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国会審議›第7回国会›閣法第44号
閣法第7回国会 第44号成立

証券取引法の一部を改正する法律案

昭和25年法律第31号 証券取引法の一部を改正する法律
提出昭和25年2月16日 内閣
付託衆議院 大蔵委員会
参議院 大蔵委員会
成立
昭和25年法律第31号
審議会議 13回・発言 898(政府答弁等 349)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院大蔵委員会

  1. S25.2.20趣旨説明大蔵委員会 17215
  2. S25.2.21質疑大蔵委員会 18200
  3. S25.2.24質疑大蔵委員会 1945
  4. S25.3.14質疑大蔵委員会 3273
  5. S25.3.15質疑・討論・採決大蔵委員会 33168
  6. S25.3.16委員長報告・討論・採決本会議 2751

参議院大蔵委員会

  1. S25.2.27趣旨説明・質疑大蔵委員会 1336
  2. S25.3.1質疑大蔵委員会 15101
  3. S25.3.2質疑大蔵委員会 16117
  4. S25.3.3質疑大蔵委員会 1784
  5. S25.3.8質疑大蔵委員会 19190
  6. S25.3.9討論・採決大蔵委員会 20152
  7. S25.3.13委員長報告・討論・採決本会議 2722

提案理由

湯地謹爾郎 政府委員(大蔵事務官(証券取引委員会事務局長)) 昭和25年2月20日

証券取引法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明いたします。

 現在施行されている証券取引法は、昭和二十三年四月公布以来すでに二箇年近くを経過しておりまして、その間証券行政の執行上いろいろ不備の点も発見され、また経済情勢の進展に照らし、取引の公正の確保及び投資者保護のために、さらに積極的な施策を織り込む必要も生じて参つたのでありまして、ここに同法律の一部を改正するため、本法律案を提出することとなつた次第であります。

 今回の改正案の主眼とするところは、証券業の健全化をはかることと、シヤウプ勧告の線に沿つて証券取引法の規定により提出される財務諸表の基準を定める権限を、証券取引委員会に與えること等でありまして、以下改正の主要なる事項につきまして、逐次その大要を御説明いたします。

 その第一点は、証券業者及び証券取引所の健全化に関するいろいろな規定を設けたことであります。この点をさらに詳しく説明いたしますと、その一つは、証券業者は、営業用純資本として最低額五十万円を常に維持しなければならないこととし、この額に満たない登録申請者は登録を拒否され、また証券業者であつてその営業用純資本額が五十万円を下つた場合には営業の停止と命ぜられ、さらには登録の取消しを受けるということにいたしまして、証券業者の資産内容の堅実化をはかり、もつて投資者の保護を全からしめんとしたのであります。

 現行法におきましては、証券業者の資本金額には別段の制限はないのでありまして、従つて弱体証券業者の濫立を来し、投資者の保護にも欠けるおそれがありますので、銀行、信託、保険、無盡等に関する法律と歩調を合せ、証券業者になるためには常に五十万円以上の営業用純資本額を保有するを要することとしたのであります。しかし現在の証券業者に対しては、すぐにこの制限規定を適用することは困難でありますので、三年後より適用することに相なつております。

 その二は、証券業者が営業または財産経理の状況に照らしまして、過当な数量の売買取引、不健全な方法による売買もしくは借入れをなし、または不良と認められる資産を有する場合においては、証券取引委員会は当該行為を制限し、不良資産を償却する等の命令をなすことができることとして、証券業者の健全化をはかることとしたのであります。

 その三は、営業の盛衰 はげしい証券業者の特殊性にかんがみまして、その損益の平準化をはかるために、証券業者の営業年度を、現在六箇月であるのを一年に改正することにしたことであります。

 その四は、登録取消しの処分を受けた証券会社の役員は、五年間証券会社の役員に就任することができないこととする等、現在の登録拒否または登録取消しの條文の不備を整備したことであります。

 その他、証券取引所に関することでありますが、証券取引委員会は、証券取引所が上場しようとする証券が、公益または投資者保護のために不適当と認めるときは、その上場を拒否すべき旨を命ずることができることとし、また証券取引所自体の登録拒否の條項を整理するなど、証券取引所の健全化をはかる規定を設けることといたしました。

 第二点といたしましては、シヤウプ勧告にうたわれている線に従いまして、証券取引法の規定により提出される貸借対照表、損益計算書等の財務書類の用語、様式及び作成方法を、証券取引委員会規則をもつて定める権限を証券取引委員会に與え、企業経理の内容を明確にし、投資者の理解を容易ならしめ、証券投資の普及に役立たしめんとするとともに、ひいては不統一をきわめておりますわがわが国企業会計制度の整備に資せんとしたことであります。またこれらの財務書類は、それを提出する会社と特別の利害関係のない公認会計士の監査証明を受けなければならないこととし、財務書類の信頼性または利用性を高める措置を講じ、さらにこの監督証明は、証券取引委員会規則で定める基準及び手続によつて行わなければならないこととして、わが国で初めての経験である外部監査制度を実効的ならしめることとしたのであります。ただその実施にあたりましては、公認会計士の現状に照らしまして、監査証明を受けなければならない会社等は、証券取引委員会規則で逐次漸進的に指定して行くこととして、これに必要な法的措置を講じた次第であります。

 第三点は、有価証券の募集または売出しに際して、証券取引委員会規則で届出を免除することができる範囲を、現在の募集または売出し券面総額五百万円よりこれを千万円に引上げて、経済の実情の変化に即応し得ることといたしたのであります。

 第四点は、投資についての判断を提供すべき新聞、雑誌等の記事に関する取締り規定を設けたことであります。これはアメリカの証券法の規定にのつとりまして、このような記事を公表することについて、有価証券の発行会社または証券業者等から対価の提供を受けているときは、その旨をあわせて表示しなければならないこととして、投資者の判断に誤りなきを期せしめることとしたことであります。

 第五点は、証券取引法の規定に基いて設立された証券業協会について、その活動に実効性を與えるため、事業者団体法の適用をしないこととしたことであります。

 第六点は、証券取引委員会の委員長及び委員は、その職務の特殊性にかんがみまして、内閣総理大臣が再議院の同意を得て任命するものとし、特別職とすることであります。

 以上が大体改正案の要点であります。この改正整備によりまして、証券取引法の目的でありまする有価証券の取引の公正と、その流通の円滑化をはかり、また投資者の保護に一段と厚きを加えることとなる次第でありまして、政府としてはこの法律案が一日もすみやかに成立することを希望している次第であります。どうぞ十分御審議の上、御賛成あらんことを切望いたす次第であります。

第7回国会衆議院大蔵委員会議録第17号13頁(昭和25年2月20日)〔湯地謹爾郎政府委員発言・発言番号72〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=100701044)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。