住宅金融公庫法の一部を改正する法律案
参議院 建設委員会
昭和40年法律第29号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
小山長規 建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長 昭和40年2月12日ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足りる住宅の建設に必要な資金を融通し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったのであります。
この法律案は、最近の公庫の貸し付け金に対する要望及び公庫の業務運営の実情にかんがみ、公庫の業務の範囲を拡大するとともに、既存の貸し付け制度の改善等を行なおうとするものであります。
その要旨を申し上げますと、まず第一に、市街地の高度利用をはかりつつ住宅建設を推進する方策として、次の諸点の改正を行なうことといたしました。
その一つは、住宅金融公庫法第十七条第一項の貸し付けを受けて住宅の賃貸または分譲事業を行なう者の範囲に、個人を加えたことであります。現在、この貸し付けは、公益法人及び地方公共団体のほか、土地を所有する会社に対して行なわれておりますが、土地を所有する個人に対しても、中高層住宅を建設する場合には、この貸し付けを行なうことができるようこの改正を行なうものであります。
その二は、公庫の貸し付け金による賃貸住宅等の公共的住宅を含めて一体として建設される中高層耐火建築物等内の非住宅部分、すなわち、店舗、事務所等につきましては、特に市街地における一般勤労者向けの住宅の建設を一段と促進する見地から、貸し付け金の限度を建設費の七割五分から八割に引き上げたことであります。
その三は、土地所有者等が住宅金融公庫法第十七条第十項の貸し付けを受けて、当該土地に賃貸または分譲するため中高層耐火建築物等でその全部が住宅であるものを建設する場合は、その貸し付け金の限度は建設費のほぼ全額とすることとしたことであります。すなわち、市街地において土地所有者等が賃貸または分譲住宅を建設する場合の貸し付けにつきましては、土地の有効利用を推進する見地から、住宅金融公庫法第十七条第一項の貸し付けにおきますと同様、建設費の九九%程度を貸し付ける制度を設けようとするものであります。
なお、以上に述べました住宅の建設費のほぼ全額の貸し付けは、市街地の土地所有現状にかんがみ、土地所有者のほか、借地権を有するものについても、行なうことといたしました。
第二に、宅地開発事業の円滑な推進をはかるため、学校施設の建設に必要な資金を貸し付けることができることといたしました。
新住宅市街地開発事業等の大規模な宅地造成事業におきましては、良好な居住環境を整備するため、居住者の利便のため必要な施設を建設する必要がありますが、特に緊急性の強い学校施設の建設資金を宅地造成資金にあわせて貸し付けることができることとしたものであります。
第三に、既存の住宅の居住性等の向上を推進するため、住宅改良資金の貸し付け制度を設けることといたしました。
現在、公庫は、住宅の増築資金及び改修資金の貸し付けを行なっておりますが、両者はその内容が類似しております点等から、利用者の利便のため、これらを統合して、住宅改良資金の貸し付け制度を設けようとするものであります。
第四に、第十七条第一項の貸し付けを受ける住宅について、床面積及び建設費の限度を規定している第十九条を削除することといたしました。
最近における生活水準の向上、新建材の発達等の著しい実情にかんがみ、この規定を法律上設けておきますことは、必ずしも適当ではなくなったと考えられますので、この規定を削除することとし、別途実情に即した規制を行ない、その適切な運用を行なうこととしたい考えであります。
第五に、年を追って増加の一途をたどっております公庫の業務の適切な運営をはかるため、理事一名を増員することといたしました。
なお、住宅金融公庫法の一部改正に伴い、産業労働者住宅資金融通法及び北海道防寒住宅建設等促進法についても、所要の改正を行なうことといたしました。
以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
第48回国会衆議院建設委員会議録第2号2頁(昭和40年2月12日)〔小山長規建設大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104801043)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。