金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 財政金融委員会
令和2年法律第50号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院財務金融委員会
- R2.5.19趣旨説明財務金融委員会 16123
- R2.5.27質疑・討論・採決・附帯決議財務金融委員会 17141
- R2.5.28委員長報告・採決本会議 2923
参議院財政金融委員会
- R2.6.2趣旨説明財政金融委員会 14112
- R2.6.4質疑・討論・採決・附帯決議財政金融委員会 15164
- R2.6.5委員長報告・採決本会議 2265
提案理由
麻生太郎 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 令和2年5月19日ただいま議題となりました金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明させていただきます。
金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るとともに、金融分野のデジタライゼーションに対応することが、喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、金融商品の販売等に関する法律の題名を金融サービスの提供に関する法律に改めるとともに、多様な金融サービスを利用者にワンストップで提供する金融サービス仲介業を創設し、登録制を導入するほか所要の行為規制等を整備することといたしております。
第二に、資金移動業に、第一種資金移動業、第二種資金移動業、第三種資金移動業の種別を設け、第一種資金移動業に認可制を導入するなど、資金の移動の額に応じた規制等を整備することといたしております。
その他、関連する規定の整備等を行うことといたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
第201回国会衆議院財務金融委員会議録第16号21頁(令和2年5月19日)〔麻生太郎財務大臣発言・発言番号121〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一近年の情報通信技術の発展に伴う金融仲介及び資金決済の実態等を踏まえ、利用者保護等の観点から、実効性のある金融検査・監督を実施すること。その際、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保及び機構の体制整備に努めること。
二技術革新による金融サービスの急速な変化に対応し、適切な規制体系を構築する観点から、行政当局による必要に応じた監督権限の行使を可能とする法令に基づく規制と、環境変化に応じて柔軟かつ機動的な対応を行い得る自主規制団体が策定する自主規制の連携を十分に図るよう努めること。また、法令適用事前確認手続においては、利用者の利便の向上に資するよう、その適切な運用に努めること。
三利用者の利便の向上及び保護のため、オンラインによる金融サービスの仲介と既存の仲介業者を含む実店舗における対面によるサービスの提供との間の競争や両者の特性の違いを活かしたサービスの提供が適切に行われるよう配慮し、既存の業態の店舗網や雇用が過度に失われることがないように留意すること。
四金融サービス仲介業者における手数料水準については、適切な競争が働くよう積極的な開示を促すとともに、利用者が仲介業者の中立性を適切に判断できるよう、金融機関との委託関係・資本関係の有無などの情報の開示に努め、利用者が不利益を被ることがないようにすること。
五金融サービス仲介業が取り扱う業務に対しては、銀行・証券・保険・貸金など諸々の金融商品の仲介に定められる顧客保護等に関する業法規制を準用し、既存の金融業及び金融仲介業との間における同等の扱いを確立すること。また、金融サービス仲介業の事業内容の実態に応じたものとなるよう、情報通信技術の発展に伴い、規制の在り方について適時適切に検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずること。
六金融機関と金融サービス仲介業者との間の顧客説明における役割分担においては、オンラインによる仲介においても、顧客が十分に金融商品・サービスを理解することが可能となるよう、利用者保護の観点から適切に指導・監督すること。
