであります。
第七は全国的に生活環境の清潔保持をはかるため、公共の水域、一定の海域には、みだりに糞尿を捨てることを禁止し、また大掃除の施行について規定したことであります。
以上が本法案の提案の理由並びにその要点でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第19回国会衆議院厚生委員会議録第4号4頁(昭和29年2月1日)〔草葉隆圓国務大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
清掃事業の徹底を期するため、清掃施設の整備に対しては、昭和二十九年度以降地方起債の増額を認むる等、資金融通の途を拡大すると共に、国庫補助の増額措置を講ずることを要望する。以上の通りであります。
附帯決議清掃事業の徹底を期するため、清掃施設の整備に対しては、昭和二十九年度以降地方起債の増額を認むる等、資金融通の途を拡大すると共に、国庫補助の増額措置を講ずることを要望する。以上を以て討論を終結し、採決に入りましたところ、堂森委員提出の修正案及び湯山委員提出の附帯決議案は、全会一致を以て可決せられ、次いで修正部分を除く衆議院送付案も全会一致で可決せられました。よつて本案は、全会一致を以て修正議決すべきものと決定いたしました。次に、あへん法案について申上げます。明治三十年に制定されました阿片法は、昭和二十年連合軍総司令部の覚書によつて、けしの栽培が禁止され、事実上死文化し、昭和二十三年麻薬取締法の制定に当つてこれが廃止せられて今日に及んでおるのでありますが、あへんの国内保有量は逐次減少するに至りましたので、今後国が輸入の途を講ずると共に、終戦直後禁止されましたけしの栽培を復活する必要が生じて来たのであります。又我が国は、一九五三年に調印された国際条約の要請に基きまして、あへんの輸入、輸出、一手買取り及び売渡しの権能を国に専属せしめる義務も生ずることになりましたので、この際、国民医療の万全を期するために、その適正な調整を図ることと相成つた次第であります。本法案の主たる内容を申上げますと、第一は、けしの栽培についてはあへんの生産計画及び取締上の観点から、栽培区域並びに栽培面積を指定し、栽培の経営能力等を有する者に栽培許可を与え、けし耕作者に対しては播種前における収納価格の公告、モルヒネ鑑定前の概算払及び災害補償等の制度を設けてあへんの生産を行わしむることといたしております。なお学術研究のため研究栽培者の制度も併せて考慮いたしております。第二は、国は、けし耕作者等の生産したあへんをすべて収納し、あへんの生産事情、輸入価格及びその他の経済事情等を考慮して適正な収納価格を定めることにいたしました。又収納したあへんは、輸入あへんと共に国が保有し、国内需給事情に即して適正な数量を麻薬製造業者に売渡し、医療用麻薬の適正な生産を期しております。第三は、あへんは医療上欠くべからざる麻薬原料でありますが、その半面に恐るべき有害作用がありまするので、従来麻薬取締法に基いて行なつて来た取締と同様の取締をこのあへん法案においてもなすことにいたしたのであります。特にけしの栽培、あへん、けしがら等の取扱に関し、新たな取締規定を整備すると共に、あへん監視員制度を設けたことであります。以上が本案の大要でありまするが、厚生委員会におきましては、四回に亘り慎重審議が続けられ、あへん行政と取締関係等については熱心に質疑が行われましたが、その詳細につきましては、速記録を御覧願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、大谷委員より、本法の施行期日を五月一日に改め、大蔵省設置法の第七条第十七号を改めることの修正動議が提出せられました。以上で討論を終結し、採決を行いましたところ、大谷委員の修正動議は、全会一致を以て可決せられ、次いで修正部分を除く衆議院送付案についても、これ又全会一致を以て可決せられました。よつて本案は、全会一致、修正議決すべきものと決定いたした次第であります。以上、御報告申上げます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901009)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。