少年法の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
平成26年法律第23号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- H26.3.19趣旨説明法務委員会 5176
- H26.3.25修正案趣旨説明・質疑・参考人招致・参考人質疑・修正案法務委員会 6265
- H26.3.28採決・附帯決議法務委員会 712
- H26.4.1委員長報告・採決本会議 1348
参議院法務委員会
- H26.4.3趣旨説明法務委員会 78
- H26.4.8参考人招致・参考人質疑法務委員会 897
- H26.4.10質疑・討論・採決・附帯決議法務委員会 9217
- H26.4.11委員長報告・採決本会議 1617
提案理由
谷垣禎一 法務大臣 平成26年3月19日少年法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
少年審判及び少年の刑事裁判に対する国民の信頼を確保することや非行少年の再犯防止は重要な事項であります。そのためには少年審判において適正な事実認定が行われ、それに基づいて非行事実の存否が的確に判断され、適切な処遇が決定されることが重要であります。また、少年の刑事裁判において、犯罪を犯した少年に対して適切な科刑がなされることが必要でありますが、少年に対して現行法に基づいて科し得る刑罰の範囲では、犯罪を犯した少年に対して適切な科刑を行うことが困難な事案が存在すると指摘されております。さらに、犯罪を犯した少年による再犯を防止するためには少年審判の段階から少年が再犯に及ばないように環境を整えていくことが重要であります。
そこで、この法律案は、少年審判のより一層の適正化及び充実化並びに少年の刑事裁判における科刑の適正化を図るため、少年法を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、家庭裁判所の裁量による国選付添人制度及び検察官関与制度の対象事件の範囲を死刑または無期もしくは長期三年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪に拡大するものであります。
第二は、少年の刑事裁判における科刑の適正化を図るための法整備であり、少年に対して有期の懲役または禁錮を科す場合に原則として適用される不定期刑に関する規定について、その長期と短期の上限をそれぞれ五年引き上げ、十五年と十年とするなどの整備をするとともに、罪を犯したとき十八歳に満たない者を無期刑でもって処断すべき場合において、無期刑にかえて有期刑を科すときに科すことができる有期刑の上限を五年引き上げて二十年とするなど、いわゆる無期刑の緩和刑に関する規定の整備をするものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。
第186回国会衆議院法務委員会議録第5号30頁(平成26年3月19日)〔谷垣禎一法務大臣発言・発言番号174〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一裁量的国選付添人の選任及び検察官関与の必要性判断に当たっては、法の趣旨にのっとった適正な運用が行われるよう、それぞれ留意すること。
二刑事裁判と異なる少年審判の特質を理解した弁護士が国選付添人に選任されるようにするため、国選付添人制度の趣旨について、司法関係者に周知徹底を図ること。
三少年審判に関与させる検察官について、児童心理などに関するプログラム・研修を受講させるなどして、少年審判の特質に関する理解を深めさせること。
四少年鑑別所送致の観護措置がとられたぐ犯少年についての国選付添人制度の適用について、引き続き検討を行うこと。
五少年院における矯正教育及び少年刑務所における矯正処遇と社会復帰後の更生保護及び児童福祉とが連続性を持って行われ、仮釈放又は仮退院の運用が一層適正に行われるよう、少年に対する支援の在り方について検討を行うこと。
六平成二十年の少年法改正の経緯に鑑み、犯罪被害者等が別室でモニターにより少年審判を傍聴する方法の導入及び傍聴対象事件の拡大について引き続き検討を行うこと。
七少年に対する不定期刑の在り方について、存否も含めた幅広い検討を行うこと。
八検察官関与制度の対象事件の範囲の拡大の趣旨が事実認定手続の一層の適正化にあることに鑑み、改正後の同制度の運用状況に十分配意すること。
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一少年審判において付添人が果たす役割の重要性及び児童の権利に関する条約の趣旨に鑑み、家庭裁判所の裁量による国選付添人制度の対象事件の範囲の拡大に適切に対応するため、刑事裁判と異なる少年審判の特質を理解した弁護士が国選付添人に選任されるよう同制度の趣旨について司法関係者に周知徹底を図り、適正な運用が行われるよう留意すること。また、同制度の対象事件の範囲については、少年鑑別所送致の観護措置がとられたぐ犯少年への適用を含め、引き続き検討を行うこと。
二検察官関与制度の趣旨が事実認定手続の適正化にあることに鑑み、改正後の同制度が少年法の理念にのっとって適正に運用されるよう、十分配意すること。また、少年審判に関与させる検察官について、少年の心理及び審判の特質に関する理解を深めさせること。
三少年に対する刑事処分に関する規定の見直しの目的は、言い渡す刑を一律に引き上げることではなく、少年法の理念の下でより適切な科刑を可能とすることであることについて、周知徹底を図ること。
四少年院における矯正教育及び少年刑務所における矯正処遇と社会復帰後の更生保護及び児童福祉とが連続性を持って行われ、仮退院又は仮釈放の運用が一層適正に行われるよう、少年に対する支援の充実について検討を行うこと。
五平成二十年の少年法改正後の諸制度の施行状況をも踏まえ、犯罪被害者等の権利利益の一層の保護を図るための施策について引き続き検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118601014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。