農業協同組合法の一部を改正する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和48年法律第45号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S48.4.12趣旨説明・補足説明農林水産委員会 15128
- S48.4.18質疑農林水産委員会 17283
- S48.4.19質疑農林水産委員会 18180
- S48.4.24質疑農林水産委員会 19271
- S48.4.25参考人招致・質疑農林水産委員会 20271
- S48.5.8質疑農林水産委員会 22144
- S48.5.9質疑・討論・附帯決議・採決農林水産委員会 23290
- S48.5.10委員長報告・採決・附帯決議本会議 3224
参議院農林水産委員会
- S48.6.5趣旨説明・質疑・補足説明農林水産委員会 10162
- S48.6.7参考人招致農林水産委員会 1142
- S48.6.14質疑農林水産委員会 12176
- S48.6.15質疑農林水産委員会 1395
- S48.6.19質疑農林水産委員会 1475
- S48.6.21質疑農林水産委員会 15189
- S48.6.26質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 16143
- S48.6.27附帯決議・委員長報告・採決本会議 2358
提案理由
櫻内義雄 農林大臣 昭和48年4月12日農業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業協同組合は、農業生産力の増進と農民の経済的、社会的地位の向上をはかることを目的とする農民の協同組織として、昭和二十二年に発足して以来、わが国経済及び農業の推移、発展とともにその活発な活動を展開してきたところであります。
申すまでもなく、最近のわが国の農業をめぐる情勢はきびしいものがありますが、このような局面の打開をはかり、農業の発展と農民の地位の一そうの向上を期する上で、農業協同組合の役割りにまつところきわめて大なるものがあり、農業協同組合がその期待に十全にこたえ得る体制を整えることが重要な課題となっております。
このような情勢のもとで、政府としては、昭和三十六年に農業協同組合合併助成法を制定し、以来、これに基づいて農業協同組合の合併を推進し、その経営基盤の充実、強化につとめる一方、昭和四十五年には、農業協同組合法の一部改正を行ない、集団的生産組織に関連する制度面の改善、組合の事業範囲の拡大、総代会制度の整備等の措置を講じたのでありますが、さらに、その後の一般金融情勢の変化をはじめ、農協系統金融をめぐる内外の情勢変化に即応し、また農協系統金融のあり方についての農政審議会をはじめとする各方面の御意見の趣旨をもくんで、他の農業金融制度の改善とも相まって、農業協同組合の信用事業に関する制度的改善措置を講ずることが緊要の課題となっており、これとあわせてその他にも、当面、早急に措置を要する点がありますので、今般、農業協同組合法の一部改正を提案することとした次第であります。
以下、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
改正の第一点は、組合の金融機能の拡充をはかることであります。
これは、最近における組合員の経済活動の多様化と組合の事業規模の拡大等に対応しまして、信用事業を行なう農業協同組合に対し、手形の割引、組合員の債務の保証、内国為替取引、有価証券の払い込み金の受入れ等の取り扱い及び金融機関の業務代理等の事業能力を、また信用事業を行なう農業協同組合連合会に対し、有価証券の払い込み金の受け入れ等の取り扱いの事業能力を、それぞれ付与しようとするものであります。
改正の第二点は、資金の貸し付け範囲の拡大をはかることであります。
これは、増大する系統資金を地域開発関係資金として活用することとし、そのため、一つには、地方公共団体を主たる構成員等とする非営利法人に対する資金の貸し付け、二つには、農村地域における産業基盤または生活環境の整備のために必要な資金の貸し付けを、組合が、それぞれ員外利用の制限のワク外で行なうことができるようにするものであります。
改正の第三点は、組合の行なう宅地等供給事業の事業範囲の拡大をはかることであります。
農地の転用を計画化し、土地利用の調整をはかるとともに組合員の生活の安定をはかるため、組合は、従来から農地等処分事業を行なっているところでありますが、組合員の多様な要請にこたえるため、この際この事業の事業範囲を拡大して、新たに、組合員から委託を受け、組合員から借り入れ、または組合員から買い入れてする土地の貸し付けを行なうことができるようにするとともに、この事業の円滑な実施と土地利用の効率化をはかるため、住宅その他の施設の建設もあわせ行なうことができるようにするものであります。