七金融サービス仲介業の取扱い可能な金融商品・サービス及びその金額の上限については、金融商品へのアクセス向上などの利便性と顧客が負うリスクのバランスを十分に考慮し定めること。その際、当初は日常生活に定着しているなど高度な説明を要せず、顧客に分かりやすい金融商品・サービスに限定し、国民の金融リテラシー及び技術進捗など環境の変化に応じて段階的に拡大していく観点から検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。
八金融サービス仲介業者のオンラインによる仲介においても、顧客の意向が十分に満たされるよう、適合性原則の遵守及び顧客本位の業務運営が徹底され、顧客が想定外の損失を被ることがないよう適切な指導・監督を行うこと。
九金融サービス仲介業の利用による金融商品の契約締結等に際して発生した紛争について、所属制を前提とした現行制度と比べて利用者保護に不足が生じることがないよう、金融ADR制度を早期に整備し、その周知徹底及び事例の公表に努めること。
十金融サービス仲介業者の顧客に対する賠償資力となる保証金供託額の水準を定めるに当たっては、イノベーションの促進による利用者利便の向上を考慮しつつも、顧客保護の観点に十分に配慮するように努めること。
十一顧客情報の取扱いに係る規制については、金融サービス仲介業が仲介業務を通じて取得する顧客情報の幅広さを念頭に、仲介業者の情報管理体制に対する適切な指導・監督を行うこと。また、顧客情報の第三者への提供に当たって必要とされる本人の同意については、顧客がその内容を十分に理解し、顧客の真意が適切に反映されるよう指導・監督を行うこと。
十二収納代行については、継続して実態把握に努め、利用者保護の観点から制度整備や規制の在り方について、引き続き検討を行うこと。また、改正資金決済法第二条の二の要件に該当しない場合であっても、為替取引に該当するときには、資金移動業の登録が必要となることを周知すること。
十三前払式支払手段発行者に対する利用者の保護等に関する措置を定めるに当たっては、サービスの提供実態や利用状況を把握して、利用者保護が十分に図られるようにするとともに、自主規制ルールの策定状況を十分に踏まえつつ、適切な指導・監督を行うこと。
十四少額与信を伴うキャッシュレス決済の普及により多重債務問題が生じないよう、その実態把握に努めるとともに、過剰与信の制度的な防止の観点から、貸金業法等の運用の充実を図り、適切な指導・監督を行うこと。
十五送金サービスの利用者資金の保全方法については、事業の運用状況を踏まえて利用者保護の観点や金融システムの安定性の確保の観点からさらなる検討を進めるとともに、可能な限り送金コストの低下を図るため、取扱送金額及びビジネスモデルに応じた最適な方法を業界団体と連携しながら引き続き検討すること。
十六第一種資金移動業において、送金上限額が設けられていないことに鑑み、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策規制の遵守態勢については、海外送金コストの低下という利用者の利便の向上に配慮しつつ、実効的な指導・監督体制の整備を行うこと。
十七この法律の施行に関し措置した政令等について、国会に対し十分説明すること。また、附則第二十八条に検討条項があることを踏まえ、改正後の各法律の施行状況を十分に把握し、国会への説明責任を果たすこと。
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一本法律の施行に当たっては、情報通信技術の発展や多種多様な利用者ニーズなど金融を取り巻く環境が今後も変化していくことを踏まえ、法制度の在り方について引き続き検討を加え、適時適切な見直しを行うこと。その際、利用者の保護を十分に図るとともに、我が国の金融機能の安定と市場の公正が確保されるよう留意すること。
二金融サービス仲介業の取扱い可能な金融商品・サービスについては、金融商品へのアクセス向上などの利便性と顧客が負うリスクのバランスを十分に考慮して定めること。その際、当初は日常生活に定着しているなど高度な説明を要せず、顧客に分かりやすい金融商品・サービスに限定し、国民の金融リテラシー及び技術進展など環境の変化に応じて検討を加え、必要な措置を講ずること。
三金融サービス仲介業者の賠償資力となる保証金の額を定めるに当たっては、イノベーションの促進による利用者の利便の向上を考慮しつつも、顧客等の保護の観点に十分に配慮すること。
四金融サービス仲介業者における手数料等については、適切な競争が働くよう積極的な開示を促すとともに、利用者が仲介業者の中立性を適切に判断できるよう、金融機関との委託関係・資本関係の有無などの情報開示に努め、利用者が不利益を被ることがないようにすること。
