国立大学法人法の一部を改正する法律案
衆議院 文部科学委員会
平成28年法律第38号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院文教科学委員会
- H28.4.14趣旨説明文教科学委員会 494
- H28.4.19質疑・討論・採決・附帯決議文教科学委員会 5106
- H28.4.20委員長報告・採決本会議 2117
衆議院文部科学委員会
- H28.4.27趣旨説明文部科学委員会 6111
- H28.5.11質疑・討論・採決・附帯決議文部科学委員会 7138
- H28.5.12委員長報告・採決本会議 3146
提案理由
馳浩 文部科学大臣 平成28年4月14日この度、政府から提出いたしました国立大学法人法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
我が国の知的基盤として全国に配置される国立大学は、新たな価値を生み出す知の創出と、それを担う人材の育成を通じ、複雑かつ高度化する社会の課題の解決やイノベーションの創出に貢献し、我が国社会の豊かさや国際競争力の向上に大きく寄与するものであります。
一方で、今日、大学間の国際的な競争が熾烈さを極める中、諸外国との人材獲得競争に後れを取ることなく、我が国におけるイノベーションの創出や社会的課題への対応を主導する人材を育成できるよう、世界最高水準の教育研究拠点の形成などを含め、我が国の国立大学の教育研究水準の一層の向上を図ることが求められております。
この法律案は、大学運営に関する国際的な水準を踏まえた高い次元の目標設定を行い、卓越した教育研究活動を展開することで我が国の学術研究と人材育成を牽引する国立大学法人の形成を図るとともに、全ての国立大学法人等が、地域や社会からの期待に応え、高い付加価値を生み出す教育研究活動を実施することができるよう、所有する資産の有効活用を通じ、経営力の強化を図るための措置を講ずるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、文部科学大臣は、申請のあった国立大学法人のうち、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれるものを、国立大学法人評価委員会の意見を聴いて、指定国立大学法人として指定することができるものとし、指定国立大学法人の中期目標を定め、又はこれを変更するに当たっては、世界最高水準の教育研究活動を行う外国の大学の業務運営の状況を踏まえなければならないものとしております。また、指定国立大学法人について、研究成果の活用促進のための出資対象範囲の拡大、役職員の報酬、給与等の基準の設定における国際的に卓越した人材確保の必要性の考慮等の特例を適用することとしております。あわせて、文部科学大臣は、大学の運営に関して高い識見を有する外国人を国立大学法人評価委員会の委員に任命することができるものとしております。
第二に、国立大学法人等は、業務の遂行に支障のない範囲内で、その対価を教育研究水準の一層の向上を図るために必要な費用に充てるため、文部科学大臣の認可を受けて、所有する土地等であって、業務のために現に使用されておらず、かつ、当面使用されることが予定されていないものを貸し付けることができるものとしております。また、国立大学法人等のうち文部科学大臣の認定を受けたものについては、当該国立大学法人等が受けた寄附金を原資とする部分であること等の要件に該当する余裕金の運用方法を拡大するものとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第190回国会参議院文教科学委員会会議録第4号12頁(平成28年4月14日)〔馳浩文部科学大臣発言・発言番号92〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一指定国立大学法人の指定に当たっては、申請から指定に至る過程を広く国民に明らかにするなど、公正性及び透明性を確保すること。
二指定国立大学法人が、世界最高水準の教育研究活動を展開できるよう、他の施策とも連携を図り、その環境整備を行うこと。特に、国際的に評価される人材を育成し、また、そのような人材を獲得するために教育・研究条件の整備を図るよう、積極的な支援を行うこと。
三余裕金の運用対象範囲の拡大に伴い、資産が毀損するリスクが増大するおそれがあることに鑑み、運用を安全に行う体制が整えられていることを十分に確認すること。また、余裕金の運用等によって自己収入が増加した場合、国立大学法人運営費交付金の減額等により、国立大学法人等の財務基盤強化の意欲が削がれることのないよう留意すること。
四地域のニーズに応じた人材育成や、地域社会の課題解決への貢献等、各地域において国立大学が果たしている役割の重要性に鑑み、産学官の連携や大学間ネットワークの構築等、その機能強化に向けた取組に対し、積極的な支援を行うこと。
五大学改革を進めるに当たっては、国立大学のみならず、高等教育全体のグランドデザインを示し、国民的コンセンサスが得られるよう努めること。
六国のGDPに比した高等教育への公的財政支出が、OECD諸国中、最低水準であることに留意し、基盤的経費である国立大学法人運営費交付金を始め、高等教育に係る予算の拡充に努めること。
政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一指定国立大学法人の指定に当たっては、申請から指定に至る過程を広く国民に明らかにするなど、公正性及び透明性を確保すること。また、国立大学法人評価委員会における評価に当たっては、世界最高水準の教育研究活動を評価するための基準を明らかにするとともに、国立大学法人評価委員会の外国人の委員の選任基準等についても明確化・透明化すること。
二指定国立大学法人が、世界最高水準の教育研究活動を展開できるよう、他の施策とも連携を図り、その環境整備を行うこと。特に、国際的に評価される人材を育成し、また、そのような人材を獲得するために教育・研究条件の整備を図るよう、積極的な支援を行うこと。
三指定国立大学法人制度が、卓越した教育研究活動を展開することで我が国の学術研究と人材育成を牽引する国立大学法人の形成を図るための制度であることに鑑み、指定国立大学法人と指定を受けない国立大学法人との間において、将来的に教育研究環境や財務基盤に著しい格差が生じることのないよう配慮すること。
四余裕金の運用対象範囲の拡大に伴い、資産が毀損するリスクが増大するおそれがあることに鑑み、運用を安全に行う体制が整えられていることを十分に確認すること。また、余裕金の運用等によって自己収入が増加した場合、国立大学法人運営費交付金の減額等により、国立大学法人等の財務基盤強化の意欲が削がれることのないよう留意すること。
五地域のニーズに応じた人材育成や、地域社会の課題解決への貢献等、各地域において国立大学が果たしている役割の重要性に鑑み、産学官の連携や大学間ネットワークの構築等、その機能強化に向けた取組に対し、積極的な支援を行うこと。
六大学改革を進めるに当たっては、国立大学のみならず、高等教育全体のグランドデザインを示し、国民的コンセンサスが得られるよう努めること。
七国のGDPに比した高等教育への公的財政支出が、OECD諸国中、最低水準であることに留意し、基盤的経費である国立大学法人運営費交付金を始め、高等教育に係る予算の拡充に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119001035)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。