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国会審議›第201回国会›閣法第26号
閣法第201回国会 第26号成立修正あり

強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案

令和2年法律第49号 強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律
提出令和2年2月25日 内閣
付託衆議院 経済産業委員会
参議院 経済産業委員会
成立
令和2年法律第49号
審議会議 9回・発言 1,079(政府答弁等 370)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院経済産業委員会

  1. R2.5.13趣旨説明経済産業委員会 9235
  2. R2.5.15質疑経済産業委員会 10254
  3. R2.5.20参考人招致・参考人質疑・質疑経済産業委員会 11209
  4. R2.5.22質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案経済産業委員会 12221
  5. R2.5.26委員長報告・採決本会議 2823

参議院経済産業委員会

  1. R2.5.28趣旨説明経済産業委員会 104
  2. R2.6.2質疑経済産業委員会 11149
  3. R2.6.4参考人招致・参考人質疑・質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 12250
  4. R2.6.5委員長報告・採決本会議 2265

提案理由

梶山弘志 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 令和2年5月13日

ただいま議題となりました強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 昨年の台風第十五号等による大規模かつ長期間の停電、中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの顕在化等を踏まえると、資源調達を含めた総合的な電力供給の強靱化に向けた対応が喫緊の課題です。

 一方で、中長期を見据えると、脱炭素化の要請を背景とした再生可能エネルギーのさらなる導入拡大と主力電源化を目指す中で、国民負担の抑制やさらなる系統増強の必要性の高まりなど、さまざまな課題が明らかになっています。こうした中で、電気の安定供給を持続可能なものとしていく必要があります。

 このような課題に対しては、エネルギーのサプライチェーン全体を俯瞰し、早急に対応を進めていかなければなりません。そのため、関連する法律を一体となって改正し、国民生活、産業の基盤となる強靱かつ持続可能な電気供給体制を確立すべく、本法律案を提出した次第です。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、電気事業法の一部改正です。

 送配電事業者に災害時連携計画の策定を義務づける等、災害時の連携強化に向けた所要の措置を講じます。

 また、将来の再生可能エネルギーのポテンシャル等を見据え、広域系統整備計画の策定を電力広域的運営推進機関の業務に追加する等、送配電網の強靱化に向けた所要の措置を講じます。

 さらに、地域において配電網を運営しつつ、緊急時には分散小型の電源等を活用し独立したネットワークとして運営できるよう、配電事業を法律上位置づける等、災害に強い分散型電力システムの拡大に向けた所要の措置を講じます。

 第二に、電気事業者による再生可能エネルギーの調達に関する特別措置法の一部改正です。

 再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、再生可能エネルギーの利用を総合的に推進する観点から、法律の題名を再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法に改めるとともに、従来の固定価格買取り制度に加え、新たに、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして、再生可能エネルギー発電事業者に交付する制度を創設します。

 また、系統制約の克服のために系統増強費用の一部を賦課金方式で全国から回収し、送配電事業者に交付する制度や、発電設備の廃棄費用を外部に積み立てる制度を創設します。

 第三に、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部改正です。

 機構が、緊急時に、電気事業法の規定に基づく経済産業大臣からの要請により、LNG等の発電用燃料を調達する業務を創設するとともに、機構が、天然ガスの積みかえ、貯蔵基地や、金属鉱物の採掘、製錬事業に対して出資等を行う業務を追加します。

 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

第201回国会衆議院経済産業委員会議録第9号32頁(令和2年5月13日)〔梶山弘志経済産業大臣発言・発言番号231〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 経済産業委員会令和2年5月22日

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。

一一般送配電事業者が事故等により電気の供給に支障が生ずる場合に備え、その支障を速やかに除去するために講ずるべき必要な対策について、予め検証するとともに、関係省庁間又は関係省庁と地方公共団体の間の調整その他の措置を講ずるなど、国の役割を明確にするとともに必要な支援を行うこと。

二一般送配電事業者が共同して作成する災害時連携計画については、現場の実態や関係者の意見等を踏まえ、真に災害復旧の迅速化・円滑化に資するものとなるよう適切に指導を行うとともに、今後の災害復旧の経験から得られる改善点等について、他の事業者と速やかに情報共有し、災害対応力の全国一律の向上が図られるよう指導すること。なお、同計画で定める事項のうち電気工作物の仕様の共通化に関する検討に当たっては、現場の混乱や作業効率の低下等に繋がることのないよう配慮すること。

