地球温暖化対策の推進に関する法律案
参議院 国土・環境委員会
平成10年法律第117号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H10.5.19趣旨説明・質疑環境委員会 6158
- H10.5.19趣旨説明・質疑本会議 4040
- H10.5.21参考人招致環境委員会 797
- H10.5.22質疑環境委員会 8168
- H10.9.4質疑・修正案趣旨説明・附帯決議・採決(修正)環境委員会 2168
- H10.9.8委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 97
参議院国土・環境委員会
- H10.9.9趣旨説明・質疑本会議 828
- H10.9.10趣旨説明国土・環境委員会 226
- H10.9.17質疑国土・環境委員会 3307
- H10.9.22参考人招致国土・環境委員会 491
- H10.9.24質疑国土・環境委員会 5218
- H10.10.1修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案国土・環境委員会 7236
- H10.10.2委員長報告・採決・附帯決議本会議 1212
提案理由
大木浩 環境庁長官 平成10年5月19日ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
地球温暖化は、地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、その防止は人類共通の課題であることから、平成四年五月、気候変動に関する国際連合枠組条約が、さらに,本条約に基づいて、昨年十二月、二酸化炭素等の温室効果ガスの削減についての法的拘束力ある数値目標等を定めた京都議定書が採択されたところであります。この京都議定書において、我が国は、平成二年を基準として、平成二十年から二十四年までの温室効果ガスの排出量の年平均値を六%削減するとの法的拘束力のある削減目標が採択されています。
一方、我が国の現状を見ますと、二酸化炭素排出量はここ数年増加基調にあり、実施可能な対策を現段階から講じていかなければなりません。
このような状況の中で、地球温暖化対策の推進を図るため、今般、この法律案を提案した次第であります。
次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
第一に、国、地方公共団体、事業者及び国民それぞれが地球温暖化防止のために取り組みを行う責務を定めることとしております。
第二に、地球温暖化対策に関する基本方針を閣議決定をもって策定することとしております。
基本方針においては、地球温暖化対策の推進に関する基本的方向、国、地方公共団体、事業者及び国民のそれぞれが講ずべき温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する基本的事項、政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画に関する事項、温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者について、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関し策定及び公表に努めるべき計画に関する基本的事項等について定めることとしております。
第三に、地方公共団体は、みずからの事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画を定め、それを公表し、また、措置の実施の状況について公表することとしております。
第四に、温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者は、単独にまたは共同して、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画を策定し、これを公表するよう努めるとともに、講じた措置の実施の状況の公表に努めなければならないこととしております。
第五に、国民の日常生活において発生する温室効果ガスの排出の抑制等を促進するため、都道府県知事は地球温暖化防止活動推進員を委嘱すること、国及び都道府県は地球温暖化防止活動推進センターを指定することができることとしております。
このほか、政府による我が国の毎年の温室効果ガスの総排出量の公表、温室効果ガスの排出の抑制等に資する施策の実施に関して関係行政機関の長に対する環境庁長官による協力要請、必要な罰則等に関し所要の規定を設けることとしております。
以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第142回国会衆議院環境委員会議録第6号1頁(平成10年5月19日)〔大木浩環境庁長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文を朗読して説明にかえさせていただきます。地球温暖化対策の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一京都議定書で定められた我が国の温室効果ガスの削減目標については、排出量取引や共同実施等は目標達成に当たって補完的なものであるとされていることに留意し、本法の適切な実施、省エネ法等関係諸法律との連携強化、その他の地球温暖化防止対策の一層の充実等により、目標の達成に向け国内対策の強力な推進を図ること。
