畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
平成29年法律第60号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H29.5.17趣旨説明農林水産委員会 12220
- H29.5.18質疑農林水産委員会 13219
- H29.5.23参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 1462
- H29.5.25質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 15197
- H29.5.26委員長報告・採決本会議 2829
参議院農林水産委員会
- H29.6.1趣旨説明農林水産委員会 17181
- H29.6.6質疑・参考人招致・参考人質疑農林水産委員会 18229
- H29.6.8質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 19268
- H29.6.9委員長報告・採決本会議 3156
提案理由
山本有二 農林水産大臣 平成29年5月17日畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
加工原料乳生産者補給金制度は、昭和四十一年に、当時の生乳生産量及び飲用牛乳需要の増大を背景として、当分の間、暫定的な措置として設けられたところでございます。この生産者補給金制度は、酪農経営の安定、牛乳・乳製品の価格の安定に重要な役割を果たしてまいりましたが、近年、生乳生産量及び飲用牛乳需要が減少傾向で推移していることから、需要が増大している乳製品に生乳を仕向けやすい環境を整備し、需給状況に応じた乳製品の安定供給の確保等を図る必要があります。
こうした状況を踏まえ、平成二十八年十一月に改定された農林水産業・地域の活力創造プラン等に基づき、生産者補給交付金等の交付に関する措置について、畜産経営の安定に関する法律に恒久的な制度として位置づけるとともに、その交付対象となる事業者の範囲を拡大する等の措置を講ずるため、この法律案を提出した次第でございます。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、生産者補給交付金等の交付に関する措置についてであります。
これまで、指定生乳生産者団体を通じて生乳を委託販売する生産者のみを対象としていた生産者補給交付金等について、その交付対象を拡大し、生乳を計画的に加工に仕向ける全ての事業者に交付することができることとしております。
これに伴い、生産者補給交付金等の交付を受けようとする事業者は、年間販売計画を作成して農林水産大臣に提出し、農林水産大臣は、その計画が一定の基準に適合すると認める場合には、交付対象数量を通知することとしております。
第二に、集送乳調整金の交付に関する措置についてであります。
都道府県知事または農林水産大臣は、農林水産省令で定める正当な理由がある場合を除き、一または二以上の都道府県の区域において委託または売り渡しの申し出を拒まないなどの要件を満たす事業者を指定するとともに、指定生乳生産者団体などの指定を受けた事業者に対して集送乳調整金を交付することができることとしております。
第三に、独立行政法人農畜産業振興機構が行う指定乳製品等の輸入等の措置について、畜産経営の安定に関する法律に位置づけるとともに、同法に規定されている価格安定措置等については廃止することとしております。
これらの改正に伴い、生産者補給交付金等を交付する業務等について独立行政法人農畜産業振興機構法に位置づけるとともに、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法は廃止することとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容でございます。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
以上でございます。
第193回国会衆議院農林水産委員会議録第12号20頁(平成29年5月17日)〔山本有二農林水産大臣発言・発言番号216〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
我が国の酪農は、生産者の努力の積重ねにより、先進的な経営を実現させてきた。しかしながら、担い手の高齢化や後継者不足を背景に飼養戸数、飼養頭数ともに減少しており、生産基盤の強化に向けて、生産現場では総力を挙げての取組が懸命に続けられている。こうした状況を踏まえ、補給金制度の改革は、生産現場における不安や混乱を払拭し、経営意欲の維持向上が図られるよう、消費者への国産牛乳・乳製品の安定供給と生産者の所得の増大を旨として進める必要がある。よって政府は、本法の施行に当たり、生産者が将来に明るい展望を描けるよう、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一新たな補給金制度の運用に当たっては、制度の目的を踏まえ、現行の指定生乳生産者団体に出荷する生産者が不公平感を感じないようにするとともに、事業者が乱立した結果、乳価交渉力強化・用途別安定供給・共同販売体制の強化などの現行の指定生乳生産者団体の機能が損なわれないよう、万全の措置を講ずるとともに、その機能強化に向けた取組を後押しすべく、万全の措置を講ずること。
