出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和29年法律第195号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- S29.3.9趣旨説明大蔵委員会 1844
- S29.4.6参考人招致大蔵委員会 3530
- S29.4.7質疑大蔵委員会 3686
- S29.4.21質疑大蔵委員会 4442
- S29.4.27質疑大蔵委員会 48155
- S29.4.28修正案・修正案趣旨説明・質疑大蔵委員会 4952
- S29.5.6質疑大蔵委員会 5027
- S29.5.7質疑大蔵委員会 5157
- S29.5.11質疑大蔵委員会 524
- S29.5.14質疑大蔵委員会 5552
- S29.5.18質疑大蔵委員会 5622
- S29.5.20質疑・修正案・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)大蔵委員会 5843
- S29.5.25修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 5549
- S29.6.15附帯決議本会議 671
参議院大蔵委員会
- S29.3.15趣旨説明大蔵委員会 1858
- S29.5.28衆議院修正部分趣旨説明・質疑・採決大蔵委員会 5199
- S29.5.29委員長報告・採決本会議 5392
提案理由
植木庚子郎 政府委員(大蔵政務次官) 昭和29年3月9日まず出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案につきまして、御説明申し上げます。
元来、出資金は複数人の共同事業の基金として醵出される金銭であつて、後日これに相当する金額が出資者の手元に復帰するかどうかは、事業の成否いかんにかかるのであり、あらかじめその返還を確約しがたいものであります。しかるに最近におきまして、出資金として一般大衆から大量の金銭を受入れるにつき、一方において後日必ずその金額またはこれを越える金額を支払うべきことを表示し、またはその金額を払いもどすかのごとき誤解を生ぜしめるような方法を用いており、他方において、事業不成功の場合にその金額の支払いの不能を来している場合が少くないのであります。かかる方法により不特定かつ多数の者から金銭の受入れをすることは、出資者に不測の損失を招来せしめ、一般の経済秩序に混乱を生ぜしめる因となることは明らかであります。そこで、このような金銭の受入れを禁止する方途も考えられるのでありますが、この際は、むしろ出資金の性格を誤認せしめるような出資の受入れを禁止し、一般大衆を惑わすような金銭の受入れの方法を一掃するのが適当であると存ずるのであります。
また預金の受入れ等の受信業務につきましては、現在すでに各般の金融関係法規によりまして、行政庁の免許ないし認可を受けた金融機関以外の者がこの業務を営むことを禁止しているのでありますが、最近はこの面における脱法的な行為もいよいよ巧妙な手段がとられるようになりまして、取締りに困難を加えて参つておる実情であります。従いまして、この際預金の受入れ等の禁止の範囲について明確な規定を設ける等の措置によりまして、取締りに便ならしめ、もつて金融秩序の維持をはかることといたしたいのであります。
次に、金銭の貸付等を業とする貸金業者につきましては、現在貸金業者の取締りに関する法律によりまして、貸金業を行うには大蔵大臣への届出を要することといたしております。このほかこの法律におきましては、貸金業者が預り金をすることを禁止するとともに、さらに金融機関の役職員等の、いわゆる浮貸し等を禁止し、またこの法律制定の当時無尽業法に規定する無尽に類似する業務を行つていた、いわゆる殖産会社の整理の措置を規定しているのであります。しかるところ現在に至るまでのこの法律の運用上の経験にかんがみますと、貸金業者の届出制は、現在においてはその必要を認めないのみならず、もしろ弊害を生じている状況でありますし、他面殖産会社の整理はすでに完了いたしておりますので、この際この法律はこれを廃止することが現状に即することと考えられるのであります。
なお貸金業者の金利のみならず、一般に金銭貸付の利息等につきましては、その不当に高いものはこれを取締る必要があると考えられますので、今回罰則をもつてその取締を行うことといたしたのであります。
次に、この法律案のおもな内容についてその概要を御説明いたします。
第一に、何人も、不特定多数の者に対して、後日出資金の金額以上の金額を払いもどすべき旨を示し、またはこのような払いもどしがある旨の誤解を生じさせるような仕方を用いて、出資金の受入れをしてはならないことといたしております。
第二に、他の法律に特別の規定のある者を除いて、何人も業として預かり金をしてはならないこととし、預かり金の解釈規定を設けるとともに、主として貸金を業とする者が、社債の発行により不特定多数の者から貸付資金を受入れるときは、業として預かり金をするものとみなしております。
第三に、貸金業等の取締りに関する法律は、これを廃止することといたしますが、同法中の金融機関役職員等に対する浮貸し等の禁止規定は存置することとして、おおむねこれと同様の規定を設けております。
第四に、金銭の貸付を行う者が、その貸付利息について、日歩三十銭の限度を越えてこれを契約しまたは受領したときは、刑事罰を課するとともに、金銭の貸借の媒介を行う者は、その手数料について、媒介金額の五分の限度を越えてこれを契約しまたは受領してはならないこととしております。
第五に罰則につきましては、高金利の処罰のほか、出資金の受入れ制限、預かり金の禁止、浮貸し等の禁止及び媒介手数料の制限の各規正に違反した者及びこれらの各規定の脱法行為をした者に対し刑事罰を課することとするとともに、所要の両罰規定を設け、また銀行法、貯蓄銀行法、信託業法及び無尽業法の無免許営業者に対する罰則を強化し、あわせて両罰規定を設けるほか、これらの法律中の他の罰則についても整備をはかつております。
第19回国会衆議院大蔵委員会議録第18号3頁(昭和29年3月9日)〔植木庚子郎政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
第二条第二項の不特定且つ多数の者という中には、株主といえども特定できるものはこれを包含しない趣旨であるから、本条の運用に当つては、不当に検察権を発動することのないよう、十分に慎重適切を期せられたい。というのであります。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=101901081)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。