会計法の一部を改正する法律案
参議院 大蔵委員会
昭和36年法律第236号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
天野公義 政府委員(大蔵政務次官) 昭和36年10月3日最後に、会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法律案は、国の行なう売買、貸借、請負その他の契約の制度につきまして改正を行なおうとするものであります。現在国の契約制度は、会計法及びこれに基づく予算決算及び会計令で規律し、運用されておりますが、この制度は、大正十年制定にかかる旧会計法の内容を大体そのまま受け継いだものでありますので、その後事情に照らし再検討する必要があったのであります。そこで昨年財政制度審議会において御討議を願い、ここに会計法の一部を改正して国の行なう売買、貸借、請負その他の契約についての制度を整備し、その運営の円滑化をはかることにいたしたいと考え、この法律案を提出いたしました次第であります。
次に、本法律案の概要について御説明申し上げます。
まず第一に、現行の会計法は、一般競争を原則とし、指名競争及び随意契約を例外としておりますが、一般競争の行なわれているのはきわめて少ない実情にあります。しかし、一般競争の方式は、国の契約方式として確保すべき公正及び機会均等の面からもすぐれた制度であり、各国もこれを原則的方式と定めている例が多いという実情にあります。従いまして本法律案におきましては、契約の性質または目的により一般競争に付する必要がない場合及び一般競争に付することが不利と認められる場合においては指名競争に付し、契約の性質または目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合においては随意契約によるものとし、それ以外の場合は一般競争によることといたしておりますが、予定価格が少額である場合等においては、指名競争または随意契約によることができることにいたしております。
第二に、競争契約の場合における落札方式は、歳入原因契約にあっては最高の、歳出原因契約にあっては最低の入札者を落札者とすることを原則といたしますが、歳出原因契約のうち特別なものについては入札価格が著しく低いことにより契約の適正な履行がされないおそれがあると認められるとき、またはその者と契約を締結することが公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認められるときは、所定の手続のもとに次順位の入札者を契約の相手方とすることができる道を開くことにいたしております。
第三に、契約の適正な履行を確保するため監督及び検査について必要な規定を設け、監督及び検査の民間委託に関しても規定を明確にし、また契約の目的物について相当期間の保証がある場合においては監督または検査を一部省略することができることにいたしております。なお、この改正に伴いまして、監督員、検査員の任命についての規定を整備するとともに、その責任の明確化をはかることにいたしております。
第四に、契約書の作成、入札保証金、契約保証金等の事項につきましては、従来学説、判例等において議論がありましたが、この機会に規定の明確化をはかることにいたしております。
第五に、電気、ガスもしくは水の供給または電話の役務提供のごとき長期継続契約つきましては、手続の簡素化をはかることにいたしております。
第六に、契約事務を担当する者につきましての任命の規定を整備いたしますとともに、その責任の明確化をはかることといたしております。
以上が農業近代化助成資金の設置に関する法律案外二法律案についての提案の理由及びその概要でございます。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
第39回国会衆議院大蔵委員会議録第1号3頁(昭和36年10月3日)〔天野公義政府委員発言・発言番号11〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文の朗読をいたします。会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
一国の行なう売買・貸借、請負その他の契約等本法の運用に当っては、各省各庁は、中小企業者の不利益にならないよう資格要件策定その他について十分に配意すべきである。
二指名競争入札及び随意契約が拡大される傾向にあるが、これに伴なう談合や不断行為のないよう業者と担当官の関係を十分規制するよう配意すべきである。以下、簡単に本決議案を上程する趣旨を申し上げたいと存じます。御承知のように、従来国の契約金額を検討してみますと、約九九%が随意もしくは指名契約になっております。この傾向は、法律に定められた一般競争契約を原則とするという建前から見まするときに、非常に法の原則に違った実態が出ておるようであります。それをさらに今回の改正で実態に合うような改正が行なわれるわけでありますから、一そう指名契約、さらに随意契約が増大をすると見なければなりません。そうなった場合に、どうしても大企業と中小企業との指名や随意の率というものがアンバランスになって、中小企業が圧迫を受ける傾向が出てくるのではないかと心配されるのであります。そこで、特に指名の基準、さらに資力、信用、期日、その他の基準策定に当たっては十分中小企業も契約に入れるような配慮をしなければならない、それが官公需要を中小企業に確保する一つの方法でもあろう、こういう点から、まず決議案を上程した次第であります。第二には、随意と指名契約というものが増大をして参りますと、担当官と業者との間のなれ合いや不正というものが起こりやすい、そういう傾向が一そう顕著になろうと思うのであります。そこで、担当官と業者との談合やあるいはなれ合いというものをできるだけ防止する配慮が必要ではなかろうか、特に歳出原因契約については、最低価格が入札者が不当な価格と思われた場合には次順位のものを入札者とする、こういう新しい規定が設けられたわけでありますから、これなども乱用のおそれのないように十分配慮をしなければならないのではないか、こういう点から本附帯決議案を上程した次第でございます。簡単でございますが、附帯決議案に対する趣旨を御説明申し上げた次第でございます。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=103901034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。