港湾法の一部を改正する法律案
参議院 運輸委員会
昭和32年法律第25号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
福永一臣 政府委員(運輸政務次官) 昭和32年3月5日ただいま議題となりました港湾法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要について御説明申し上げます。
最近の産業の発展に伴って船腹が増大するとともに、船型が大型化してきましたことは世界的な傾向でありますが、これに即応して港湾施設を整備する必要のあることは言うまでもないところであります。わが国の港湾についても、従来その整備に極力努めてきましたが、財政上の理由もありまして、産業の飛躍的な発展には遺憾ながら追随できないような実情であります。船舶の大型化は、石油、石炭、鉱石等の大量貨物にかかる船舶について特に著しいのでありますが、右のような大量貨物を原材料とする産業については、その企業を合理化するため、たとい若干の費用を負担しましても、関係を有する港湾施設の急速な整備を熱望する者も多い次第であります。港湾法は、一般公衆の利用に供する施設に限って、国の助成のもとに港湾管理者が整備に当る趣旨を規定しておりますけれども、企業合理化促進法は特定の事業者の申請があった場合には、港湾法のワクを逸脱しない範囲で、その申請にかかる施設の整備を港湾法によって行うことを定めているのであります。以上のような諸産業は、国民経済の発達に重要な関連を持っているのでありまして、今回政府といたしましては、関係事業者の資金をも一部活用する新しい構想のもとで、右のような産業関連港湾施設を、企業合理化促進法により急速に整備しようと考えるに至った次第であります。計画の内容につきましては、昭和三十二年度において横浜港外十港に対し事業費約十四億円、うち国費約六億円の工事を実施せんとするものであります。今回の措置は、受益事業者が事業費の相当部分を負担する場合においては、国と港湾管理者の費用の負担割合について適当な例外を設ける方が公平の観念に合致するものと認められますので、費用の負担割合についての港湾法の一般原則に対し例外的な措置をとり得るようにする必要があるのであります。これが本案を提案する理由であります。
次に本案の概要について説明します。現行の港湾法は、重要港湾の水域、外郭及び係留の港湾施設については、国と港湾管理者がそれぞれ五割ずつ費用を負担しなければならないことを定めておりますが、改正案による費用の負担については、恒久制度としては国二・五、港湾管理者二・五、受益事業者五という比率となりますが、一方地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律が効力を有する間は、暫定的に国三、港湾管理者二、受益事業者五という比率によることとしておるのであります。さらに受益事業者の負担金が事業費の十分の五をこえる場合については現在考えておりませんが、その必要が起りました場合には特に法律をもって定めることとしております。
以上が本案に対する概要並びに提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決せられるようお願い申し上げる次第であります。
第26回国会衆議院運輸委員会議録第6号1頁(昭和32年3月5日)〔福永一臣政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102601067)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。