TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第46回国会›閣法第151号
閣法第46回国会 第151号成立修正あり

林業基本法案

昭和39年法律第161号 森林・林業基本法
提出昭和39年4月2日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
昭和39年法律第161号
審議会議 17回・発言 1,358(政府答弁等 546)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. S39.4.10趣旨説明・質疑本会議 2355
  2. S39.4.16趣旨説明・補足説明農林水産委員会 3811
  3. S39.5.22質疑農林水産委員会 5194
  4. S39.5.28質疑農林水産委員会 54104
  5. S39.6.5派遣委員報告・質疑農林水産委員会 5545
  6. S39.6.9参考人招致・現地調査会農林水産委員会 56133
  7. S39.6.10質疑農林水産委員会 57136
  8. S39.6.11質疑農林水産委員会 5883
  9. S39.6.12質疑農林水産委員会 5963
  10. S39.6.16質疑農林水産委員会 60287
  11. S39.6.17質疑農林水産委員会 61137
  12. S39.6.19委員長報告・修正案・採決(修正)本会議 3876
  13. S39.6.19質疑・修正案・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議農林水産委員会 6258
  14. S39.6.26附帯決議本会議 1

参議院農林水産委員会

  1. S39.4.24趣旨説明・質疑本会議 1953
  2. S39.6.23議案(衆議院修正部分)農林水産委員会 4773
  3. S39.6.25趣旨説明・補足説明農林水産委員会 48219
  4. S39.6.26委員長報告・採決本会議 32113
  5. S39.6.26質疑・討論・採決農林水産委員会 49111

提案理由

赤城宗徳 農林大臣 昭和39年4月10日

林業基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 わが国の林業は、今日まで、木材その他の林産物の供給、資源の有効利用、国土の保全、国内市場の拡大等、国民経済の発展と国民生活の安定に寄与してまいりました。

 しかるに、近時、わが国経済の発展に伴いまして、林業をめぐって大きな情勢の変化が見られるのであります。すなわち、木材需要の増大、開放経済体制下における外材輸入の増加等、木材需給構造の変化が生じ、また農山村からの労働力の流出が顕著となる等の趨勢がこれであります。申すまでもなく、林業は、本来、生産期間がきわめて長いこと等、他産業に比べて不利な自然的条件を有するばかりではなく、林業経営の大部分が零細規模であること、林業経営者の経営意欲が一般的に低調であること等の脆弱性を有しております。

 これらを克服して、諸情勢の変化に対応し、林業の総生産を増大させ、他産業との格差が是正されるように生産性を向上させるとともに、林業従事者の所得を増大させることにより、林業の安定的な発展をはかることが強く要請されているのであります。

 その要請にこたえるには、従来の資源政策を基調とした林業政策のみでは十分ではありません。さらに、新たな角度から、産業としての林業の振興に関する基本的な政策の目標を明らかにし、これに基づいて諸般の施策を講じていくことが必要であります。このことは、林業のになう重要な使命にこたえると同時に、国民経済の発展と国民生活の向上を念願する国民の期待にこたえるゆえんであろうと考えるものであります。これがこの法案を提出いたしました趣旨でございます。

 次に、この法案の主要な内容につきまして御説明いたします。

 まず、第一章総則について申し上げます。

 第一に、以上申し述べましたような趣旨を明らかにして、この法律の目的を規定しております。次いで、国の林業に関する政策の目標は、国民経済の成長発展及び社会生活の進歩向上に即応して、林業の自然的、経済的、社会的制約による不利を補正し、次の事項の実現をはかることにあるものとしております。すなわち、林業総生産の増大を期するとともに、他産業との格差が是正されるように林業の生産性を向上することを目途として林業の安定的な発展をはかり、あわせて林業従事者の所得を増大してその経済的、社会的地位の向上に資することがこれであります。

 第二に、この目標を達成するため、国は、林業に関する政策全般にわたって必要な施策を総合的に講じなければならないこととしております。それらは、一、林野の林業的利用の高度化、二、林業構造の改善、三、林業技術の向上、四、林産物の需給及び価格の安定と流通及び加工の合理化、五、近代的な林業経営の担当者及び技術者の養成確保、六、林業労働に従事する者の養成確保及び福祉の向上の六項目として明らかにしております。そして、これらについての施策が、画一的でなく、地域の自然的、経済的、社会的諸条件を十分考慮し、きめこまかく行なわれるべきものとしております。

 また、これら諸施策を講ずるにあたっては、林業従事者等の自主的な努力を助長することを旨とすべきものとしております。さらに、政府は、これら諸施策を実施するため、必要な法制上及び財政上の措置を講じ、かつ、必要な資金の融通の適正円滑化をはからなければならないこととしております。

