電波法の一部を改正する法律案
衆議院 逓信委員会
昭和38年法律第82号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院逓信委員会
- S38.2.6趣旨説明逓信委員会 3105
- S38.2.20質疑逓信委員会 782
- S38.2.21質疑逓信委員会 855
- S38.3.12質疑逓信委員会 1497
- S38.3.13質疑逓信委員会 15215
- S38.3.19質疑逓信委員会 17410
- S38.3.22委員長報告・修正案・採決(修正)本会議 1682
- S38.3.22質疑・修正案・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)逓信委員会 19110
提案理由
小沢久太郎 郵政大臣 昭和38年2月6日ただいま議題になりました電波法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概略を御説明申し上げます。
現在、電波法におきましては、船舶無線電信局の運用に関する規定の一つとして、運用義務時間と聴守義務時間の規定があります。
運用義務時間につきましては、主として海上における公衆通信の円滑な疎通という観点から、国際電気通信条約上の船舶無線電信局の局種に応じてこれを定めております。すなわち、この条約は、船舶無線電信局を第一種局、第二種局及び第三種局に分類し、局種ごとの執務時間を規定しておりますが、各局種の内容を具体的にどのように定めるかは、各国政府の自由に自由にまかされております。
一方、聴守義務時間につきましては、主として海上における航行の安全という観点から、海上における人命の安全のための国際条約の要請に基づいて、これを定めております。
この両種の義務は、同一の船舶無線通信士によって果たされるわけでありまして、電波法におきましては、両者を相互に照応させて規定し、船舶航行中における運用の時間及び聴守の時間をそれぞれ段階的に定めておりますが、これらの時間の長短は、当然の結果として船舶に配置すべき通信士の最低員数に関連して参ります。これにつきまして、最近困難な事態に置かれているわが国海運企業の改善をはかり、国際競争力を強化する方策の一環として、かつは、船舶通信士の需給状態が最近逼迫を告げている実情から、船舶無線電信局の運用義務時間の短縮について強い要請があります。
これらの事情にかんがみ、最近における無線機器の性能の向上並びに従来のわが国における船舶無線通信の利用状況及び外国の船舶無線通信の実情を考慮して検討いたしましたところ、通信の利用及び運用の方法の改善等により、海上における航行の安全の保持及び通信秩序の維持に支障を来たさない限度内で船舶無線通信局の運用義務時間等を従来まりも軽減して、これを国際水準の線に置くことが可能であると判断されるに至りましたので、ここに、海運の国際競争力の強化に資する等のため、電波法の規定につき所要の改正を施そうとするものであります。
以下改正法案の内容を簡単に御説明申し上げます。
第一に、船舶無線電信局の種別の内容を改めることであります。
現行法におきましては、船舶の航行中常時運用することを必要とする第一種局は、総トン数三千トン以上の旅客船または五千五百トンをこえる非旅客船の船舶無線電信局となっておりますが、改正法案におきましては、これを国際航海に従事する旅客船で二百五十人をこえる旅客定員を有するものの船舶無線電信局のみといたそうとしております。この改正の結果、現在の第一種局施設船六百六隻は、九隻となります。
運用義務時間が一日十六時間の第二種局甲でありますが、現行法におきましては、船舶安全法上無線電信を施設することを義務づけられている船舶、これを義務船舶と申そうと存じますが、そのうち総トン数三千トン未満五百トン以上の旅客船及び総トン数五千五百トン以下千六百トン以上の非旅客船の船舶無線電信局をこの第二種局甲といたしております。改正法案におきましては、この第二種局甲を、総トン数五百トン以上の義務船舶である旅客船の船舶無線電信局で第一種局に該当しないものといたしました。この改正の結果、第二種局甲施設船四百五隻は、十二隻となります。
次に、運用義務時間が一日八時間の第二種局乙でありますが、現行法によりますと、旅客船につきましては、第一種局及び第二種局甲に含まれない残余のすべての船舶無線電信局であり、非旅客船につきましては、第一種局及び第二種局甲以外の船舶無線電信局のうちで公衆通信業務を取り扱うものとなっているのであります。改正法案におきましては、一日八時間運用すべき船舶無線電信局を第二種局乙及び第三種局甲に分類し、旅客船につきましては、新しい第一種局及び第二種局甲に該当しない残余の船舶無線電信局全部を第二種局乙といたし、非旅客船につきましては、総トン数千六百トン以上の義務船舶の船舶無線電信局及びその他公衆通信業務を取り扱う船舶無線電信局を第二種局乙または第三種局甲に含めることといたしております。この改正の結果、現在一日八時間運用すべきものの施設船三百五十五隻は、千三百四十五隻となります。
一日八時間運用すべきものを第二種局乙及び第三種局甲に分類しようとするのは、両者の運用の時間割を異なったものとするためであります。すなわち、国際電気通信条約上第二種局の運用時間割が定められているため、全部を第二種局乙といたしますと、改正法案の実施後圧倒的多数の通信が第二種局乙の時間割の時間に集中し、その疎通に円滑を欠くような事態の発生が考えられますので、状況に応じて一定範囲の船舶無線電信局の運用時間割を別のものにする趣旨であります。改正法案におきましては、一日八時間運用すべきもののうち、非旅客船のものの一部を政令で定めるところにより第三種局甲にする道を開き、それ以外のものをすべて第二種局乙とすることといたしております。
なお、これに伴い、現行の第三種局甲及び第三種局乙につきましては、その内容はそのままとし、名称のみを第三種局及び第三種局丙と改めることといたしております。
改正の第二は、聴守義務時間に関するものであります。
これにつきましては、現行法では、第一種局、第二種局甲及び国際航海に従事する旅客船の第二種局乙は、常時聴守となっており、それ以外の第二種局乙は、一日八時間の運用義務時間中聴守しなければならないことになっておりますが、改正法案では、新しい第一種局、第二種局甲並びに国際航海に従事する旅客船及び国際航海に従事する総トン数千六百トン以上の非旅客船の第二種局乙が常時聴守となり、その他の第二種局乙は、その運用義務時間中のみを聴守義務時間とすることといたしております。これによりまして、従来無線通信士による常時または十六時間の聴守を要した非旅客船九百八十三隻の船舶無線電信局は、八時間の聴守をもって足りることとなり、残余の時間は、オートアームによって聴守することができることとなるわけであります。
第三に、今回の改正によって公衆通信の疎通等につき現状に急激な変化をもたらすことを避けるため、経過措置といたしまして、改正法案施行の際の現存船のうち、総トン数三千トン以上の義務船舶でない旅客船及び総トン数五千五百トンをこえる非旅客船の船舶無線電信局につきましては、改正後一日八時間運用の第二種局乙となるところを、改正法案施行の日から三年間は第二種局甲とし、その運用義務時間を十六時間、聴守義務時間を常時といたそうとしております。
以上が改正法案の提案理由及びその内容の概略でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
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第43回国会衆議院逓信委員会議録第3号2頁(昭和38年2月6日)〔小沢久太郎郵政大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104301028)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。