三災害時等における地方公共団体等への一般送配電事業者の電力データの提供に当たっては、災害復旧の現場における実効的かつ迅速な対応が図られるよう、予めデータ提出の様式や手順等を定めること。

四電気の使用状況等のデータを有効活用する制度については、節電やエネルギー需給の効率化のための需給管理(デマンドレスポンス)の推進の観点を踏まえて、その活用を進めるとともに、一部の事業者の独占が起きないように配慮しつつ、新しい事業の幅広い展開に繋がるよう取り組むこと。

五電力広域的運営推進機関による広域系統整備計画の策定等については、電力システム改革が進展する中で、全国を視野に入れた再生可能エネルギーの主力電源化及び分散型電力システムの実現に向け、一般送配電事業者による送配電網設備の増強等が効果的に行われるよう、公開された、幅広い関係者による検討を行うこと。

六電力自由化の一層の推進、再生可能エネルギー電気その他の電気の安定的かつ効率的な供給の一層の確保、送電網の広域化及び配電網の分散化の一層の推進を図るため、役割の多様化が進み重要性が増す電力広域的運営推進機関の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

七送配電網の強靱化とコスト効率化を両立するための新たな託送料金制度の詳細の検討に際しては、電力の安定供給の継続的な確保とこれを支える人材の確保・育成等に支障が生ずることがないよう十分配慮すること。

八地域においてエネルギーの地産地消や災害に強い電気供給体制の確立等に資する分散型電力システムの円滑な導入が図られるよう、配電事業者及びアグリゲーターによる事業参入の円滑化に向けた環境整備を図ること。その場合、地域の意向を十分踏まえるなど地域と密接に連携した取組を進めるとともに、災害発生時のリスク対応など電力の安定供給確保に万全を期するため、アグリゲーターに対する指導監督に努めること。また、配電事業の許可を行う際には、事業の開始が電気事業の総合的かつ合理的な発達その他の公共の利益の増進に資するよう適切に審査するとともに、事業の休廃止により電気の使用者の利益を損なわないよう必要な措置を講ずること。

九市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付するいわゆるFIP制度の導入に当たっては、対象となる電源、規模、プレミアムに係る参照価格の見直し期間等について、再生可能エネルギーに対する投資インセンティブの確保及び市場への統合の観点を十分踏まえるとともに、関係者の意見を聞く等、再生可能エネルギー発電事業者の経営の安定化に配慮すること。また、再生可能エネルギーの導入が進展しているものの、発電コストのもう一段の低下が求められるところ、FIP制度の導入により再生可能エネルギーの導入にブレーキをかけることがないよう、再生可能エネルギー事業の動向に配慮して適切な導入時期を検討すること。なお、制度設計の時点では予見できなかった事態が生じた場合には、広く関係者に情報共有するとともに、必要な措置を講ずること。

十再生可能エネルギーの大量導入に資するプッシュ型系統整備を図るための賦課金方式の活用に当たっては、電力需要家に対する過度な負担とならないように配慮するとともに、賦課金の算定方法など制度に係る詳細を早期に明らかにし、電力需要家の理解と協力が得られるよう、本制度の丁寧な周知広報を行うこと。併せて、電気料金表に固定価格買取制度の賦課金と区別して記載するなど、電力需要家に正確かつ確実に賦課金額が周知されるよう検討すること。また、電力系統整備費用の負担の在り方については、託送料金制度においても、連系線の増強に際して地域による負担の差が再生可能エネルギーの導入の障害とならないよう、検討を進めること。

十一再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組が国民の理解と協力の下により健全かつ効果的に進められるよう、未稼働案件対策、設備廃棄対策、地域の理解を得られにくい開発案件対策、長期安定発電を可能とするような産業育成について、所管官庁である経済産業省の主導により関係省庁の密接な連携により進めること。

十二電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の改正に伴い発生する、電気事業者が現に締結する特定契約の変更その他の事務処理及びそれらに要する費用について、当該電気事業者の負担が軽減されるよう配慮すること。

十三発電側基本料金制度の検討に当たっては、固定価格買取制度の認定を受けた再生可能エネルギー発電事業者の状況を踏まえるとともに、再生可能エネルギー発電事業者が他の発電事業者と比較して著しく不利益になることがないよう、十分に配慮すること。

