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国会審議›第26回国会›閣法第115号
閣法第26回国会 第115号成立修正あり

引揚者給付金等支給法案

昭和32年法律第109号 引揚者給付金等支給法
提出昭和32年3月22日 内閣
付託衆議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会
成立昭和32年5月17日
昭和32年法律第109号
審議会議 15回・発言 813(政府答弁等 355)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会・社会労働委員会海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会連合審査会

  1. S32.3.25趣旨説明社会労働委員会 29158
  2. S32.3.29質疑社会労働委員会 3293
  3. S32.4.2質疑社会労働委員会 33116
  4. S32.4.3趣旨説明・質疑社会労働委員会海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会連合審査会 1241
  5. S32.4.5質疑社会労働委員会 3532
  6. S32.4.10質疑社会労働委員会 36135
  7. S32.4.16委員長報告・修正案・採決(修正)本会議 3322
  8. S32.4.16修正案趣旨説明・採決(修正)社会労働委員会 3982

参議院社会労働委員会

  1. S32.4.18趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明社会労働委員会 23215
  2. S32.5.7質疑社会労働委員会 28191
  3. S32.5.8質疑社会労働委員会 2987
  4. S32.5.14質疑社会労働委員会 32150
  5. S32.5.15質疑社会労働委員会 33120
  6. S32.5.16附帯決議・採決社会労働委員会 34102
  7. S32.5.17委員長報告・採決本会議 3763
  8. S32.5.19附帯決議本会議 1

提案理由

神田博 厚生大臣 昭和32年3月25日

ただいま議題となりました引揚者給付金等支給法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。

 過般の大戦の終結により、きわめて多数の同胞がその生活の本拠とする外地からほとんど無一物になって引き揚げ、地縁、人縁の乏しい内地で生活の再建をはからねばならなかったのでありまして、内地の戦災者等に比較いたしましても、その再起更生にさらに大きな障害があったことは、ここにあらためて申し上げるまでもないところであります。

 政府は、これら引揚者に対しましては、その実情にかんがみ、応急的な援護を行うとともに、住宅の供与、更生資金の貸付等の援護更生施策を実施いたして参ったのでありますが、多年の懸案であった在外財産問題につきましては、昨年六月、内閣総理大臣から在外財産問題審議会に対し在外財産問題処理のための引揚者に関する措置方針について諮問がなされたのであります。同審議会においては、きわめて慎重、かつ、熱心にその本質及び実態の究明を行い、昨年十二月に至り、内閣総理大臣に対し、右の諮問に対する答申が提出されたのであります。

 政府といたしましては、右の答申の趣旨にのっとり、引揚者に対する施策を実施するという基本方針を定め、その実施方法等につきましては、できる限り、引揚者の要望に即することを旨として種々考慮いたして参ったのでありますが、ようやく先般、諸般の調整を終り、ここに引揚者給付金等支給法案として提案する運びに至った次第であります。

 以下この法案の概要について御説明いたしたいと存じます。

 先づ第一に、終戦時、外地に六カ月以上生活の本拠を有していた者等所定の要件を満たしている者を本法にいう引揚者とし、これら引揚者に対しましては、終戦時の年令の区分により、五十歳以上の者に二万八千円、三十歳以上五十歳未満の者に二万円、十八歳以上三十歳未満の者に一万五千円、十八歳未満の者に七千円の引揚者給付金を支給することにいたしたことであります。なお、外地に長く残留することを余儀なくされ、講和条約発効後引き揚げた者は、その実情にかんがみ、外地に生活の本拠がなかった場合においても、引揚者給付金の支給対象とし、さらにそのうち、いわゆる戦争受刑者につきましては、年齢にかかわらずすべて二万八千円を支給することにいたしました。

 第二に、ソ連の参戦または終戦に伴って引き揚げねばならなくなった者あるいは外地に残留することを余儀なくされていた者が外地において死亡した場合及び引き揚げ後二十五歳以上で死亡した場合は、それぞれその遺族に対し、遺族給付金を支給することとし、その額は、外地で死亡した者の遺族につきましては、死亡した者の終戦時の年齢の区分により、十八歳以上であった場合は、二万八千円、十八歳未満であった場合は、一万五千円とし、引き揚げ後死亡した者の遺族につきましては、引揚者給付金の額に見合う額といたしたことであります。

