石油開発公団法案
参議院 商工委員会
昭和42年法律第99号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
菅野和太郎 通商産業大臣 昭和42年5月18日石油開発公団法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
エネルギー革命の進展と経済の著しい発展に伴い、石油の重要性が近年とみに高まりつつあることにつきましては、御高承のとおりであります。すなわち、石油は、現在すでに全エネルギー供給の大宗を占めるに至っておりますが、さきの総合エネルギー調査会での検討によりますれば、昭和六十年度には、その比重は七五%程度まで高まることが推定されております。したがいまして、今後この重要な石油の供給をいかに確保していくかは、わが国エネルギー政策の最も重要な課題の一つであると申しても過言ではないと存ずる次第であります。
ひるがえって、わが国の石油供給の現状を見ますと、資源的な制約などもあって自主的な供給源がきわめて乏しく、その必要量のほとんどを外国に依存している状況にあります。このため供給源が中近東に相当に偏在するなど、種々の問題を内包しており、低廉かつ安定的な石油供給の確保の見地から、あるいは自主的なエネルギー政策遂行の上から、きわめて大きな問題があると申さざるを得ません。
かかる現状にかんがみますと、長期的な観点から事態の好転をはかるため、わが国自身の手による石油開発を強力に推進し、自主性のある石油供給源を確保することが喫緊の要務であります。加えて、特に海外石油開発の推進は、将来の膨大な石油輸入に伴う外貨の節約にも資し、かつ、発展途上国の経済協力にも寄与するところ大なるものがあると考えます。
政府といたしましては、このような見地から、これまで、国策会社石油資源開発株式会社に対し探鉱資金を供給するなど、石油開発の推進につとめ、民間の努力と相まって、相当の成果をあげてまいっております。しかしながら、近年におけるわが国の石油需要の急激な増大と、最近における産油地域での諸外国の活動の活発化を考えますと、この際、わが国として、計画的かつ一元的な石油開発体制を確立し、国の総力をあげて従来にも増して強力に石油開発を推進することがきわめて必要であると痛感されます。このためには、いわば石油開発の推進母体ともいうべき機関を設置し、総合的な視野のもとに、石油開発企業に対する投融資などの業務を行なわせることが最も適切なる方策であろうと存じます。
かかる趣旨にかんがみ、この法律案は、石油の探鉱に必要な資金の供給その他石油資源の開発に必要な資金の融通を円滑にするなどのために必要な業務を行なう石油開発公団を設立し、これに対し国が出資を行なうなど、所要の措置を講ずるとともに、必要な監督を行なおうとするものであります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、石油開発公団は、前述いたしました観点に立ち、石油資源開発株式会社の機構、機能を大幅に改組して発足するものであり、計画的かつ総合的に海外石油探鉱事業に対する出資及び資金の貸し付け、海外石油開発事業にかかる資金についての債務保証、石油探鉱機械の貸与、石油、天然ガスに関する基礎的な調査などの業務を行なうことといたしております。
第二に、昭和四十二年度におきましては、これらの業務に対しまして産業投資特別会計から四十億円の出資を行なうことを予定いたしております。
第三に、役職員など公団の組織に関すること、予算、決算その他の財務及び会計に関すること、公団の業務についての通商産業大臣の監督等について規定しております。
第四に、石油資源開発株式会社の石油開発公団への移行に伴い、その移行の円滑化などにつきまして必要な規定を設けております。
以上が石油開発公団法案の趣旨でございます。(拍手)
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石油開発公団法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第55回国会衆議院会議録第14号1頁(昭和42年5月18日)〔菅野和太郎通商産業大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。石油開発公団法案に対する附帯決議(案)政府は、本法施行にあたり、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
一石油資源の急速かつ計画的な開発を図るため、国内外にわたる石油資源総合開発長期計画を早急に策定し実施すること。
二石油資源の開発が巨額の資金を要することにかんがみ、探鉱開発資金が継続的に確保されるよう財政上十分の措置を講ずること。
三国内における石油資源の開発は、海外原油開発の基盤であることにかんがみ、深層及び海底大陸棚の探鉱等を積極的に推進し、基礎調査の大幅拡充、探鉱補助金その他助成措置の充実を図ること。
四石油開発公団の事業部門の分離については、現在の石油資源開発株式会社とその出資会社が、将来、自立安定しうる形態となるよう配慮し、従業員の身分、労働条件等に不利益を生じないよう万全の対策を講ずること。
五石油開発公団の行なう債務保証業務については、資金調達が円滑に行なわれるようその実情を十分考慮し、弾力的に運用すること。
六石油開発公団は、わが国石油政策の中核的存在であることにかんがみ、今後、常時、制度的、財源的にあらゆる角度から検討を加え、公団業務の拡充強化について積極的に努力すること。
七石油備蓄の増強は、石油の安定的供給を確保するため、喫緊の要務であることにかんがみ、早急にその施策を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501067)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。