十四独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構による資源開発や緊急時の発電用燃料の調達等の業務のうち、特に石炭に関連するものについては、温室効果ガスの排出削減に取り組む政府の方針等と十分に整合性を確保するとともに、公開された幅広い関係者による検討に基づき事業を進めること。また、同機構のリスクマネー供給については、国際情勢を注視しつつ、将来にわたる資源の安定的な確保に向けて、民間事業者とも密接に連携して取り組むこと。

十五新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い経済的な悪影響が懸念されていることから、電気料金の支払いに困難な事情がある方に対しては、その置かれた状況に配慮し、柔軟な対応を行うことを要請するなど、必要な対応を検討すること。併せて、新型コロナウイルス感染症に係る経済対策の一つとして、配電事業及びアグリゲーター等による新たな分散型電力システムの推進に資する支援や環境整備を検討すること。

十六電気等の使用者の利益の保護及び電気事業等の健全な発達をより一層図る観点等から、電力・ガス取引監視等委員会の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

参議院 経済産業委員会令和2年6月4日

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一事故等により電気の供給に支障が生ずる場合に備え、一般送配電事業者が速やかに支障を除去するために講ずべき対策について、予め検証を行うとともに、関係省庁間又は関係省庁と地方公共団体の間の調整等、国の役割を明確にしつつ必要な支援を行うこと。

二一般送配電事業者が共同して作成する災害時連携計画については、公衆安全並びに作業現場における労働安全衛生の確保を大前提とした上で、真に災害復旧の迅速化・円滑化に資するものとなるよう現場の実態や関係者の意見等を踏まえながら検討を進めること。その際、今後の災害復旧の経験から得られる改善点等について、速やかに情報共有が行われ、災害対応力の全国一律の向上が図られるよう指導すること。また、同計画で定める電気工作物の仕様の共通化の検討に当たっては、作業の安全確保を大前提とし、現場の混乱や作業効率の低下等に繋がることのないよう配慮すること。

三災害時等における地方公共団体等への一般送配電事業者等の電力データの提供に当たっては、災害復旧の現場の混乱や作業効率の低下等に繋がることのないよう、予めデータ提供の様式や手順等を定めるとともに、地方公共団体の要望集約等、国の役割を明確にしつつ必要な支援を行うこと。

四平時における電力データの提供に当たっては、節電やエネルギー需給の効率化のための需給管理等を推進する観点も含めて、その活用を進めるとともに、個人情報の万全な保護及び事業者間の公正競争の確保に配慮しつつ、新たな事業展開に繋がるよう取り組むこと。

五電力広域的運営推進機関による広域系統整備計画の策定等については、電力システム改革が進展する中で、レジリエンスの強化や再生可能エネルギーの大量導入を促しつつ国民負担を抑制する観点から、一般送配電事業者による送配電網設備の整備が効果的に行われるよう、検討を行うこと。

六送配電網の強靱化とコスト効率化を両立するための新たな託送料金制度の詳細な検討に際しては、電力の安定供給の継続的な確保とこれを支える人材の確保・育成等に支障が生じないよう、現場の実態や地域特性など関係者の意見等を踏まえながら検討すること。

七地域においてエネルギーの地産地消や災害に強い電気供給体制の確立等に資する分散型電力システムの円滑な導入が図られるよう、社会的コストの増大を招かないことを基本とした上で、地域の意向を十分踏まえつつ、配電事業者及びアグリゲーターによる事業参入の円滑化に向けた環境整備を図ること。その際、アグリゲーターに対しては、災害発生時のリスク対応など電力の安定供給確保やサイバーセキュリティ確保に万全を期すよう、適切な指導監督に努めること。また、配電事業の許可を行う際には、事業の開始が電気事業の総合的かつ合理的な発達その他の公共の利益の増進に資するよう適切に審査するとともに、事業の休廃止により電気の使用者の利益が損なわれることのないよう必要な措置を講ずること。

八FIP制度の導入に当たっては、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立、主力電源化に向けた電力市場への統合という制度改正の趣旨が堅持されるよう、対象となる電源、規模、プレミアムに係る参照価格の見直し期間等について定めるとともに、制度導入後も不断の検証を行い必要な措置を講ずること。

九再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組が国民の理解と協力の下により健全かつ効果的に進められるよう、未稼働案件対策、設備廃棄対策、地域の理解を得られにくい開発案件対策、長期安定発電を可能とするような産業育成について、関係省庁の密接な連携により進めること。

十電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の改正に伴い発生する、電気事業者が現に締結する特定契約の変更その他の事務処理及びそれらに要する費用について、当該電気事業者の負担が軽減されるよう配慮すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101026)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。