独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律案
参議院 厚生労働委員会
平成23年法律第26号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H22.10.29趣旨説明厚生労働委員会 34
- H22.11.12質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 4341
- H23.4.20修正案趣旨説明・内閣意見聴取・採決・附帯決議・修正案厚生労働委員会 9172
- H23.4.22委員長報告・採決本会議 1656
参議院厚生労働委員会
- H22.11.16趣旨説明厚生労働委員会 3271
- H23.4.12質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 5220
- H23.4.15委員長報告・採決(修正)本会議 1042
提案理由
細川律夫 厚生労働大臣 平成22年10月29日皆さん、おはようございます。
ただいま議題となりました独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
人口減少社会を迎える中で、我が国経済社会が持続的に成長し、さらに発展していくためには、労働者の職業能力開発等の人材育成が社会全体で取り組まれるべき重要な課題となっております。
また、厳しい雇用失業情勢が続く中で、離職者に対する職業訓練の必要性が増加しており、離職者訓練の的確な実施が緊要な課題となっているとともに、今後新たな成長が期待され、雇用の創出が見込まれる産業において、その担い手となる人材の育成が求められております。
さらに、我が国の基幹産業である物づくり産業においても、国際競争力の強化や技能継承等の観点から、企業における中核的な人材の育成、確保が課題となるなど、職業訓練の重要性は高まっております。
こうした中で、国が行うべき雇用のセーフティーネットとしての職業訓練、物づくり産業に必要となる人材の育成等については、都道府県との役割分担のもと、独立行政法人雇用・能力開発機構がその実施を担ってきたところであります。
しかしながら、同機構は、私のしごと館を初め各種施設の設置、運営のあり方等の問題を指摘されてきたところであります。
このため、政府においては、国の責任において職業訓練を実施する体制を整備するための抜本的な改革を行う観点から、平成二十年十二月に「雇用・能力開発機構の廃止について」を閣議決定したところであります。
この法律案は、同閣議決定の内容からさらに踏み込んだ改革を行い、無駄を徹底して排除するとともに、雇用のセーフティーネットの充実や物づくり産業に必要となる人材の育成等の観点から、これまで以上に労使や地域のニーズを反映したより効果的な職業訓練が実施できるようにするものであります。
これらの改革を達成するために、独立行政法人雇用・能力開発機構を廃止して、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構に職業能力開発業務を移管する等の措置を講じ、もって高齢者、障害者及び求職者に対する雇用支援機能をより強化するものであります。
次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、独立行政法人雇用・能力開発機構を廃止することとしております。
第二に、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法の一部改正であります。
独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴い、同機構が行っていた業務のうち、職業能力開発業務に限り独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構に移管し、法人の名称を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構とすることとしております。
また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、労使代表を含めた識見を有する者から成る運営委員会や地域における協議会を設置すること等により、労使や地域の職業訓練ニーズが的確に反映される仕組みを整備することとしております。
第三に、中小企業退職金共済法及び勤労者財産形成促進法の一部改正であります。
独立行政法人雇用・能力開発機構の財形関係業務のうち、財形教育融資業務は廃止し、財形持ち家融資業務等については独立行政法人勤労者退職金共済機構に移管することとしております。
第四に、職業能力開発促進センター等の都道府県への譲渡の特例を設け、職業能力開発促進センター等の機能を維持することを前提として、独立行政法人雇用・能力開発機構の職員の引き受け割合に応じた譲渡額の減額や、一定期間の運営経費の高率補助を行うこととしております。
第五に、独立行政法人雇用・能力開発機構の職員のうち、希望、意欲及び能力のある方は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構及び独立行政法人勤労者退職金共済機構の職員として採用することとしております。
このほか、独立行政法人雇用・能力開発機構の解散に伴う所要の措置を講ずることとしております。
なお、この法律の施行期日は、一部を除き平成二十三年四月一日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
以上でございます。
第176回国会衆議院厚生労働委員会議録第3号2頁(平成22年10月29日)〔細川律夫厚生労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一厳しい雇用情勢の中で職業訓練の必要性や重要性は従来にも増して高まっており、職業能力開発については、引き続き国が責任を持って対応していくこと。また、本法による職業能力開発業務の移管等に際しては、些かも職業訓練機能が低下することのないよう努めること。
二企業活動の高度化に対応しうる人材を育成するため、職業能力開発事業の一層の拡充・強化を図るとともに、労働者一人一人が高度な知識・技能を修得することができるよう、職業訓練体制の整備・充実に努めること。
三労使や地域の職業訓練ニーズが職業能力開発業務の運営に的確に反映されるよう、新たに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に設置される運営委員会等が実質的に機能する仕組みを整備すること。
四財形持家融資業務については、利用件数が減少している状況等を踏まえ、今後の在り方について引き続き検討すること。