五金融サービス仲介業務に係る重要な事項の顧客に対する説明については、対面及びオンラインのいずれによる仲介においても、顧客が十分に金融商品・サービスを理解することが可能となるよう、利用者保護の観点から適切に指導・監督すること。
六金融サービス仲介業務においては、対面及びオンラインのいずれによる場合にも、適合性原則の遵守及び顧客本位の業務運営の徹底により、顧客の意向が十分に満たされ、顧客が想定外の損失を被ることがないよう適切な指導・監督を行うこと。
七顧客情報の取扱いについては、金融サービス仲介業務を通じて取得する顧客情報が広範にわたることも踏まえ、仲介業者の情報管理体制に対する適切な指導・監督を行うこと。また、顧客情報の第三者への提供の際に必要とされる本人の同意については、顧客がその内容を十分に理解し、顧客の真意が適切に反映されるよう指導・監督を行うこと。
八金融サービス仲介業が取り扱う業務に対しては、顧客保護等に関する現行の業法規制を準用し、既存の金融業及び金融仲介業との間における同等の扱いを確立すること。
九金融サービス仲介業に対する適切な規制体系を構築する観点から、法令に基づく規制と柔軟かつ機動的な対応を行い得る自主規制との連携を十分に図るよう努めること。その際、今後設立される自主規制機関への加入に向けた取組についても十分配慮すること。
十金融サービス仲介業の利用により発生した紛争の迅速・簡便・柔軟な解決に向け、現行制度と比べて利用者保護に不足が生じることがないよう、自主規制機関や指定紛争解決機関による解決制度の今後の周知徹底及び事例の公表に努めること。
十一オンラインによる金融サービスの提供と実店舗における対面によるサービスの提供との間の競争や両者の特性の違いをいかしたサービスの提供が適切に行われるよう配慮し、既存の業態の店舗網や雇用が過度に失われることがないように留意すること。
十二収納代行については、今後も継続してその実態把握に努め、利用者保護の観点から制度整備の在り方について、引き続き検討を行うこと。また、為替取引として規制される対象範囲の明確化を図り、事業者の予見可能性を高めるよう配意するとともに、為替取引に該当するときには、資金移動業の登録が必要となることを周知すること。
十三前払式支払手段発行者に対する利用者の保護等に関する措置を定めるに当たっては、サービスの提供実態や利用状況を把握して、利用者保護が十分に図られるようにするとともに、自主規制ルールの策定状況を十分に踏まえつつ、適切な指導・監督を行うこと。
十四第一種資金移動業については、送金上限額が設けられていないことに鑑み、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策規制の遵守態勢の確立に向けた実効的な指導・監督体制の整備を行うこと。また、第三種資金移動業については、利用者のニーズと利用者保護を考慮した送金上限額を設定するとともに、利用者資金を自己の財産と分別した預貯金等で管理する資金移動業者に対しては、業者の破綻時の利用者保護を踏まえた必要な対策・措置を講ずること。
十五送金サービスの利用者資金の保全に係るタイムラグが指摘されていることに鑑み、その保全方法については、事業の運用状況を踏まえて利用者保護及び金融システムの安定性確保の観点から更なる検討を進めるとともに、可能な限り送金コストの低減を図るため、取扱送金額及びビジネスモデルに応じた最適な方法を引き続き検討すること。その際、手続の電子化・効率化など、事業者の負担軽減にも十分配慮すること。
十六本法律の施行に関し措置した政令等や本法律施行後の状況等については、国会に対して十分説明すること。
十七金融サービスの高度化・多様化を踏まえ、金融機関等におけるセキュリティ向上を図るためのシステム等について、その開発・導入が促進されるよう必要な措置を講ずること。
十八少額与信を伴うキャッシュレス決済の普及により多重債務問題が生じないよう、その実態把握に努めるとともに、過剰与信の制度的な防止の観点から、貸金業法等の関係法制の厳正な運用を図り、適切な指導・監督を行うこと。
十九実効性のある金融検査・監督の実施に向けて、地域において金融サービス仲介業者等の検査及び監督を主に担当する財務局も含め、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保及び機構の体制整備に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101040)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。