労働基準法の一部を改正する法律案
参議院 労働・社会政策委員会
平成10年法律第112号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院労働委員会
- H10.4.21趣旨説明・質疑本会議 3138
- H10.4.22趣旨説明労働委員会 94
- H10.4.24質疑労働委員会 10172
- H10.5.6質疑労働委員会 12198
- H10.5.8質疑労働委員会 13241
- H10.5.13質疑労働委員会 14139
- H10.5.15質疑労働委員会 15151
- H10.5.18参考人招致労働委員会 1684
- H10.9.3修正案趣旨説明・質疑・討論・附帯決議・採決(修正)労働委員会 282
- H10.9.4委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 825
参議院労働・社会政策委員会
- H10.9.7趣旨説明・質疑本会議 729
- H10.9.8趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明労働・社会政策委員会 212
- H10.9.10質疑労働・社会政策委員会 3251
- H10.9.17質疑労働・社会政策委員会 4247
- H10.9.18参考人招致労働・社会政策委員会 591
- H10.9.22質疑労働・社会政策委員会 6219
- H10.9.24質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決・修正案労働・社会政策委員会 750
- H10.9.25委員長報告・採決・附帯決議本会議 1041
提案理由
伊吹文明 労働大臣 平成10年4月21日労働基準法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
今日、我が国を取り巻く内外の環境は大きく変化し、そのため経済社会も構造変化に直面いたしております。また、労働者の働き方や就業意識の多様化も進んでおります。このような状況のもとで豊かで安心できる社会、健全で活力ある経済を実現していくためには、働く人々が意欲にあふれ、能力を存分に発揮するとともに安心して働くことができるよう、職場における労働条件や環境の整備を進めることが重要であります。
このような観点に立って、制定以来五十年を経過した労働基準法について、時代の変化に即応したものとするとともに、その実効性を一層高めるため、中央労働基準審議会において検討を重ねてまいりました。
政府といたしましては、長期間にわたる検討の結果提出された中央労働基準審議会の建議を踏まえ、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。
次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、新商品、新技術の開発等に必要な高度の専門的な知識、技術等を有する労働者を新たに確保する場合や高齢者などについて、労働契約期間の上限を三年とすることといたしております。
第二に、効率的な働き方とそれによる労働時間の短縮を実現するため、一年単位の変形労働時間制について、対象期間における労働日数の限度を定めるなど要件を追加することといたしております。
第三に、時間外労働を適正なものとするため、労働大臣は、労使協定で定める労働時間の延長の限度等について基準を定め、関係労使は、労使協定を定めるに当たり、これに適合したものとなるようにしなければならないことといたしております。その際、育児または介護を行う女性労働者のうち希望者について、一定期間、通常の労働者より短い限度の基準を定めるとともに、この期間中に、政府は、育児または介護を行う男女労働者の時間外労働に関する制度のあり方について検討することといたしております。
第四に、事業運営上の重要な決定が行われる事業場における企画立案等の業務について、労使委員会で、対象となる労働者の具体的な範囲、健康及び福祉を確保するための措置等を全員の合意で決議し行政官庁に届け出ることにより、決議の内容に基づいて裁量労働制の対象とすることができることといたしております。
第五に、児童労働に関する国際的動向に沿って、最低年齢に係る規定を整備することといたしております。
第六に、都道府県労働基準局長が労働条件についての紛争の解決の援助を行うことといたしております。
その他、労働契約締結時の書面による労働条件明示に係る事項の追加、一斉休憩の適用除外、年次有給休暇の付与日数の引き上げ等の所要の改正を行うことといたしております。
なお、この法律は平成十一年四月一日から施行することといたしておりますが、紛争の解決の援助に関する部分は平成十年十月一日から、最低年齢に関する部分は平成十二年四月一日から施行することといたしております。
以上が、労働基準法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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労働基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第142回国会衆議院会議録第31号2頁(平成10年4月21日)〔伊吹文明労働大臣発言・発言番号15〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一女性保護規定の解消に伴う家族的責任を有する女性労働者の職業生活の著しい変化がその家庭生活に及ぼす影響を考慮して講ずる措置が終了するまでの間において家族的責任を有する労働者が時間外労働の免除を請求することができる制度に関し検討するに当たっては、その水準について激変緩和措置との連続性に充分留意すること。
