外務省設置法の一部を改正する法律案
衆議院 内閣委員会
昭和42年法律第16号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
三木武夫 外務大臣 昭和42年5月9日外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
この法律案におきまして、まず、外務審議官一人を増置することとしております。外務審議官につきましては、昭和三十五年以来すでに一人が置かれておりますが、特に最近において外交問題はますます複雑多岐にわたって処理すべき案件が急増し、現在の外務審議官一人をもってしては、とうていこれを円滑に処理し得ない状況となってきましたので、今般これをさらに一人増置し、重要な外交案件について外務大臣を補佐せしめんとするものであります。
次に、近年、邦人の海外渡航は急増し、海外における邦人の活躍がますます盛んとなっておりまして、これに伴い海外における邦人の保護に関する事務の量は著しく増加し、これらの事務のうち、特定の地域に関連のないものを効率的かつ一元的に実施すべき要請が高まっております。改正法律案は、かかる情勢に対応いたしまして、従来地域局で処理してまいりました海外における邦人の生命、身体及び財産の保護に関する事務のうち外交事務関係を除いて、大臣官房において一括して能率的に取り扱うことといたしております。したがいまして、邦人の保護に関する事務でも、特に地域的関係が密接で外交事務として処理することが適当と思われるものは、従来どおり地域局の重要な任務の一つとして地域局で処理するとととしております。
また、これとともに、海外における邦人の身分関係事務、旅券関係及び査証関係事務も、従来の中南米・移住局から大臣官房に移し、邦人の保護関係事務とともに、一体的に大臣官房において処理することとしております。
最後に、外務省職員の定員増につきましては、特別職としてマダガスカル、ネパール、アイルランド及びニカラグアの大使四名及び一般職職員四十八名、合計五十二名を増員することとしております。なお、附則において、他省庁から外務省に出向する職員のうち、大蔵省から二名及び警察庁から一名の分について、所要の規定の整備をしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
次に、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
この法律案におきましては、在バルバドス大使館外四大使館の新設、在ホンデュラス及び在アイスランド公使館の大使館への昇格、在バンコック総領事館外三総領事館の新設、在ウィニペッグ領事館及び在デュッセルドルフ総領事館分館の総領事館への昇格並びにオークランド領事館の新設を定めるとともに、これら新設及び昇格される在外公館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定めることとしております。
バルバドスは中米カリブ海にある島で旧英領植民地、ガイアナは南米の北端にある旧英領ギアナ、モルディヴはインドの南方海上にある島嶼群、ボツワナ及びレソトはアフリカ南部にある旧英領植民地であった新興独立国でありまして、これはわが国がこれらの新しい独立国とは進んで外交関係を設け、親交を深めて行こうとする政策によるものでありまして、さしあたっては、それぞれ近隣の国に駐在する大使をして兼任せしめる予定であります。
次にホンデュラス及びアイスランド公使館の大使館への昇格でありますが、近年世界各国とも公使館とせずに大使館とするのが一般的な趨勢となっており、わが国とこれら両国との間の友好関係よりかねてから大使館昇格の話し合いを進めて来た次第でありますが、今般相互主義のもとに大使館に昇格せしめんとするものであります。
次に、総領事館として、バンコック、カラチ、ハバロフスク及び。ハリの各総領事館を新設することとしております。そのうち、バンコック及びパリは、新設と申しましても、職員はすべて大使館の職員が兼任することとしております。バンコック及びパリは、在留邦人の激増により領事事務が急激に増加しており、かつ、主要諸外国を含む多数の国が同地に総領事館または領事館を設置しておりますので、総領事館を新設してこれらの事務を能率的に処理する必要が生じている次第であります。また、カラチ総領事館は、パキスタンの首都が昨年カラチからイスラマバードに移転し、これに伴いわが国大使館も移転を完了しましたところ、カラチは依然パキスタンの経済、貿易の中心地であり、また交通の要衝として領事事務も多いので、総領事館を設置する必要があるわけであります。
また、ハバロフスクは、ソ連の極東地方における政治、経済上の重要地点であり、今後の日ソ間の貿易、経済協力等の増進のため総領事館を設置することにしております。
次に、カナダのウイニペッグ領事館及びドイツのデュッセルドルフ総領事館分館につきましては、この両地区が、経済、貿易、広報及び領事事務等の必要性から、ともに総領事館に昇格せしめるとこにしている次第であります。
さらに、ニュージーランドのオークランドにつきましては、近年におけるわが国とニュージーランドとの間の経済、貿易関係の増進及びこれに伴う人的、物的交流の増大にかんがみ、同国最大の商工業都市たるオークランドに領事館を設置することにしております。
次に、給与につきましては、以上のとおり新設または昇格される在外公館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定めることにしている次第であります。
最後に、ナイジェリアの国名変更及びコンゴ(キンシャサ)の首都名変更に伴い、所要の改正を加えることにしている次第であります。
以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
以上二件につきまして、何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
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第55回国会衆議院内閣委員会議録第4号4頁(昭和42年5月9日)〔三木武夫外務大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501009)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。