改正の第四点は、共済規程の変更手続の簡素化をはかることであります。
すなわち、系統の各段階を通じ、全国的に統一的な仕組みのもとに実施している共済事業につきまして、その事業の仕組みの特殊性を考慮して合理的と認められる範囲内において、共済規程の変更は、定款で、総会付議を要しないものとすることができるようにするものであります。
最後に、農業協同組合連合会の権利義務の包括承継の道を開くことであります。
これは、最近における郡市単位の広域合併等の進展に伴い、農業協同組合連合会が、会員数が減少したことにより、法定解散する場合におきまして、その会員たる組合が当該農業協同組合連合会の機能を円滑に承継することができるよう、合併に準ずる手続により、その権利義務を包括承継することができるようにするものであります。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第71回国会衆議院農林水産委員会議録第15号20頁(昭和48年4月12日)〔櫻内義雄農林大臣発言・発言番号124〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
最近のわが国農業をめぐる厳しい諸情勢のなかで、農業協同組合の果たすべき役割が極めて大なるものとなつている現状にかんがみ、今後の農業協同組合の組織管理、事業運営等については、その本来の使命をふまえつつ、より一層の改善整備を図ることが緊要である。よつて、政府は、本法の施行にあたり、とくに左記事項について適切な措置を講ずべきである。記
一農業協同組合の手形の割引、内国為替取引等の金融機能の拡充については、その安全なる運営確保のため、業務執行体制の整備等につき所要の措置を講ずること。
二地域開発関係資金の貸付範囲の拡大に伴い、これが組合員に対する融資の円滑化を妨げることのないよう十分指導すること。
三農業協同組合の宅地等供給事業については、農協本来の目的にかんがみ、優良農地の確保を旨としつつ組合員の委託によることを原則としていやしくも投機的行為にはしることのないよう十分配意すること。
四生鮮食料品等の農産物の流通合理化に資するため、農協系統組織と消費生活協同組合との連携等により生産地と消費地との直結体制を強化するよう指導するとともに、消費生活協同組合が必要とする資金につき農協系統資金の活用を図ること。
五農業協同組合の事業運営については、農業生産指導及び販売等の事業部門の拡充強化を図るとともに、いわゆる都市農協のあり方を含めた農協全般の組織運営等について所要の検討を行なうこと。
六農業協同組合の経営近代化を促進するため、職員給与及び労働条件の改善等につき適切な指導を行なうこと。
七農業協同組合の適正な事業運営と責任体制を確保するため、とくに行政庁による検査体制の強化拡充を図り、検査結果については速やかに行政指導を行なうこと。
案文を朗読いたします。農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、農業近代化資金制度等の制度金融を再検討し、その実効ある運用を図り、農業の新たな役割と進展に対応し、農業の経営改善と資本装備の充実、資金需要の多様化にこたえるため、本法の施行にあたっては、とくに左記事項の達成に努めるべきである。記
一農業の実態に即し、簡易、低利・長期資金の充実を期するため、制度金融の対象施設、貸付利率、償還期限等の融資条件の緩和に努め、さらに資金種類の統合、借入手続の簡素化等により、資金融通の円滑化に配慮すること。
二農業近代化資金の有効な運用により、系統資金の一層の活用を図るとともに、農林漁業金融公庫資金と農業近代化資金の対象分野をたえず吟味しつつ、両資金の性格に対応した改善に努めること。
三農業改良資金については、農業技術の革新、農業後継者育成等の重要性にかんがみ、貸付枠の拡大をはじめ、貸付諸条件につき、改善を図ること。
四農家の過去の負債については、地域または作目によっては農業者の経営を圧迫している事例もみられるので、その実態に応じ、適切な対策を考慮すること。
五新たに信用保険の対象とする農業経営改善資金については、保険の対象を適切な範囲で拡大するとともに、保険料および保証料の適正化を図り、かつまた、今後とも信用保証保険機能の充実強化に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101078)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。