二深夜業が家庭生活や健康等に与える影響を考慮し、将来における総合的なガイドラインの策定に資するため、主要業種ごとに労使による自主的なガイドラインが適切に設けられるよう、労使が参考とすべき事項を明らかにしつつ実態調査や労使の話合いの場の設定等の労使の取り組について必要な援助を行うこととし、深夜業の実効ある抑制方策について検討すること。
三深夜業に従事する労働者の健康確保を図るため、労働者が自発的に受診する健康診断の費用を助成すること及びこれら自発的に受診した健康診断についてもその結果に基づく医師の意見を勘案して深夜業の回数の減少や作業の転換等の措置を講じなければならないこととするよう労働安全衛生法の改正を行い、必要な措置を講ずること。
四休日労働について、回数等を含むガイドラインの設定などその適正化のための適切な措置について、中央労働基準審議会において、労使の意見を充分尊重しつつ、検討が行われるよう努めること。
五新たな裁量労働制について、労働大臣が定める指針において対象業務や対象労働者の範囲を具体例をもって可能な限り明らかにすること。なお、この指針を定めるに当たっては、中央労働基準審議会において、労使の意見を充分尊重しつつ、合意が形成されるよう努めること。
六有期労働契約について、反復更新の実態、裁判例の動向等について専門的な調査研究を行う場を設け検討を進め、その結果に基づいて法令上の措置を含め必要な措置を講ずること。
七ILO条約第百三十八号(就業の最低年齢に関する条約)の早期批准に向けて検討を急ぐこと。
する附帯決議(案)政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一労働契約期間の上限の延長に係わる専門的知識等であって高度のものとして労働大臣が定める基準を設定するに当たっては、若年定年制や有期雇用のいたずらな拡大につながることを避けるため、客観的に判断しうるものとなるよう慎重に対処すること。
二有期労働契約の反復更新の実態、裁判例の動向等について専門的な調査研究を行う場を設けて積極的に検討を進め、その結果に基づき、法令上の措置を含め必要な措置を講ずること。
三一年単位の変形労働時間制の制度が労働時間短縮推進のために果たすべき意義にかんがみ、適用対象労働者の家庭生活及び社会生活に十分配慮し、本制度を導入する企業において総実労働時間の短縮が図られるよう適切な措置を講ずること。
四休日労働に関し、回数等を含むガイドラインの設定などその適正化に資するための措置について、中央労働基準審議会において、労使の意見を十分尊重しつつ、検討が行われるよう努めること。特に、家族的責任を有する女性労働者に対して、休日労働が増加することにより、家庭生活への影響が生ずることがないようにすることを念頭に置いて、そのための適切な措置について検討を急ぐこと。
五家族的責任を有する労働者が一定水準を超える時間外労働の免除を請求することができる制度についての検討に当たっては、その水準について激変緩和措置との連続性に十分留意すること。
六年休付与に係わる制度の改正の趣旨にかんがみ、年間総実労働時間を短縮するよう、年次有給休暇の取得率向上のための実効ある方策について引き続き検討すること。また、パート労働者に対する年休比例付与制度の改正内容については、特に事業主への周知徹底を図ること。
七将来における深夜業の総合的なガイドラインの策定に資するため、主要業種ごとの労使による自主的なガイドラインの適切な設定に向け、労使が参考とすべき事項を明らかにしつつ実態調査や労使の話合いの場の設定等、労使の取組に対する必要な援助を行うとともに、ILO第百七十一号条約の趣旨を踏まえた深夜業の実効ある抑制方策について検討すること。
八深夜業に従事する労働者の健康確保を図るため、労働者が自発的に受診する健康診断の費用を助成するとともに、次期通常国会を目指して労働安全衛生法の改正を行い、これら自発的に受診した健康診断についてもその結果に基づく医師の意見を勘案して深夜業の回数の減少や作業転換等の措置を講じなければならないようにすること。
九新たな裁量労働制の対象となる業務や労働者の範囲については、労働大臣が定める指針において、具体例をもって可能な限り明確化すること。また、この指針を定めるに当たっては、中央労働基準審議会において、労使の意見を十分尊重しつつ、合意が形成されるよう努めること。
十新裁量労働制の導入に当たっては、労使委員会が重要な役割を担っていることにかんがみ、特に未組織労働者が多い中小企業においても、労使委員会が適正に設置、運営されるよう十分な配慮を行うこと。
十一労使委員会に付与する権限及びその範囲等に係わる運用面での問題が生じた場合について、新たな裁量労働制の施行後三年を経過した時点での制度全体の見直しの中で、制度運営を適正強化するための法令上の措置を講ずることとすること。
十二少子・高齢化社会における育児と介護の必要性に配慮し、男女労働者の就労と家族的責任との両立に考慮した措置を一層充実すること。
十三ILO条約第百三十八号(就業の最低年齢に関する条約)の早期批准に向けて検討を急ぐこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201033)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。