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国会審議›第38回国会›閣法第75号
閣法第38回国会 第75号成立

漁業生産調整組合法案

昭和36年法律第128号 漁業生産調整組合法
提出昭和36年2月24日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
昭和36年法律第128号
審議会議 12回・発言 655(政府答弁等 271)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. S36.2.28趣旨説明農林水産委員会 810
  2. S36.5.25参考人招致農林水産委員会 4166
  3. S36.5.26補足説明・質疑農林水産委員会 4290
  4. S36.5.30採決・委員長報告本会議 4740
  5. S36.5.30質疑・採決農林水産委員会 4337

参議院農林水産委員会

  1. S36.2.28趣旨説明農林水産委員会 1077
  2. S36.4.6補足説明農林水産委員会 26102
  3. S36.4.7参考資料説明農林水産委員会 2748
  4. S36.4.27質疑農林水産委員会 37231
  5. S36.6.2質疑農林水産委員会 54102
  6. S36.6.6質疑・採決農林水産委員会 55126
  7. S36.6.7委員長報告・採決本会議 3626

提案理由

周東英雄 農林大臣 昭和36年2月28日

漁業生産調整組合法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。

 わが国の漁業において重要な地位を占めるサンマ、アジ、サバ、スルメイカ等の多獲性の水産物の採捕を目的とする中小漁業につきましては、その漁業の性質上、時期的に過度の漁獲が行なわれ、漁獲物が陸揚地の輸送、冷蔵、冷凍、加工等の処理能力をこえて陸揚げされるため、その価格が暴落し、その結果その漁業を営む中小漁業者等の経営の安定が阻害される事態、すなわち大漁貧乏の現象を呈することがしばしばあるのであります。

 従って、これらの漁業の経営の安定をはかるためには価格流通面における諸施策が必要であることは申すまでもないところでありますが、これらの施策が十全の効果を発揮するためには、その前提として生産面における適切な調整が必要とされるのであります。

 政府といたしましては、多獲性の水産物の採捕を目的とする漁業の経営安定対策について鋭意検討いたしました結果、魚価安定基金の設置等の価格流通面における施策を講ずる一方、生産面における調整として、漁業者がその漁業生産活動を自主的に調整する組織として漁業生産調整組合を設けることができるようにするとともに、必要な場合に国がその自主的調整を補完する措置を講ずることができるようにするため、この法律案を今回提出した次第であります。

 次に、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。

 第一点といたしまして、組合を設立することができる漁業は、この組合制度の趣旨にかんがみ、多獲性の水産物の採捕を目的とする漁業で政令で指定するものといたしております。政令の指定は、一定の海域におけるサンマ棒受け網漁業、アジ。サバまき網漁業、イカつり漁業等を予定しております。

 第二点といたしまして、組合は、政令で指定する漁業を営む者が農林大臣の認可を受けて指定漁業ごとに設立することといたしております。組合の設立の要件といたしましては、組合員資格を有する者の三分の二以上が組合員となっていること等のほか、組合の重複設立を避けるため、組合の数は指定漁業ごとに一個に限ることといたしております。

 第三点といたしまして、組合の事業は調整事業とその他の事業といたしております。調整事業は二種類といたしております。一つは、一般的な制限として、休漁日の設定、積載量の制限、運搬船の隻数の制限等を予定しております。その他の一つは、特定の漁業における組合員の一部を対象とする陸揚げの制限でありまして、一定の事態において、以上の一般的な制限を行なってもなお調整事業が十分な効果をあげ得ない場合に限り行なうもので、この制限を行なう場合には、その対象となる組合員に一種の犠性をしいることにもなりますので、組合がその組合員に調整金を支払うこととするとともに、別に提案いたしております魚価安定基金法案に基づき設立される魚価安定基金からその組合に対し、それに要する経費の一部または全部を交付することといたしております。

 なお、組合が調整事業を行なうにあたっては、その重要性と、一般消費者及び関連事業者に及ぼす影響を考慮して その事業の内容、方法等につきまして調整規程を設定せしめ、農林大臣の認可を受けさせることといたしております。

 組合の事業としては、以上の調整事業のほか、組合員に対する情報提供事業と組合員のためにする組合協約の締結があります。

 第四点といたしましては、漁業生産活動の規制に関する命令であります。

 この組合制度は、組合が調整規程を定めて自主的に調整事業を行なうことを原則といたしておりますが、現実には、員外者の行為により、または組合自体の力が弱いこと等の理由によって、組合の行なう調整事業が所期の効果をあげ得ない場合も考えられますので、これらの場合には、農林大臣は、組合の申し出により、一定の要件のもとに、一般的制限につきまして、その調整規程の内容を参酌して制限を定め、その組合の組合員たる資格を有する者に対し、これに従うべきことを命ずることができるものといたしております。

 第五点といたしましては、農林大臣の認可を受けた調整規程または組合協約及びこれらに基づく行為につき原則として独占禁止法の規定を適用しないことといたしますとともに、農林大臣が調整規程の認可等の処分を行なう場合には公正取引委員会と協議することといたしております。

 第六点といたしましては、農林大臣は、適用漁業の指定を行なう場合または漁業生産活動の規制に関する命令を出す場合には、中央漁業調整審議会の意見を聞かなければならないこととするとともに、調整規程の認可等を行なう場合には、地元の水産業に及ぼす影響を考慮して、関係都道府県知事の意見を聞かなければならないことといたしております。

 以上のほか、組合の設立、管理、解散等につきましては、この種の組合の例に準じ所要の規定を設けておりますとともに、組合の行なう調整事業の重要性にかんがみ、組合に対する監督のための規定を設けております。

 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

第38回国会衆議院農林水産委員会議録第8号20頁(昭和36年2月28日)〔周東英雄農林大臣発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103801075)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。