二地球温暖化対策に関する基本方針については、これが本法の目的達成のための最も重要な役割を果たすものであることにかんがみ、地球温暖化防止行動計画が策定された後も、一九九〇年以降二酸化炭素の排出量が増加し続けている現状を謙虚に反省し、各主体が真に削減効果の上がる対策を講ずることとなるように、その内容を厳密に定めること。
三政府自らが定める温室効果ガスの排出抑制等のための実行計画については、率先実行の姿勢を国民に示すため、具体的かつ明確にその内容を定め、これを確実に実行するとともに、計画の実施状況等についての分析、評価等を行い、さらにこれらの情報を国民へ提供していくとともに、できるだけ国民の声を反映させていくこと。
四事業者が、温室効果ガスの削減に向けて自主的に法律に基づく計画等を策定、公表するよう促していくため、技術的情報、他の事業者による先駆的な取組等についての情報の提供など、積極的な支援を行うこと。
五国民が温室効果ガスの排出削減を行うに当たっては、国民一人一人のライフスタイルを見直すことが肝要であることにかんがみ、国民各層に対し、本法及び京都議定書の趣旨の周知を図るとともに、特に、国民の担う役割に関して普及・啓発、教育・学習等を通じてなお一層の理解を得るよう努めること。
六政府、地方公共団体及び事業者の策定する実行計画等の内容やその実施状況を公表し、社会的評価を受けることによって、地球温暖化対策の推進を図ることが本法において重視されていることから、これを促進するため、策定された実行計画等及びその根拠となる情報を収集し、これらの情報に基づいて分析、評価を行うとともに、その結果を広く国民に提供するよう、必要な措置を講じること。
七地球温暖化対策の推進に当たっては、国民の賛同と参加を得ることが重要であることにかんがみ、基本方針の策定、実行計画の実施状況の評価等に当たり広く国民の意見を聞くとともに、全国及び都道府県地球温暖化防止活動推進センターの活動に国民、住民の意見が十分反映されるよう必要な措置を講じること。
八京都議定書の早期発効に向けて積極的なイニシアティブを発揮するとともに、排出量取引等の国際的仕組みの構築に当たっては、これらの仕組みが各国の温室効果ガスの排出削減措置の抜け道とならないよう、その国際的な交渉に指導力を発揮すること。
九二〇一〇年には途上国の温室効果ガスの総排出量は先進国のそれを上回ると推定されていることから、途上国における取組が強化されるよう、我が国がCOP3で発表した「京都イニシアティブ」を着実に実施し、途上国への技術移転、資金供与、途上国での人材育成等を積極的に進めること。
十大気中の温室効果ガスの濃度、気象や生態系の変化の状況を適確に把握するための観測・監視及び地球温暖化による地球環境への諸影響の予測に関する調査・研究を充実するとともに、その成果を広く各主体に積種的に提供すること。
十一環境委員会においても今後の地球温暖化防止対策の推進に寄与するための必要性から、各主体における温室効果ガスの排出抑制等の実施状況等を初めとする本法の運用状況及び本附帯決議の実施状況を本委員会に対し適時適切に報告すること。
対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一京都議定書で定められた我が国の温室効果ガスの排出削減目標の達成に向けては、排出量取引等の国際的制度は目標達成に当たって補完的なものであるとされていることに留意し、また、過大な吸収量を見込むことは温室効果ガスの排出削減努力を損なうおそれがあるとの指摘があることを踏まえ、本法を始め国内における温室効果ガスの排出削減対策の整備・推進に力を傾注していくこと。
二地球温暖化対策に関する基本方針については、地球温暖化防止行動計画についてなされている様々な指摘を踏まえ、各主体が真に削減効果の上がる対策を講ずることとなるように、国民の意見を広く聞きながら、その内容を厳密に定めること。
三温室効果ガスの排出削減のためには事業者の果たすべき役割が大きいことにかんがみ、その事業活動に関する計画の策定・公表が促進されるよう積極的な支援を行うとともに、計画の実施状況についての把握に努めること。
四国民一人ひとりの温室効果ガスの排出削減努力を促していくため、京都議定書及び本法の趣旨の周知徹底、普及・啓発等の一層の推進を図るとともに、製品についてその利用に伴って排出される温室効果ガスの排出量など各般にわたる情報の収集・公表に努めること。
五全国及び都道府県地球温暖化防止活動推進センターについては、国民・住民の協力・参加を求めて運営されるよう必要な措置を講ずること。
六京都議定書の早期発効に向けて積極的なイニシアティブを発揮するとともに、吸収量の取り扱いや排出量取引等の国際的取組に関するルールづくりに当たっては、これらが各国の温室効果ガスの排出削減措置の「抜け道」とならないよう、その国際的な交渉にリーダーシップを発揮すること。
七京都議定書の実施に対応した温室効果ガスの排出削減ができる法制度を早急に構築すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201111)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。