二補給金交付の要件となる年間販売計画は、飲用向けと乳製品向けへの調整の実効性が担保されるものとすること。
三補給金の算定に当たっては、牛乳・乳製品の需給の安定等を通じた酪農経営の安定を図り、国民消費生活の安定に寄与するため、生乳の再生産が確保されるよう、その単価を適切に設定すること。
四集送乳調整金については、条件不利地を含む広域的な地域から、正当な理由なく集乳を拒まない事業者にのみ交付する仕組みとし、その単価を適切に設定すること。
五部分委託については、場当たり的な利用を確実に排除し、年間を通じた用途別の需要に応じた安定的な取引が確保され、生産者間の不公平が生じないよう、厳格な基準を設定し、その適切な運用を図ること。
六現行の指定生乳生産者団体が新制度における指定生乳生産者団体に円滑に移行できるよう、関係者の意向や実態を十分踏まえた適切な措置を講ずること。
七対象事業者に対する指導及び助言に当たっては、生産者の公平な取引であるかなど、必要に応じて国が調査し、実効性ある改善指導を行うこと。
八政令及び農林水産省令並びに関連通知については、年間を通じた用途別の需要に応じた安定的な取引が行われ、用途別安定供給に支障をきたすことがないよう、適切に制定すること。
九酪農家は農業者の中でもとりわけ過酷な労働条件にあることから、その改善を図るため、酪農ヘルパーの充実や公共牧場等を活用した育成の外部化を支援するとともに、搾乳ロボットやミルキングパーラーをはじめとする省力化機器や施設の整備に対して集中的に支援を行うこと。こうした生産基盤対策等の支援は、地域を支える中小規模の家族経営体が十分活用できるよう配慮すること。
十規制改革推進会議等の意見については、参考とするにとどめ、現場実態を踏まえ、酪農生産基盤の強化に資するものとなることを第一義とし、制度の運用を行うこと。
我が国の酪農は、生産者の努力の積重ねにより、先進的な経営を実現させてきた。しかしながら、担い手の高齢化や後継者不足を背景に飼養戸数、飼養頭数ともに減少しており、生産基盤の強化に向けて、生産現場では総力を挙げての取組が懸命に続けられている。こうした状況を踏まえ、補給金制度の改革は、生産現場における不安や混乱を払拭し、経営意欲の維持向上が図られるよう、消費者への国産牛乳・乳製品の安定供給と生産者の所得の増大を旨として進める必要がある。よって政府は、本法の施行に当たり、生産者が将来に明るい展望を描けるよう、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一新たな補給金制度の運用に当たっては、制度の目的を踏まえ、現行の指定生乳生産者団体に出荷する生産者が不公平感を感じないようにするとともに、事業者が乱立した結果、乳価交渉力強化・用途別安定供給・共同販売体制の強化などの現行の指定生乳生産者団体の機能が損なわれないよう、万全の措置を講ずるとともに、その機能強化に向けた取組を後押しすべく、万全の措置を講ずること。
二補給金交付の要件となる年間販売計画は、飲用向けと乳製品向けへの調整の実効性が担保されるものとすること。
三補給金の算定に当たっては、牛乳・乳製品の需給の安定等を通じた酪農経営の安定を図り、国民消費生活の安定に寄与するため、生乳の再生産が確保されるよう、その単価を適切に設定すること。
四集送乳調整金については、生乳の安定供給を支え地域の酪農の維持発展に寄与するため、条件不利地を含む広域的な地域から、あまねく集乳し、かつ、正当な理由なく集乳を拒まない事業者にのみ交付する仕組みとし、例えば、生乳の輸送体制を十分に有しているかなど、事業者の能力を確認する等により、その実効性を担保するとともに、その単価を適切に設定すること。
五部分委託については、場当たり的な利用を確実に排除し、年間を通じた用途別の需要に応じた安定的な取引が確保され、生産者間の不公平が生じないよう、厳格な基準を設定し、その適切な運用を図ること。
六現行の指定生乳生産者団体が新制度における指定生乳生産者団体に円滑に移行できるよう、関係者の意向や実態を十分踏まえた適切な措置を講ずること。
七対象事業者に対する指導及び助言に当たっては、生産者の公平な取引であるかなど、必要に応じて国が調査し、実効性ある改善指導を行うこと。
八政令及び農林水産省令並びに関連通知については、年間を通じた用途別の需要に応じた安定的な取引が行われ、用途別安定供給に支障をきたすことがないよう、適切に制定すること。
九酪農家は農業者の中でもとりわけ過酷な労働条件にあることから、その改善を図るため、酪農ヘルパーの充実や公共牧場等を活用した育成の外部化を支援するとともに、搾乳ロボットやミルキングパーラーをはじめとする省力化機器や施設の整備に対して集中的に支援を行うこと。こうした生産基盤対策等の支援は、地域を支える中小規模の家族経営体が十分活用できるよう配慮すること。
十規制改革推進会議等の意見については、参考とするにとどめ、現場実態を踏まえ、酪農生産基盤の強化に資するものとなることを第一義とし、制度の運用を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119301040)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。