臨床研究法案
参議院 厚生労働委員会
平成29年法律第16号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H28.5.20趣旨説明厚生労働委員会 19116
- H28.5.25質疑厚生労働委員会 20119
- H29.3.17質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 7250
- H29.3.23委員長報告・採決(修正)本会議 1263
参議院厚生労働委員会
- H29.4.4趣旨説明及び衆議院修正部分趣旨説明厚生労働委員会 8181
- H29.4.6質疑・採決・附帯決議厚生労働委員会 9198
- H29.4.7委員長報告・採決本会議 1429
提案理由
塩崎恭久 厚生労働大臣 平成28年5月20日ただいま議題となりました臨床研究法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
臨床研究については、データ改ざん、対象者の同意の取得の不備、個人情報の漏えい等の不適正事案が発生し、欧米諸国と比較して規制が不十分であること、行政機関が十分な監督権限を持っていないこと等の問題が指摘されました。
こうした状況を踏まえ、臨床研究を実施する場合の必要な手続、臨床研究に関する資金の提供に関する情報の公表の制度等を定めることにより、臨床研究の対象者を初めとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を推進することで、保健衛生の向上に寄与することを目的として、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の主な内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、医薬品等の臨床研究のうち、特に臨床研究の対象者の生命、身体へのリスクが高い未承認または適応外の医薬品等を用いる臨床研究及び医薬品等の製造販売業者等から資金の提供を受けて実施する臨床研究について、その実施に関する手続等を定めることとしております。
具体的には、厚生労働大臣が定める実施基準に従ってこれを実施しなければならないこととするとともに、研究実施計画を厚生労働大臣に提出しなければならないこととしております。また、これらの臨床研究の実施に起因するものと疑われる重篤な疾病等が発生した場合には、厚生労働大臣に報告しなければならないこととしております。さらに、これらに違反する場合には、厚生労働大臣が改善命令や研究の中止命令等を行うことができることとしております。
第二に、臨床研究の信頼の確保を図るため、医薬品等の製造販売業者等の臨床研究に関する資金の提供に関する情報の公表の制度等を定めることとしております。
最後に、この法律案の施行期日は、公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
第190回国会衆議院厚生労働委員会議録第19号21頁(平成28年5月20日)〔塩崎恭久厚生労働大臣発言・発言番号114〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けないとする国際人権規約の規定の趣旨を尊重し、臨床研究の対象者の保護に万全を期すこと。また、臨床研究実施基準等において、研究者等による臨床研究の対象者の権利の尊重を明確に規定すること。
二臨床研究実施基準の策定に当たっては、ICH—GCPやGMPに準拠することにより、臨床研究の一層の信頼性の確保に努めるとともに、国際的な規制との整合性を確保し、国際的な共同研究・共同治験の一層の推進に向けて取り組むこと。
三医薬品、医療機器等の開発を推進するため、治験と臨床研究の制度区分と活用方法を明確化して、臨床研究を促進するとともに、臨床研究で得られた情報を、医薬品、医療機器等の承認申請に係る資料として利活用できる仕組みについて速やかに検討すること。
四特定の認定臨床研究審査委員会に審査意見業務が集中することにより、審査意見業務の質や公平性、公正性が損なわれないよう、認定臨床研究審査委員会の運営環境の整備を図り、臨床研究の対象者の確実な保護に努めること。
五臨床研究の対象者に健康被害が生じた場合の補償及び医療の提供が適切に行われるよう、医薬品副作用被害救済制度についての周知徹底を図るとともに、同制度の対象とならない臨床研究について、健康被害が生じた場合に同制度に準じた補償が受けられるよう、必要な措置を検討すること。
六研究過程の透明性を確保し、研究の進捗状況の把握や学術的解析を可能にするため、臨床研究実施基準において、臨床研究の概要、進捗状況及び結果を公的なデータベースに登録する旨を規定し、臨床研究の結果を含む情報の登録・公開要件等の拡充について検討すること。
七学問の自由に配慮しつつ臨床研究の一層の信頼確保を図るため、研究資金等の提供に関する情報等の公表制度の実施状況を踏まえながら、本法の公表の対象外とされている情報提供関連費や接遇費等を公表の対象とすることについて検討すること。
八研究者等の事前準備に遺漏や混乱を生じさせないよう、臨床研究実施基準の案については、できるだけ速やかに公表すること。
九患者申出療養、評価療養として保険外併用療養費制度で行われている医療行為について、有効性・安全性等が確認されたものは引き続き保険収載に向けて必要な措置を講ずること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けないとする国際人権規約の規定の趣旨を尊重し、臨床研究の対象者の保護に万全を期すとともに、本法の対象とならない手術・手技の臨床研究等の対象者も含め、その尊厳と権利を保護するための対応について、本法附則第二条の規定に基づき検討すること。また、臨床研究実施基準等において、研究者等による臨床研究の対象者の尊厳と権利の尊重を明確に規定すること。
二臨床研究実施基準の策定に当たっては、ICH—GCPやGMPに準拠することにより、臨床研究の一層の信頼性の確保に努めるとともに、国際的な規制との整合性を確保し、国際的な共同研究・共同治験の一層の推進に向けて取り組むこと。
三研究過程の透明性を確保し、研究の進捗状況の把握や学術的解析を可能にするため、臨床研究実施基準において、臨床研究の概要、進捗状況及び結果を公的なデータベースに登録する旨を規定し、臨床研究の結果を含む情報の登録・公開要件等の拡充について検討すること。
四研究者等の事前準備に遺漏や混乱を生じさせないよう、臨床研究実施基準の案については、できるだけ速やかに公表すること。
五医薬品、医療機器等の開発を推進するため、治験と臨床研究の制度区分と活用方法を明確化して、臨床研究を促進するとともに、臨床研究で得られた情報を、医薬品、医療機器等の承認申請に係る資料として利活用できる仕組みについて速やかに検討すること。
六認定臨床研究審査委員会の行う審査意見業務の質の確保を図るため、認定の更新の際にその実績を検証し、結果を認定の更新の判断に反映させる仕組みについて検討すること。
七臨床研究の対象者に健康被害が生じた場合の補償及び医療の提供が適切に行われるよう、医薬品副作用被害救済制度についての周知徹底を図るとともに、同制度の対象とならない臨床研究について、健康被害が生じた場合に同制度に準じた補償が受けられるよう、必要な措置を検討すること。
八学問の自由に配慮しつつ臨床研究の一層の信頼確保を図るため、研究資金等の提供に関する情報等の公表制度の実施状況を踏まえながら、本法の公表の対象外とされている情報提供関連費や接遇費等を公表の対象とすることについて検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119001056)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。