児童福祉法の一部を改正する法律案
参議院 厚生労働委員会
平成16年法律第153号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H16.7.30閉会中審査報告書本会議 112
- H16.11.2趣旨説明厚生労働委員会 4253
- H16.11.5質疑厚生労働委員会 5268
- H16.11.10質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 6236
- H16.11.11委員長報告・採決・修正案・附帯決議本会議 1030
参議院厚生労働委員会
- H16.11.12趣旨説明・質疑本会議 613
- H16.11.16趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明厚生労働委員会 5346
- H16.11.25質疑・附帯決議・採決厚生労働委員会 6340
- H16.11.26採決・委員長報告・附帯決議本会議 965
提案理由
尾辻秀久 厚生労働大臣 平成16年11月2日ただいま議題となりました児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
急速な少子化の進行等を踏まえ、総合的な次世代育成支援対策を推進するため、次世代を担う子供が心身ともに健やかに育つための環境を整備することが喫緊の課題となっております。このため、児童虐待等の問題に適切に対応できるよう、児童相談に関する体制の充実等を図るとともに、慢性疾患にかかっている児童に対する医療の給付を創設する等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、児童相談に関する体制の充実であります。児童相談に関する市町村、都道府県及び児童相談所の業務に関する規定を整備するとともに、地方公共団体は、児童に関する情報の交換等を行う要保護児童対策地域協議会を置くことができることとしております。
第二に、児童福祉施設、里親等のあり方の見直しであります。要保護児童に対する適切な保護と支援を図るため、乳児院及び児童養護施設の入所児童の年齢要件を見直すとともに、児童に対する里親の権限の明確化を図ることとしております。
第三に、要保護児童に係る措置に関する司法関与の見直しであります。要保護児童とその保護者の関係の改善等を図るため、児童相談所による保護者に対する指導措置について家庭裁判所が関与する仕組みを導入することとしております。
第四に、慢性疾患にかかっている児童に対する医療の給付の創設であります。本給付については、都道府県が行うこととし、国は、都道府県が支弁する当該給付に要する費用を補助することができることとしております。
このほか、保育料収納事務の委託に関する規定を整備するとともに、児童の売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書を締結するための規定を整備することとしております。
最後に、この法律の施行期日は、平成十六年十月一日としておりますが、児童相談に関する体制の充実、要保護児童に関する司法関与の見直し等については、一部を除き、平成十七年四月一日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第161回国会衆議院厚生労働委員会議録第4号36頁(平成16年11月2日)〔尾辻秀久厚生労働大臣発言・発言番号251〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一児童福祉司等専門職員の資質の向上と配置基準の見直し等を行うなど児童相談所及び市町村の体制の拡充を図ること。
二子どもたちに良好な家庭的環境を与えるために、職員の拡充、施設のホーム化等児童養護施設の改善に取り組むこと。
三児童福祉に関する家庭裁判所の機能の強化に向けての取り組みを進めること。
四保護者に指導措置を受けさせるための勧告が、実際にどのように機能したのかを検証すること。また、指導措置の内容について専門的・学術的観点からの研究をさらに進めること。
五国及び地方自治体における関係機関の連携強化を図るとともに、民間団体、NPOとの一層の連携を図ること。
六里親制度を発展させるための支援を強化すること。また、虐待を受けた者に対して適切かつ多様な支援を行うために、自立援助ホームの充実強化に取り組むこと。
七保護者への指導・支援のあり方、虐待事件の検証結果などが地方自治体にきちんと周知徹底されるよう連携・指導に努めること。
八小児慢性特定疾患については、子どもに治療を受けさせながら生計を立てているという保護者の立場を理解しつつ、子どもに対して最適な医療を提供するという制度の趣旨を踏まえ、制度のあり方等について検討を続けるとともに、手続きなどの負担をできる限り軽減すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一児童福祉司等専門職員の資質の向上を図るとともに、その配置基準を見直す等、児童相談所の体制の拡充に努めること。また、全市町村における要保護児童対策地域協議会の速やかな設置を目指すとともに、新たに窓口となる市町村においても専門性を確保できるよう必要な技術的支援を行うこと。
二子どもたちが良好な家庭的環境の下で生活できるよう、職員の拡充、施設の小規模ホーム化等児童養護施設の改善に取り組むこと。また、施設を退所した児童に対する生活拠点を確保し、就労支援が適切に行われるよう自立援助ホームの設置の促進及び機能の充実強化を図ること。
三里親制度の普及を図るため、一層の啓発に努めるとともに、里親への支援体制を強化すること。
四児童福祉に関する家庭裁判所の機能の強化に向けての取組を進めること。
五保護者に指導措置を受けさせるための勧告が実際にどのように機能したのかを検証すること。また、指導措置の内容について専門的・学術的観点からの研究を更に進めること。
六国及び地方自治体における関係機関の連携強化を図るとともに、民間団体、NPOとの一層の連携を図ること。
七保護者への指導・支援の在り方、虐待事件の検証結果などが有効に活用されるよう地方自治体への周知徹底に努めること。
八乳幼児健診等あらゆる機会を通じて虐待を早期に把握するよう努めるとともに、過重な育児負担のある養育者が確実に支援を受けられるよう体制整備を行うこと。
九小児慢性特定疾患治療研究の一層の推進を図るとともに、児童虐待の予防、虐待された児童に対するケア、養育者へのカウンセリング等に資する医学的・社会学的研究についてもその充実を図るため、予算面・人員面で十分な配慮を行うこと。
十小児慢性特定疾患対策については、法制化に伴い制度の周知徹底及び事務手続の簡素化を図るとともに、自己負担の導入が保護者に過重な負担とならないよう十分配慮すること。また、必要に応じて継続した治療が受けられるよう成人の難病対策との連携を可能な限り図るとともに、福祉サービスの充実についても取り組むこと。
十一小児慢性特定疾患治療研究事業の在り方について引き続き検討を続けるとともに、患者団体、医療機関関係者及び専門家、自治体等の関係者の意見を十分踏まえ、必要に応じ制度の見直しを行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115901034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。