砂利採取法案
参議院 商工委員会
昭和43年法律第74号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S43.4.10趣旨説明商工委員会 18114
- S43.5.14質疑商工委員会 28138
- S43.5.15質疑・採決・附帯決議商工委員会 29394
- S43.5.16採決・委員長報告・附帯決議本会議 3457
提案理由
椎名悦三郎 通商産業大臣・外務大臣臨時代理 昭和43年4月10日砂利採取法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
近年における土木建築工事の急速な増大に伴い、いわゆる骨材の需要は年々大幅な増加を示し、昭和四十二年度には約四億五千万トンに達するに至っております。この間、骨材供給の大宗を占める砂利の生産も拡大を続け、これとともに、砂利の採取に伴う災害が各地に頻発して大きな社会問題となっております。特に最近におきましては、いわゆる山砂利、陸砂利の採取が増大し、これに伴う災害が激増しておりますが、山砂利、陸砂利の採取には、その規模が大きなものが多く、このため災害の規模及びその与える影響も従来に比し、大きく、かつ深刻なものとなっております。
このような砂利の採取に伴う災害に対しましては、現在砂利採取法等の運用によりその防止につとめてきておりますが、何ぶんにも同法は昭和三十一年に制定されたものであり、その内容も砂利の採取についての事後届け出制をとっているなど、最近の砂利の採取に伴う災害には十分対処し得ないものとなってきております。
このような実情にかんがみ、この際新法を制定し、砂利の採取に対する規制を抜本的に強化することにより、砂利の採取に伴う災害の防止をはからんとする次第であります。
次に、本法案の概要を御説明申し上げます。
第一は、砂利採取業につきまして登録制度を確立することであります。すなわち、砂利採取業を行なおうとする者は、通商産業大臣または都道府県知事の登録を受けなければならないものとし、その登録を受けるにあたっては、一定の資格試験に合格した砂利採取業務主任者を置かなければならないこととしております。この資格試験は、災害防止に必要な知識及び技能について行ない、これにより砂利採取業者の災害防止のための技術的を確立したいと考えております。
第二は、砂利の採取計画の認可制度の実施であります。すなわち登録を受けた砂利採取業者は、個々の採取場ごとに採取計画を定め、山砂利、陸砂利等については都道府県知事の、河川砂利については河川管理者の認可を受けなければならないことといたしております。
この採取計画には、砂利の採取量、採取の方法、災害防止の措置等を詳細に定めさせることとしており、この場合において、都道府県知事または河川管理者は、当該採取計画にかかる砂利の採取に伴い災害が発生するおそれがあると認めるときは、その認可をしてはならないこととしております。
以上の措置により今後は、未然に砂利の採取に伴う災害を防止し得る体制が確立されるものと確信いたしております。
第三は、砂利採取業者に対する各種の命令措置の強化をはかっていることであります。
まず、都道府県知事または河川管理者は、認可をした採取計画の変更命令を発動できることとし、採取場の状況の変化等、認可時に予測できない事情の変更に伴う災害の発生に対処することとしております。
次に、災害防止のため緊急に必要があると認められるときは、直ちに災害防止の措置を講じさせることを内容とする緊急措置命令を発動できることとし、必要があれば事業の一時停止をも命ずることができることといたしております。
さらに、本法に違反して砂利の採取を行なっている者に対しては、罰則による制裁と同時に、採取あとの埋め戻しなどの措置を講じさせることといたしておりますが、これら各種の命令措置の強化により、砂利採取案者の登録制、採取計画の認可制と相まって、砂利採取に伴う災害の防止のため万全を期しております。
なお、このほか、砂利採取場に標識の設置を義務づける規定及び砂利の採取に伴う災害に密接な利害関係を有する関係市町村の意見を反映させるり体制のもとに砂利の採取に伴う災害の防止をはかるための所要の規定の整備をはかることといたしております。
これが、この法律案の提案理由及びその要旨でございます。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。
第58回国会衆議院商工委員会議録第18号17頁(昭和43年4月10日)〔椎名悦三郎通商産業大臣発言・発言番号110〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、次の諸点につき万全を期すべきである。
一砂利採取計画の認可その他本法の運用にあたり、公共の安全を確保する見地から、関係各省の緊密な連絡のもとに適確な運用基準を定めるとともに、将来とも実態に即応して改善を加えるよう努めること。なお、採石法の運用についても同様に配慮すること。
二砂利採取を目的とする農地転用の許可について慎重を期するとともに、無断転用に対する取締りを強化すること。
三骨材の需給見通し及び資源賦存状況の調査に努めるとともに、骨材の安定供給体制を確立するため、骨材資源の開発とその有効利用、骨材の運送流通体制の整備、骨材企業の基盤の充実等、諸般の対策を樹立し、早急に実施すること。
政府は、本法施行に当り、次の諸点について遺憾なきを期すべきである。
一砂利行政について関係行政機関が協力して公益保護の立場を確保するとともに、岩石を破砕する等により骨材を生産する場合の災害防止について、採石法にも抜本的な検討を加える等速やかに適切なる施策を講ずること。
二災害防止のための施設に関し必要な援助を行なうとともに、砂利採取業とくに零細企業の経営の健全化のための措置を積極的に講ずること。
三砂利輸送に伴う各種災害の絶滅を期するための対策を総合的に樹立すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105801100)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。