企業担保法案
衆議院 法務委員会
昭和33年法律第106号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院法務委員会・法務・商工委員会連合審査会
提案理由
横川信夫 政府委員(法務政務次官) 昭和33年2月20日ただいま議題となりました企業担保法案につきまして提案の理由を説明いたします。
株式会社がその営業資金を調達するために社債を発行する場合には、確実な担保を必要とすることは言うまでもないのでありますが、この担保としては現在工場財団その他の各種財団抵当を利用しているのであります。
しかしながら、この財団抵当は、会社の企業を構成する特定の財産を集合して財団を設け、その上に抵当権を設定するものでありますが、現在の企業におきましては、その企業施設に財団を設け、さらに設備のひんぱんな改廃、変動に伴って、この財団の組成物件について変更の手続をするということは、きわめて煩雑であるばかりでなく、多大の時間と費用を要し、かなりの不便を来たしている実情にあるのであります。
この法律案は、右のような不便を除くために、株式会社の総財産をその変動するままの状態において、社債の担保に供する簡素で、かつ、合理的な新しい担保制度を創設し、株式会社の営業資金の調達を円滑ならしめようとするものであります。
この法律案の要点を申し上げますと、株式会社の総財産は、その会社の発行する社債を担保するため、企業担保権の目的とすることができるものとされていること。企業担保権の得喪変更は、その登記をすることによって効力を生するものとするが、その手続を簡素化するために、会社の本店所在地の登記所において株式会社登記簿に登記をすることとされていること。企業担保権は、会社企業の運営に伴って常時変動するその時々の状態における会社の総財産に効力が及ぶものとされ、また、先取特権、質権及び抵当権よりも常に後順位とされていること。企業担保権が実行されたときは、差押によって会社の総財産が固定し、この総財産を管財人が一括競売または随意契約によって、売却するものとされていること。会社の総財産の換価代金は、企業担保権者及びこれに優先する債権者に配当し、その残余を無担保の債権者に配当するものとされていること。
なお、この法律案では、国際復興開発銀行からの借款等の特殊性にかんがみ、日本開発銀行の特殊の貸付金につきましては、例外的に、会社はその総財産に企業担保権を設定することができるものとし、さらに担保付社債信託法その他の関係法律に所要の改正を加えることといたしております。
以上がこの法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことを希望いたします。
第28回国会参議院法務委員会会議録第8号1頁(昭和33年2月20日)〔横川信夫政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102801070)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。