 第三に、国有林野事業につきましても、最近の社会経済情勢の推移に即応して、林業政策上適確な位置づけを行なうこととしております。すなわち、国は、諸施策を講ずるにあたっては、事業の企業性の確保に必要な考慮を払いつつ、その適切な運営を通じて、重要な林産物の需給及び価格の安定に貢献し、林業総生産の増大に寄与し、林業構造の改善のための積極的活用をはかるようにするものとしております。その場合、国土の保全その他公益的機能の確保とともに、農業構造の改善その他産業の振興または住民の福祉の向上のための積極的活用をはかるようにつとめるものとしております。

 第四に、政府は、毎年国会に、林業の動向及び国が林業に関して講じた施策に関する報告並びにその報告にかかる林業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を提出しなければならないこととしております。

 以上が、第一章総則のおもなる内容でございます。第二章から第四章までにおきましては、林業生産の増進及び林業構造の改善、林産物の需給及び価格の安定等並びに林業従事者について、必要な施策の方針をそれぞれ明らかにすることとしております。

 すなわち、林業生産の増進及び林業構造の改善に関する第二章におきましては、第一に、林産物の需要及び供給並びに森林資源の状況に関する長期の見通しを立てることとしております。次いで、この見通しを参酌して、林業の総生産の増大と生産性の向上をはかるよう、林野利用の高度化、林業技術の向上等、林業生産に関する施策を講ずべきこととしております。

 第二に、林業構造の改善をはかるため、林業経営の規模等による経営形態の差異を考慮して、必要な施策を講ずるとともに、小規模林業経営についてその規模の拡大をはかることとしております。また、林業生産を合理化し、林業経営の発展に資するよう生産行程についての協業を助長することとしております。さらに、以上の施策を総合的かつ効率的に遂行するため、林業構造改善事業を推進することとしているのであります。

 林産物の需給及び価格の安定等に関する第三章におきましては、重要な林産物について国内生産を円滑化し、外材輸入にも期待しまして、その需給及び価格の安定をはかることとしております。また、林産物の流通及び加工の合理化をはかるため必要な施策を講ずることとしております。

 林業従事者に関する第四章におきましては、近代的な林業経営の担当者または技術者たるにふさわしい者の養成確保と、林業労働に従事する者の養成確保及び福祉の向上をはかるため必要な施策を講ずることとしております。

 次に、第五章におきましては、林業行政に関する組織の整備及び運営の改善と林業団体の整備についての方針を述べております。

 最後に、第六章におきましては、総理府に林政審議会を設置することとし、その組織等につき必要な事項を定めております。なお、林政審議会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するほか、内閣総理大臣または関係各大臣の諮問に応じこの法律の施行に関する重要事項を調査、審議するものであります。

 林業基本法案の主要な内容は、以上のとおりでございます。このようにこの法律の目的は今後の林業の向かうべき道を示すことにありますので、これに基づく具体的な施策につきましては、この法案の趣旨により、とりあえず本年度においてもその一部について措置することとするほか、今後にわたって、法制上、予算上等の措置を講じていく所存であります。

 以上をもちまして、林業基本法案の趣旨説明といたす次第でございます。(拍手)

    —————————————

第46回国会衆議院会議録第23号14頁(昭和39年4月10日)〔赤城宗徳農林大臣発言・発言番号40〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会昭和39年6月19日

政府は、林業基本法の実施に当つては、次の事項に関して遺憾なからしむべきである。

一森林資源の維持、開発の施策としての林道網の整備拡充と造林の推進については国庫負担及び補助率の引上、貸付条件の改善並びに予算及び融資の飛躍的増大等特段の措置を講ずること。

二国有林野事業の運営に当つては、特に地元産業の振興と地元住民の福祉の向上に留意し、山村地域の振興に貢献するよう努めること。

三民有林業並びに木材産業の振興のため、更に積極的な施策を講ずるとともに、これに対応する行政機構の整備改善を行なうこと。

四国内森林生産の増強に努め、外材輸入についてはこれを弾力的に指導して木材需給の調整と価格の安定に努めること。

五林業労働者に対しては、労働法規に基づく保護及び各種社会保障の諸権利を速やかに享受できるよう雇用の安定、労働条件の改善等その実現に努めること。

六林政審議会の委員に、林業経営者、林業労働者等広く各界より権威者の参加を求め、法の適正、円滑な運用がより一層可能となるよう配慮すること。

七本法施行に伴い必要な関連立法の早期実現に努めるとともに、関係法を速やかに整備すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104601151)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。