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国会審議›第24回国会›閣法第48号
閣法第24回国会 第48号成立

労働保険審査官及び労働保険審査会法案

昭和31年法律第126号 労働保険審査官及び労働保険審査会法
提出昭和31年2月15日 内閣
付託参議院 社会労働委員会
衆議院 社会労働委員会
成立
昭和31年法律第126号
審議会議 11回・発言 567(政府答弁等 215)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S31.2.21趣旨説明社会労働委員会 107
  2. S31.3.6質疑社会労働委員会 1358
  3. S31.3.7質疑社会労働委員会 1427
  4. S31.3.13委員長報告・採決本会議 2127
  5. S31.3.13討論・採決社会労働委員会 1915

参議院社会労働委員会

  1. S31.3.9趣旨説明社会労働委員会 1457
  2. S31.4.20質疑社会労働委員会 2654
  3. S31.5.15質疑社会労働委員会 35139
  4. S31.5.24質疑社会労働委員会 39223
  5. S31.5.25質疑・討論・附帯決議・採決社会労働委員会 40150
  6. S31.5.28委員長報告・討論・採決本会議 5435
  7. S31.6.3附帯決議本会議 1

提案理由

倉石忠雄 労働大臣 昭和31年2月21日

労働保険審査官及び労働保険審査会法案の提案の理由について御説明申し上げます。

 御承知のごとく、労働省所管の保険といたしましては、労働者災害補償保険法及び失業保険法に基く保険制度があり、また昨年第二十二回国会において成立をみましたけい肺及び外傷性脊髄障害に関する特別保護法による給付も労災保険とあわせて運用されているのであります。

 しかしてこれらの保険制度における保険給付等の決定に異議ある場合の審査機構としましては、労災保険と失業保険とにおきましてそれぞれ別個の審査機関が設けられているのであります。すなわち労災保険におきましては、第一審である保険審査官及び第二審である労働者災害補償保険審査会がともに都道府県労働基準局ごとに設置されており、失業保険におきましては第一審として失業保険審査官が、第二審として失業保険審査会が労働省に設置されているのであります。

 これら審査会制度の今日までの運用の実情を見ますと、労災保険におきましては、中央の審査機関がないために審査の統一ある運用に欠ける点がありましたので、この際労働者災害補償保険審査会を失業保険審査会と統合いたしまして労働省に労働保険審査会を設け、審査の統一ある運用を確保するとともに同審査会を常置の機関として審査の迅速化をはかろうと存ずるのであります。

 他方労働者災害補償保険審査会も失業保険審査会もともに現行制度のもとにおきましては、労使及び公益の委員によるいわゆる三者構成となっているのでありますが、審査会は、本来、行政官庁の行う事故の業務上外の決定、障害等級の決定及び失業の認定等について審査を行うものであり、準司法的ないし判定的機能を有するものでありますので、裁判制度或は労働委員会における不当労働行為の救済制度におけるがごとく、公益的立場にある学識経験者のみによって構成される機関が審査し、裁決することが妥当であると存ずるのであります。

 よって一この際労働保険審査会の組織につきましては、社会保険審査会の例にならい、内閣総理大臣が両議員の同意を得て任命する特別職の委員をもって構成することといたしたのであります。しかし審理に当りましては労使の主張を十分聴取するため労使代表の参与を認め、その意見を十分尊重するように別に措置することといたした次第であります。

 以上のほか、従来の審査の実情から見て、審査について管轄、手続等をさらに合理化する必要がありますので、審査手続につきましても改善をはかることといたした次第であります。これが今回本法案を提出いたした理由でございまして、これによって審査の統一をはかるとともに、その適正化を期したいと考えておる次第であります。

 次に法案の内容について概略御説明申し上げます。

 まず本法案における審査制度の概要についてであります。第一審である審査官の段階につきましては、現行制度をほぼそのまま取り入れることとし、現行の労働者災害補償保険審査官及び失業保険審査官を総称して労働保険審査官と称することといたしました。

 ただ従来の各都道府県労働基準局ごとの労使三者構成の審査会を廃止いたしますので、審査官が審査を行うに当り、労使の代表が当該事案につき意見を述べることを保障する制度を採用いたしたのであります。失業保険審査官につきましても審査の慎重を期するために同じく右の制度を設けることといたしております。なお、労働基準法上の災害補償に関する労使間の争いの審査及び仲裁につきましても、業務上外の決定、障害等級の決定等実質的に労災保険給付についての審査と全く同一内容の事案を取り扱うものであり、かつ、これと一体不可分でありますので、労災保険に関する異議の審査についての機構を整備いたしましたのに伴い、この際労災保険の場合と同じく労働者災害補償保険審査官をして取り扱わしめることといたし、右に申し述べました労使の代表が意見を述べる制度は、この場合にも活用することといたした次第でございます。

 第二審につきましては、労働省に労働保険審査会が置かれることは前に申し上げたところでありますが、労働保険審査官がした保険給付に関する不服に対する審査の決定にさらに不服のある者が、この労働保険審査会に再審査の請求をすることになるのであります。その組織につきましては、さきに申し上げましたごとく、内閣総理大臣の同意を得て任命する委員三名をもって構成されるのでありますが、各保険ごとに労使の代表者が再審査に当って、その意見を述べあるいは意見書を提出することができることといたしたことは前に述べた通りであります。

 以上のごとく、審査官の審査、審査会の再審査を経まして、なお不服のある者が裁判所に出訴することができることについては現行制度と同様であることは申し上げるまでもありません。

 次に法案の定めている審査手続についてでありますが、審査ないし再審査請求の対象となる事項につきましては、現行制度そのまま採用しておるのでありまして、労災保険関係については、当該負傷、疾病、死亡等の事故の業務上外の決定、障害補償費を支給するについて特にその障害等級の決定、平均賃金額の決定、保険の給付制限事由の有無の決定等々が、失業保険については、被保険者資格の得喪の確認、失業の認定、保険金の給付制限事由の有無の決定等々が現行制度におけると全く同様に審査事項になることは申し上げるまでもないところであります。審査ないし再審査の請求の受理から始まり、本案の決定、その通知に至るまでの審査の諸手続につきましては、労働者及び事業主の権利救済の万全を期するため、現在政令で定められてある事項を法律に規定するとともにその整備充実をはかることといたしたわけであります。

 なお、本法案の作成に当りましては、社会保障制度審議会を初めとして、労働者災害保険審議会、中央職業安定審議会、けい肺審議会及び中央労働基準審議会に諮問いたしたのでありますが、その答申につきましてはこれを尊重し、必要な事項は法律案に取り入れることといたしたのであります。

 以上提案理由を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。

第24回国会衆議院社会労働委員会議録第10号5頁(昭和31年2月21日)〔倉石忠雄労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102401048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。