中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 商工委員会
昭和42年法律第98号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
菅野和太郎 通商産業大臣 昭和42年5月19日ただいま御提案になりました中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
わが国の中小企業を取り巻く諸情勢に対処するため、数年来中小企業の協業化の動きが多くの業種において活発に行なわれております。この動きは、個々の中小企業者の努力によっては達成が困難な生産性の向上を複数の事業者によって追求するものでありまして、中小企業の構造改善をはかるためには有効かつ適切なる方策であります。
従来から協業化の促進のため、政府としては金融、税制、指導等の施策を進めてまいりましたが、協業化のための組織のあり方については、過去三年間中小企業政策審議会において検討を重ねてまいりました結果、協業化を推進するための組織制度として、従前の組織のほか、協業組合制度を創設する必要があるという意見具申がなされたのであります。
すなわち、現行組織制度の中で、中小企業者が協業をはかるために利用し得る場としては、事業協同組合、企業組合及び会社がありますが、従来の組合制度にあっては加入脱退の自由、議決権の平等、配当方法の制限等があって事業経営上企業性の発揮が十分にできない面があるほか、事業協同組合には員外利用の制限やいわゆる全部協業が行ない得ないこと、企業組合には従事に関する制限や法人が加入できないことなどの問題があり、また、会社制度にあっては、資本原理で割り切られ過ぎていることなどにより中小企業者感情にはそぐわないうらみがございます。
そこでこの際、中小企業者を中心とする事業活動の協業化という面に着目して協業化をはかるために、最も合理的な、そして中小企業者が最も利用しやすい機能と性格を持った組合制度、すなわち協業組合制度を創設するため、ここに中小企業団体の組織に関する法律の一部を改正する法律案を提案する次第であります。
次に、協業組合制度の概要について御説明申し上げます。
まず第一に、協業組合は、組合員となる中小企業者等が加入前に営んでいた事業を統合して行なう事業、すなわち協業の対象事業及びその関連事業並びにこれらに付帯する事業を行なうことができます。
第二に、協業組合は、中小企業者のための組織でありますから、その組合員となる者は原則として中小企業者に限られますが、定款で特段の定めを置いた場合にのみ中小企業者以外の事業者の参加を一定の制約のもとに認めております。
第三に、組合員一人の出資限度を百分の五十未満として資本の充実をはかるとともに、一部の組合員の専横を防止することとしております。
第四に、加入及び脱退についてある程度の制限を付し得ることとして、組合事業の一体性と資本の維持とをはかります。
第五に、議決権は各組合員平等を原則としますが、定款により全体の議決権数の二分の一以下の範囲で出資割りの議決権を与えることとし、意思決定が機動的に行なわれるよう配慮しております。
第六に、組合員は、協業組合の行なう事業について競業禁止義務を負い、それにより、事業の統合を保障することとしております。
第七に、剰余金の配当は、定款により別段の定めがないときは出資に応じて行なうこととします。
以上が協業組合制度の概要でありますが、この協業組合の創設は、中小企業の構造改善に大きく貢献し得るものと考えておりますので、何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第55回国会衆議院商工委員会議録第9号15頁(昭和42年5月19日)〔菅野和太郎通商産業大臣発言・発言番号44〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501115)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。