職業訓練法案
衆議院 社会労働委員会
昭和33年法律第133号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会・社会労働委員会文教委員会連合審査会
- S33.2.28趣旨説明社会労働委員会 13207
- S33.3.3質疑社会労働委員会 1559
- S33.3.11質疑社会労働委員会 1989
- S33.3.18質疑社会労働委員会 23104
- S33.3.25質疑社会労働委員会文教委員会連合審査会 180
- S33.3.25質疑社会労働委員会 26100
- S33.3.28質疑社会労働委員会 29151
- S33.3.31修正案・委員長報告・採決(修正)本会議 2331
- S33.3.31修正案趣旨説明・修正案・採決(修正)社会労働委員会 307
参議院社会労働委員会
- S33.3.6趣旨説明社会労働委員会 11172
- S33.4.3衆議院修正部分趣旨説明・補足説明社会労働委員会 19122
- S33.4.17質疑社会労働委員会 25177
- S33.4.18質疑社会労働委員会 26162
- S33.4.21質疑・討論・附帯決議・採決社会労働委員会 27156
- S33.4.22採決・委員長報告本会議 2555
- S33.4.25附帯決議本会議 1
提案理由
石田博英 労働大臣 昭和33年2月28日ただいま議題になりました職業訓練法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
最近、産業界におきましては、高度の技能を必要とする生産分野の拡大に伴って、技能労働者の確保が強く要請されて参っているのでありますが、労働軍場の現状を見まするに、約五十万に及ぶ完全失業者と多くの不完全就業者をかかえている反面、技能労働者が著しく不足しており、このことが雇用と生産の両面における隘路ともなっている実情であります。また、労働者の技能水準の向上は職業の安定、労働者の地位の向上とともに産業の振興の基盤をなすものでありますが、このために必要な職業訓練の諸制度について見ますと、一部のものを除いては、必ずしも十分とはいいがたく、なかんずくわが国の産業構造上重要な地位を占める中小企業において著しく低調に終始している現状にあるのであります。この点、欧米諸国におきましては職能組合等の発意煙と想待って、つとに職業訓練及び技能検定の制度が確立されており、政府及び民間においても、技能労働者の養成確保のために多大の努力が払われているのでありまして、これに比較いたしますとき、わが国の現状は著しく立ちおくれているといわざるを得ないのであります。最近、科学技術教育の振興が叫ばれておりますが、産業の進歩発展のためには、科学技術教育と並んで、労働者の技能を向上させるための職業訓練を系統的に行うことによって、生産現場における技能水準の向上と技能労働者の確保をはることが緊急の要務と考えるのであります。労働省におきましては、従来職業安定法に基き、求職者に対する職業補導を行う一方、労働基準法によって、事業主が行う技能者養成の指導援助を行なって参ったのでありますが、以上の実情にかんがみ、この際これらの諸制度について再検討を加えて職業訓練を一そう充実させるとともに、さらに技能検定制度を設けて労働者の技能水準の向上をはかる等により総合的な職業訓練制度を確立する必要を痛感するに至ったのであります。このため、さきに閣議決定に基いて設置されました臨時職業訓練制度審議会の答申を十分尊重し、その意見を基いて所要の規定を整備することとし、この法律案を提出することといたしたのであります。次にその内容の概要を御説明申し上げます。
ます第一に、職業訓練法の目的として以上申し上げました趣旨を規定いたしますとともに、公共の機関が行う職業訓練と事業主の行う職業訓練とが系統的に実施されること、及び職業訓練と学校教育等との密接な連係をはかることを明らかにすることといたしたのであります。
第二に、公共の機関が行う職業訓練につきましては、現下の雇用及び失業の情勢に対処し、無技能労働者に対して訓練を行うことによってその就職の促進をはかるとともに、事業主の行う職業訓練に対する援助を積極的に行う趣旨のもとに、都道府県が設置する一般職業訓練所及び労働福祉事業団が設置する総合職業訓練所等において行う職業訓練に関する事項について必要な規定を設けることといたしたのであります。
次に、事業主がその雇用する労働者に対して行う職業訓練につきましては、国及び都道府県が積極的に必要な援助を行うよう努める旨を規定するとともに、職業訓練に関する合理的かつ効果的な基準を設けて職業訓練の効果を最大限に確保せしめることといたしたのであります。特に中小企業に対しましては、その職業訓練が円滑に行われるように共同職業訓練の方式を認め、かつ積極的にこれを助成することといたしました。
第四に、職業訓練指導員につきましては、その資質のいかんは職業訓練の成果を左右する重要な要素であることにかんがみまして、これに関する免許及び試験制度を定め、職業訓練指導員の資質の向上をはかることといたしたのであります。
第五に、諸外国における職業訓練制度の例にならって、職業訓練を修了した者を中心として労働者の技能の検定を行うことによってその技能の向上に資することといたしたのであります。技能検定は二つの級に分けて、実技試験及び学科試験によって行うこととし、技能検定に合格した者は技能士と称することができることなど、技能検定について必要な規定を設けることといたしたのであります。
以上のほか、労働省及び都道府県に設置する職業訓練審議会に関する事項について規定を設けるとともに、職業訓練及び技能検定に関する行政を一元的に行わせるため、労働省に職業訓練部を設置することとし、これに伴う労働省設置法の改正その他この法律の制定に伴う経過措置並びに他の法律との調整等について所要の規定を設けることといたしたのであります。
以上この法律の制定理由並びに法律案の概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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第28回国会衆議院社会労働委員会議録第13号5頁(昭和33年2月28日)〔石田博英労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102801093)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。