鉱山保安法の一部を改正する法律案
参議院 商工委員会
昭和37年法律第105号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院石炭対策特別委員会
提案理由
森清 政府委員(通商産業政務次官) 昭和37年3月13日今回提出いたしました鉱山保安法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
鉱山保安法が昭和二十四年に施行されまして以来、すでに約十三年を経過し、この間において、鉱山の保安の状況は、漸次改善され、鉱山災害は、減少の傾向にありましたが、最近におきまして、特に石炭鉱山において、御承知のような重大災害が発生いたしまして多くの罹災者を生じましたことは、政府としてまことに遺憾とするところでございます。
これがため、政府におきましては、昨年五月閣議決定をもって鉱山保安対策を強力に推進することとし、保安監督の強化、保安施設等の設置についての融資及び補助、石炭鉱山保安臨時措置法による措置等を講じて参っている次第であります。
特に鉱山保安に関する法規につきましては、さきの国会の御決議にもございましたように、鉱山における保安の確保の基礎をなすものでありますので、その根本的な検討を行なうこととし、現在検討を進めております鉱業法の改正におきましても、鉱山保安の見地からする十分な配慮をするとともに、鉱山保安法につきましては、その改正及び運用の各般にわたって、中央鉱山保安協議会において慎重審議を行なって参ったのでありますが、このたび、当協議会において、すみやかに、法改正を要するものとして結論を見た事項について中間答申がなされましたので、これに基づいてここにこの法律案を提出することとした次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
改正の第一は、鉱業権者は、保安委員会に対して、保安に関する重要事項を通知しなければならないものとしたことであります。保安委員会は、保安管理者の保安に関する重要事項についての諮問機関であり、鉱山の保安の確保のためには、これが積極的に運用されることが肝要でありますので、少なくとも、通商産業大臣、鉱山保安監督局長または部長の鉱業権者に対する保安に関する命令等の特に保安に関する重要事項につきましては、鉱業権者がその内容を保安委員会に通知しなければならないこととして、保安委員会においてこれらに関する改善対策等がその議題となるよう措置したものであります。
改正の第二は、鉱業権者がその使用人以外の者を鉱山の作業に従事させる場合の規制であります。
近年、鉱業権者がその使用人以外の者を鉱山における作業に従事させる事例が増加しており、このようないわゆる請負作業におきましては、その性質上鉱業権者の保安のための指揮が必ずしも徹底していない面もあり、災害発生の可能性を高からしめておりますので、請負については、あらかじめ届出を要することとし、鉱山保安監督局長または部長は、保安管理の面その他届出にかかわる事項のうち、保安上不適当と認めるものについて必要な変更を命ずることができるものとして、作業の安全を期した次第であります。
改正の第三は、鉱山保安協議会についての改正であります。
従来、鉱山保安協議会の会長は、中央においては通商産業大臣、地方においては鉱山保安監督部長となっていたのでありますが、これをそれぞれ、学識経験者である委員のうちから委員が選任することといたしますとともに、新たに部会を置くことができることとして同協議会の民主的かつ円滑な運営をはかることとしたのであります。
改正の第四は、罰則の強化等法規の順守を確保するための規制を強化したことであります。
鉱山保安の確保の基本は、鉱山保安法規の順守にあることは、もちろんであります。このためには、鉱業権者、鉱山労働者の保安に関する理解と認識に基づいた順法意識の自発的な高揚をはかることが肝要であることはもとよりでありますが、法規違反により生ずる鉱山の災害の人命等に対する影響の重大性にかんがみまして、法の面におきましても、この改正により罰則を強化するとともに、鉱山保安法規に違反した鉱業権者に対しては、鉱山保安監督局長または部長が鉱業の停止を命ずることができることとして、鉱山保安法規の一そうの順守を促すこととしたのであります。
以上がこの法律案の提案理由及び要旨でありますが、その他の点に関する鉱山保安法の改正につきましては、今後における中央鉱山保安協議会の審議の結果及び現在検討中の鉱業法の改正の内容等を勘案して、慎重に検討を進めて参る所存であります。
何とぞ、御審議の上御賛同下さるよう切に希望いたす次第でございます。
第40回国会衆議院石炭対策特別委員会議録第15号2頁(昭和37年3月13日)〔森清政府委員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
この国会におきましても、前国会に引き続きまして石炭問題、石炭政策の問題がきわめて重要な問題として院の内外において論議をせられました。委員会を通じて審議を継続をいたしましたが、その間に政府の閣議決定もございましたし、問題になりました総合エネルギー対策の樹立あるいは雇用安定施策あるいは最低賃金制度の要望等は、これは閣議決定をふまえて、すみやかに実施するという意味を含めて、以下附帯決議案を各党各派の了承を得て上程することになりましたので、
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104001124)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。