 第三に、一定金額以上の所得のある者等、現に生活基盤の再建をなし得た者には給付金を支給しない趣旨のもとに、その所得税額が八万八千二百円をこえる者及びその配偶者には、引揚者給付金及び遺族給付金を支給しないことといたしたのであります。

 第四に、引揚者給付金及び遺族給付金は、記名国債で交付することにし、その利率は年六分、償還期限は十年以内、発行期日は昭和三十二年六月一日にいたしたことであります。

 その他、不服申立、国債元利金の免税、実施機関等所要の事項を規定いたしておりますが、この法律により引揚者給付金及び遺族給付金の支給件数は約三百四十万、国債発行総額は五百億円に達するものと見込んでおります。

 なお、以上申し述べましたこの法案による措置にあわせて、政府は、引揚者に対する生業資金の貸付、住宅の貸与の援護施策につきましても、その拡充に努力いたす所存であります。

 以上がこの法案を提出いたしました理由であります。

 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

 ただいま議題となりました水道法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。

 水道は、広く国民の日常生活に直結した公衆衛生上の基本的施設であるばかりでなく、生活環境の改善による国民生活の合理化、生活水準の向上等のため、まことに不可欠な要素であるとともに、産業の発達等近代国家の整備の上からも重要施設であります。近年水道布設に対する要望は、都市農村を問わずほうはいとして起りつつありますのもまことにゆえなしといたしません。

 政府におきましても、従来水道の普及には特に意を用い、その所要資金の確保、維持管理の徹底、国庫補助金の支出等をはかって、この国民の要望にこたえてきたのでありますが、これを規制する水道条例は古く明治二十三年に制定されたもので、その規定もはなはだしく簡単であり、その規模が著しく拡大され、技術的にも高度化されて参りました現在の水道を律するにつきましては、種々実情に沿わない点があるのであります。

 政府といたしましては、かねてからこの水道条例の根本的な改正について慎重に検討を重ねて参ったのでありますが、このたびようやく成案を得て、ここに本法案を提出いたしました次第であります。

 本法案の策定にあたりましては、水道施設が国民生活に不可欠の要素であるにかんがみ、まず、国民の利便とこれによる生活の合理化とを念願しつつ、その積極的な育成をはかり、かつ、市町村の公営を基本といたしますとともに、他方水資源の総合的合理的利用の促進、近代技術力の確保等を意図した次第であります。

 次に、本法案の内容についてその概要を申し上げますと、まず第一は、水道を大別して、一般国民を対象とする水道事業と、特定個人を対象とする専用水道とに分け、それぞれにつきまして、水質基準、施設基準、技術者による布設及び管理、水質検査、従業員の健康診断等の規定を設け、良好な水の確保とその管理の適正を期したことであります。

 第二は、市町村等の水道事業の経営者に対し、給水の義務、供給規定設定の義務、消火せん設置の義務等を課し、住民の利便に資するとともにその公共性の確定を期したことであります。

 第三は、各戸への給水装置の基準を設け、あるいは需要者の求めによる水質、給水装置の検査等を規定する等需要者の保護をはかるとともに、水道水の汚染防止を意図したことであります。

 第四は、市町村等の水道事業経営者に対して、浄水を供給する事業を規制し、また、水道事業の合理化のための勧告、市町村による買収の規定を設ける等極力水道事業の総合的な発展と水利用の合理化とをはかったことであります。

 第五は、水道事業の認可、その取り消し、専用水道の布設工事の確認、水道施設の改善命令、給水停止命令その他の監督規定を設けたことであります。

 第六は、給水人口五千人未満の簡易水道に対する国庫補助、その他水道事業に対する助成の規定を設けたことであります。

 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。

 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。

第26回国会衆議院社会労働委員会議録第29号10頁(昭和32年3月25日)〔神田博厚生大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=102601115)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。