五独立行政法人雇用・能力開発機構が解散されるに当たり、同機構の職員に雇用問題が生じないよう、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構及び独立行政法人勤労者退職金共済機構における職員の労働条件及び採用基準を早期に提示すること。また、国は意欲、能力のある者が引き続きその能力等を活かして就業できるよう責任をもって対応すること。
六地域職業訓練センター及び情報処理技能者養成施設の地方自治体への移管に当たっては、各地域の雇用対策に果たしている役割等を十分に踏まえ、利用実績が高く存続が望まれる施設が廃止されることのないよう、少なくとも移管後三年間については、地域の意向を反映しつつ国において必要かつ十分な財政的支援を行うこと。また、当該期間が経過した後、運営状況等を踏まえ、国の責任によって運営することを再考することも含め支援等の在り方について検討し、必要があると認めるときは引き続き支援等を行うこと。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一厳しい雇用情勢の中で職業訓練の必要性や重要性は従来にも増して高まっていることから、職業能力開発については、引き続き国が責任を持って対応していくこと。また、本法による職業能力開発業務の移管等に際しては、いささかも職業訓練機能が低下することのないよう努めること。さらに、職業訓練に資する民間専門学校等の少ない地方においては雇用情勢がより厳しいことにかんがみ、地域による格差が生じないように配慮すること。
二企業活動の高度化に対応しうる人材を育成するため、職業能力開発事業の一層の拡充・強化を図るとともに、労働者一人一人が高度な知識・技能を修得することができるよう、職業訓練体制の整備・充実に努めること。また、我が国のものづくりにおける国際競争力を強化する観点から、指導員の指導能力のより一層の向上を図ること。
三労使や地域の職業訓練ニーズが職業能力開発業務の運営に的確に反映されるよう、新たに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に設置される運営委員会等が実質的に機能する仕組みを整備すること。
四財形持家融資業務については、利用件数が減少している状況等を踏まえ、中小企業向け融資の利用促進を図る等今後の在り方について引き続き検討すること。
五独立行政法人雇用・能力開発機構が解散されるに当たり、同機構の職員に雇用問題が生じないよう、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構及び独立行政法人勤労者退職金共済機構における職員の労働条件及び採用基準を早期に提示すること。また、国は意欲、能力のある者が引き続きその能力等を活かして就業できるよう責任をもって対応すること。
六地方自治体への移管がなされた地域職業訓練センター及び情報処理技能者養成施設については、各地域の雇用対策に果たしている役割等を十分に踏まえ、利用実績が高く存続が望まれる施設が廃止されることのないよう、少なくとも移管後三年間については、地域の意向を反映しつつ国において必要かつ十分な財政的支援を行うこと。また、当該期間が経過した後、運営状況等を踏まえ、国の責任によって運営することを再考することも含め支援等の在り方について検討し、必要があると認めるときは引き続き支援等を行うこと。
七独立行政法人雇用・能力開発機構が、各種施設の設置、運営の在り方等の問題を指摘され廃止されるに至った経緯を踏まえ、業務が移管される独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構及び独立行政法人勤労者退職金共済機構において、組織体制及び運営の効率化等について不断の見直しを行うこと。
八東日本大震災により、雇用の創出や維持・確保が緊急の課題となっている状況にかんがみ、雇用対策のため万全の措置を講じること。併せて、被災地における職業能力開発訓練体制の早期の復旧・整備に努めるとともに、雇用促進住宅が最大限に被災者に活用されるよう、弾力的な運用を図ること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一厳しい雇用情勢の中で職業訓練の必要性や重要性は従来にも増して高まっており、職業能力開発については、引き続き国が責任を持って対応していくこと。また、本法による職業能力開発業務の移管等に際しては、些かも職業訓練機能が低下することのないよう努めること。
二企業活動の高度化に対応しうる人材を育成するため、職業能力開発事業の一層の拡充・強化を図るとともに、労働者一人一人が高度な知識・技能を修得することができるよう、職業訓練体制の整備・充実に努めること。
三労使や地域の職業訓練ニーズが職業能力開発業務の運営に的確に反映されるよう、新たに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に設置される運営委員会等が実質的に機能する仕組みを整備すること。
四財形持家融資業務については、利用件数が減少している状況等を踏まえ、今後の在り方について引き続き検討すること。
五独立行政法人雇用・能力開発機構が解散されるに当たり、同機構の職員に雇用問題が生じないよう、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構及び独立行政法人勤労者退職金共済機構における職員の労働条件及び採用基準を早期に提示すること。また、国は意欲、能力のある者が引き続きその能力等を活かして就業できるよう責任をもって対応すること。
六地方自治体への移管がなされた地域職業訓練センター及び情報処理技能者養成施設については、各地域の雇用対策に果たしている役割等を十分に踏まえ、利用実績が高く存続が望まれる施設が廃止されることのないよう、少なくとも移管後三年間については、地域の意向を反映しつつ国において必要かつ十分な財政的支援を行うこと。また、当該期間が経過した後、運営状況等を踏まえ、国の責任によって運営することを再考することも含め支援等の在り方について検討し、必要があると認めるときは引き続き支援等を行うこと。
七東日本大震災により、雇用の維持・確保、さらには創出が緊急の課題となっている状況にかんがみ、雇用対策のため万全の措置を講じること。併せて、東日本大震災による被災者の就労の促進を図るため、被災地の復旧及び復興に伴う職業訓練のニーズなどを十分に踏まえ、被災地域や被災者の受入先の地域で職業訓練を迅速かつ的確に実施すること。また、雇用促進住宅について、被災者への提供を積極的に行うなど最大限の活用を図るとともに、弾力的な運用を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117601009)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。